<span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';">からだの各部を表す漢字には、「にくづき」という部首の字が多いです。「肺」とか「胃」とか「腸」とか。
これらの漢字は「旁(つくり)」の部分にこそ、その臓器の意味が含まれているはず。これは調べなくては。
と思った矢先、さっそく「肺」で引っかかってしまいました。そこでまずは、「杮」の話から。
「こけらおとし」を漢字で書くと「杮落とし」ですが、「こけら」は「柿(かき)」ではありません。
そんな常識をわざわざ偉そうに書くな、と思われた方。すみません。少々我慢してお付き合い下さい。
今日のブログは、字の</span><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';">区別が付きやすいように、明朝体にしています。</span><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';"><a id="fck_paste_padding"></a>なるべく拡大してご覧ください。
ただし、表示フォントの関係で誤表示または文字化けした場合は、意味不明となります。ご容赦下さい。
「柿(かき)」の旁の「市」は、「なべぶた」と「巾」です。「巾」は「なべぶた」の下にあります。
「市」は、人が集まって物を売買する場所の意味。音読みは「シ」、訓読みは「いち」。画数は5画。
「杮(こけら)」の旁「巿」は、「一」と「巾」です。「巾」の縦棒が「一」も貫いています。
「巿」は「フツ」と読み、膝掛けのことだそうです。画数は4画。
これらについては、異説もあるようですが、手元の漢和辞典では、そのような説明になっています。
さて「肺」です。本来の旁は「巿(フツ)」だそうで、体内から呼気を出すという意味があるそうです。
座っているときに、自分の吐息が膝の上に吹きかかるイメージでしょうか。膝掛けと関連付けるのであれば。
ところが、です。字をよく見ると「肺」の旁は「巿(フツ)」ではなく「市(シ)」になっています。
これは「読み書きを平易・正確にする」ために、昭和24年の当用漢字字体表で「字体整理」されたためです。
漢字の成り立ちを保つことよりも、書きやすさ・読みやすさが求められ、文字が統廃合されていきます。
かろうじて、「杮(こけら)」が生き残っているのは、もともとあまり使われない漢字だからでしょうか。
こんな風に引っかかったものだから、なかなか「胃」や「腸」や「肝」に、たどり着けないでいるのです。
(追記)
最初、「なべぶた」と書くべきところを間違えて「うかんむり」と書いてました。訂正しました。
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