病院勤務医の過労死や過労自殺が、ときどき起きて問題となります。人手不足による過重労働が原因です。
その勤務医の実体を十分に把握していながら、厚労省はなかなか有効な手を打てません。なぜなら、
(1)勤務医の人数が現状のままで、残業だけを制限したら、診療が成り立たたない
(2)厚労省の官僚自体が、長時間の残業をしているので、他人に厳しく言いにくい
中央官庁のなかでも、残業の長さでは厚労省が断トツだそうで、「強制労働省」と揶揄されています。
その厚労省が今年、残業問題を解決しようと、動き始めています(動き始めているように見えます)。
(1)残業の多い民間企業への、監督・指導を強化する
(2)厚労省職員の、22時以降の残業を原則禁止する
厚労省のサイト内に、「先輩30人に聞きました」という面白いページを見つけました。
回答者のうち4分の3の厚労省職員が、平均的な退庁時間は22時以降と答えています。
その厚労省がはたして、自らの22時以降の残業を禁止できるのか。実効性に疑問はあります。
塩崎恭久厚労相曰く、「まず隗(かい)より始めよ」だそうです。
厚労省の残業が減らなければ、病院を指導しにくいでしょうから、期待するしかありません。