元の色は青と黒のドレスなのに、人によっては白と金に見えるという、「白と金のドレス」問題。
そのドレスの画像が、最近ネットを騒がせています。パソコンで見る限り、私は「白と金」派です。
ネットでこういう画像が出てくると、たいていは「錯覚」によるものなのですが、今回はどうも違う。
見え方に個人差があるようなのです。
となると「色覚」の問題(異常?)ということになります。「老化現象」という言葉もちらついてきます。
考えられる病変部位は、水晶体、網膜、視神経、視覚中枢(大脳)、そして心因性の5つ。
老化現象なら、視神経か大脳か、と思いがちですが、真っ先にやられる部位は水晶体かもしれません。
つねに紫外線をあびている水晶体は、とくに40歳ぐらいから、だんだんと黄色く濁ってきます。
病的な状態まで混濁したら「白内障」です。なので40歳以上を「白内障年齢」というそうです。
水晶体が濁れば、透明性が低下しますが、すべての波長の光が均一にさえぎられていくわけではありません。
まず、短波長の光から順に、届きにくくなります。つまり最初は、青色の認識が低下するということです。
印象派の画家クロード・モネは、白内障を患い、病状の進行とともに色使いが変わったことで知られます。
「睡蓮」の連作では、晩年だんだん青味が消えて、赤黄色くなっています。青色が見えなくなったからです。
ついに片眼だけ手術を受けると、こんどは何もかもが青く見える「青の時代」が、しばらく続いたとか。
さて、青いドレスが白く見えてしまう私は、残念ながら、白内障への途上と考えるべきでなのしょうか。