まづゎ、こんにちゎ

「それでゎ」とか「じつゎ」などの、小さい「ゎ」が、おもに若者の間で使われています。

調べてみたら私も1年前、ブログで「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-905.html" target="_blank" title="まずゎ">まずゎ</a>」を使ってました。いま思えば、「まづゎ」にすべきでした。

日本語の乱れを嘆くのは簡単ですが、なぜ「わ」ではなくて「ゎ」なのか、それを考察してみました。

まず(まづ)、「ゎ」には、語尾を小さな音量で話すような、力の抜けたイメージがあります。

語尾の強さの順に並べると、「それでは」>「それでわ」>「それでゎ」、みたいな感じです。

言葉の発音はどうも、長い間のうちにだんだんと、エネルギーを使わない方向に、変わっていくようです。

アクセントの「平板化」も、原理は同じなのかもしれません。

「こんにちは」と書いて、なぜ「コンニチワ」と発音するのか、という問題にも通じるものがあります。

「今日(こんにち)はご機嫌いかがですか」などの、挨拶言葉が省略されたものが「こんにちは」です。

元々はそれを、字の通りに発音していたのだけれど、昔の「は」の発音は「ファ」だったそうですね。

つまり「こんにちは」の発音は「コンニチファ」です。それが「コンニチワ」に変化したといわれています。

「ファ」の発音にはエネルギーが必要なので、力が抜けて、発音しやすい「ワ」になったという流れです。

しかし、「コンニチワ」という読みが定着しても、表記は「こんにちは」が正しいとは、不合理な話です。

若者が書く文章は、メールやLINEなど、その実体は会話文。だから発音通りに書くことには、一理あります。

「現代仮名遣い」の規則など気にせず、「こんにちわ」と表記し、さらに脱力して「こんにちゎ」なのです。

やがて「ヮ」も脱力して「ァ」になるのでしょう。「まづゎ」は「まづぁ」を経て「まざ」になりそうです。