粛々と、しっかりと

安保関連法案が、衆院本会議で可決されました。この件を2日連続で書きたくもないので、別の話題を。

政治家などが使う、独特の無味乾燥な言い回しを、考察してみました。

昔からあるのは、「前向きに検討する」とか「善処する」などの、「後ろ向き」な表現。

しかし最近は、取り組みの質や迅速性を表明する言葉が目立ちます。

【粛々と】

一見誠実そうで、「厳粛に」といったイメージですが、問答無用で突き進むニュアンスもあります。

沖縄県知事から「上から目線」だと叩かれたことは、記憶に新しいところです。

【スピード感をもって】

スピードはないけれど、スピーディーに成し遂げたい気持ちだけは汲んでください、的な言葉。

急ぐつもりがないときに使います。

【しっかりと】

それなりにやりますけど、結果は期待しないでね、というニュアンス。最近いちばんよく聞く言葉です。

「頑張ります」ぐらいの意思表示です。

政治家は、言質を取られないように、物事を確約する表現を避けて、努力する態度だけをアピールします。

この数年、国会で何か具体的に約束して、しかも確実に守ったのは、野田前首相の解散表明ぐらいでしょう。