子どもの腹痛はたいてい、ウイルス性胃腸炎が原因ですが、虫垂炎や便秘やその他の疾患も念頭に置きます。
腹部をあちこち触わって「硬さ」を診たり、少し押さえてみて「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-236.html" target="_blank" title="圧痛">圧痛</a>」の有無を探ります。
「ここ痛い?」「うん」「ここも痛い?」「うん」と、どこを押さえても痛いと言う子どもがいます。
でも、あまり痛そうな顔ではありません。
こんどは同じ場所を押さえて、「ここ痛くない?」と聞くと、やはり「うん」という返事だったりします。
そんなときは、最後にもう一度「どこが痛かった?」と尋ねると、「ここ」と教えてくれる場合もあります。
「ここ?」と再確認すると、小さな子どもはたいてい、「ここ」と答えます。
ここです、今日言いたいのは。いわゆる「こそあど言葉」、「ここ」「そこ」「あそこ」の使い分けです。
自分に近い場合「ここ」、相手に近い場合「そこ」、両者から遠い場合「あそこ」を使うと、習いました。
おなかを押さえながら私は、「痛むのはここ?」と尋ねます。
相手のおなかではあるけれど、そこを押さえている時点では、その場所は私に近いと考えているからです。
これに対して大人は「そこです」と答えます。
自分のおなかではあるけれど、私が「ここ?」と尋ねたことで、私サイドに視点を移して答えたわけです。
ところが小さな子どもは「ここ」と答えます。押さえられている場所は、あくまで自分のおなかだからです。
視点を相手側に移すことができるようになると、「そこ」と答えるようになるのでしょうね。
何歳からなのでしょう。調べてみることにします。