また週刊文春が、「飲んではいけない<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1151.html" target="_blank" title="ジェネリック">ジェネリック</a>医薬品」などという、挑発的な記事を出しています。
「ジェネリックに変更したとたんに、薬疹が出た。その薬を止めたら、薬疹がおさまった」
このようなセンセーショナルな事例を、記事の冒頭に再び掲げています。
たしかにそのようなケースがあったのでしょう。当事者にとっては、それが事実なのでしょう。
しかし、数少ない事例のインパクトを利用して、ジェネリック全体をおとしめるやり方は、いかがなものか。
これはちょうど、衝撃的な副作用映像を報じて、子宮頸がん予防ワクチンをバッシングした手法と同じです。
たとえ、その薬に何らかの問題があったとしても、それを立証するには、統計学的手法を用いるべきです。
先発品と後発品(ジェネリック)の内服患者を、おおぜい比較検討してこそ、正しくモノが言えるからです。
「ジェネリック薬のほうが、薬疹が出やすいという印象を持つ医師や薬剤師は少なくない」
こんな非科学的な文章を平気で書くから、週刊誌の地位が、いつまでたっても上がらないのです。
「印象」という主観的な評価を、「少なくない」医師や薬剤師が持ったところで、何も立証できません。
医学は科学です。ジェネリックは先発品より劣っているのか、そうでないのか、先入観なく評価すべきです。
たしかに、製法やドラッグ・デリバリー技術など、先発メーカーには優れたノウハウが蓄積しています。
しかし個々の医薬品となると、ジェネリックの方が、先発品よりも優れているケースもあります。
たとえば、ある子ども用の抗生剤は、味の良いジェネリックの方でなければ飲めない子どもがいます。
先日TVで観た映画「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」では、興味深いシーンがありました。
薬を飲み始めて体が痒くなった患者が、薬をジェネリックに変えたら、痒みが消えたというエピソード。
冒頭の、週刊文春の記事とは真逆の事例です。このような経験は、実際に私にもあります。
そんなシーンをあえて盛り込んだのは、原作者である海堂尊氏からのメッセージなのかもしれません。