武蔵ヶ丘

昨日の豪雨がウソのように、今日の熊本はよく晴れて、真夏日となりました。

宮本武蔵は、その晩年を熊本で過ごしました。あ、天気の話はもう、終わっています。

武蔵が眠るとされる墓は何カ所かありますが、私の通勤路のそばの、武蔵塚公園もそのひとつ。

死後も藩主を見守りたいという遺言により、その豊後街道に面した場所が墓所(武蔵塚)となったわけです。

これにちなんで、武蔵塚から東に少し進んだ辺りが、「武蔵ヶ丘」という地名になりました。

その「武蔵ヶ丘」はしかし、熊本市北区武蔵ヶ丘と、熊本県菊池郡菊陽町武蔵ヶ丘とに分かれています。

熊本市の武蔵ヶ丘には「武蔵小学校」があり、そのすぐ近所には菊陽町の「武蔵ヶ丘小学校」があります。

菊陽町の方が先に学校名を決めたので、熊本市の方は武蔵ヶ丘小学校にできなかったそうです。

熊本市の「武蔵中学校」と菊陽町の「武蔵ヶ丘中学校」も、ごく近所です。名前の由来も同様でしょう。

それらの地名の「武蔵ヶ丘」には、カタカナの小さい「ヶ」が使われています。

しかしその字は本来「ヶ」ではなく、「箇」の略体「个」、または「箇」のタケカンムリの片方だそうです。

少し前まで「2歳3ヶ月」などにも「ヶ」を使っていましたが、現在では「カ」か「か」を使うのが原則。

小さい「ヶ」は、地名などの固有名詞で使われるだけになったようです。

幼少期に住んでた防府市の、「石ヶ口(いしがぐち)」という地区名を思い出します。通称「いしけろ」。

「けろ」という、カエルっぽいのが面白くて、私たち小学生はもっぱら「いしけろ」と呼んでいました。

ところが最近、ふと地図を見たら「石が口」になってました。

どうやら固有名詞の「ヶ」も、淘汰されつつあるようです。おかげで「いしけろ」も消滅です。