ノンアルコール飲料では初めて、2品目で、特定保健用食品(トクホ)表示が許可されました。
内閣府の消費者委員会が不適切とした昨年の答申を、内閣府の消費者庁が覆した点が、話題になっています。
まず、昨年の消費者委員会(第19回新開発食品調査部会)の議事録を見てみましょう。結論にこうあります。
「特定保健用食品として許可表示された場合、特定保健用食品のもつ健康に役立つイメージに引かれ、同飲料を飲用する未成年者が増加する結果、未成年者の飲酒の可能性がさらに上がるという当委員会の懸念点を払拭するには至らなかった。また、ノンアルコール飲料は未成年者の飲酒の入り口となる懸念があることから、食生活の改善に寄与する食品に該当しないとの懸念も払拭するには至らなかった。
以上のことから、本申請に係る製品を特定保健用食品と表示することが、結果として国民の食生活の改善に寄与しない可能性がある以上は、特定保健用食品である旨の表示を許可しないことが妥当である。」
いやあ、ツッコミどころ満載じゃないですか。たとえば、
(1)だいたい、未成年者が、トクホのもつ健康に役立つイメージに引かれますか?
(2)百歩譲って、そんな健康志向があるような未成年者が、飲酒しますか?
ノンアルコールビールって、本来あまり美味しい飲み物ではありません。
運転など、飲酒できない理由がある大人が、ビールの代替品として、しょうがなく飲むものでしょう。
あるいは、酒を飲めない人が、宴会等で周囲に合わせて乾杯するためなどに選ぶ飲み物でしょう。
まず、未成年者が、あまり美味しくないノンアルコールビールを飲む理由がない。
こんな飲み物を飲んだために、次は本物のビールが飲みたくなる未成年がいるとも考えにくい。
むしろ、ノンアルコールビールを飲んだせいで、ビールのことを飲まず嫌いになりはしないかと心配します。