Apple Watchを使ってみて、明らかに「新しい」と感じたこと。それは「触覚」です。
さまざまな情報が、独特の振動によって通知されます。これが、経験したことのない感触なのです。
ちょうど、iPhoneで最初に自分の指紋を登録するときに、指先に奇妙な振動を感じる、あれに似ています。
リズムは多彩です。ある時は「トトン」、またある時は「トゥトゥトゥッ」、あるいは「トゥクトゥク」。
ともかく「ト」で始まる感触なのです。「手首を軽く叩く」という言葉では、うまく表現しきれません。
しいて言うなら「消しゴム付き鉛筆の消しゴムの部分でリズミカルに叩く感じ」とでも言いましょうか。
ケータイやスマホのように、振動音が周囲に聞こえるようなことは、ありません。とにかく微振動なのです。
Apple Watchを装着している本人だけに、こっそり、心地よく伝わるところがミソです。
この絶妙な振動を起こすメカが、「Taptic Engine」とよばれる、「リニアアクチュエータ」です。
リニアアクチュエータとは、小さなリニアモーターによる往復運動で、小刻みな振動を生じさせる装置です。
スマートウォッチは、単に身近にあるだけではなく、常に手首に密着するデバイスです。
人の触覚を刺激するApple Watchは、その特徴を生かした点が、私は新しいと感じました。