建国記念の日

2月11日は、なぜ「建国記念日」ではなくて「建国記念の日」なのか。その「の」が必要な理由は何なのか。

まずは前段階として、国民の祝日を「の」の有無によって分類してみました。

(1)「の」あり:建国記念の日、春分の日、こどもの日、体育の日、文化の日など12日

(2)「の」なし:憲法記念日、天皇誕生日、元日の3日

どうやら、その日付に限定的な意味がある場合に限り、「の」を付けないようです。

日本国憲法が施行された5月3日、今上天皇の誕生日である12月23日、そして元日も、いずれも限定的です。

体育の日だって、東京オリンピックの開会式が行われた10月10日ではないのか、そんな反論もあるでしょう。

たしかにこの祝日が「オリンピック記念日」なら、「の」は無かったと思います。

ところが「体育」と一般化したものだから「の」が付いたと、そう考えてはどうでしょう。

同様に、日本国憲法が公布された11月3日も、「文化」と一般化したものだから「の」が付いた。

春分の日や秋分の日は、科学的計算によって決まるので、もともと日付は限定的ではありません。

では「建国記念の日」はどうなのか。2月11日はもともと、神武天皇が即位したとされる「紀元節」です。

もしも「建国」=「神武天皇即位」とするなら、この日はまさしく「建国記念日」。これが自民党案でした。

しかし社会党の反対により、日付を定めず、建国そのものを祝う「建国記念の日」という名称で法案が成立。

日付は後に、政令で2月11日と定められたので、この日は事実上の「建国記念日」なのです。

「の」を入れることで、自民党も社会党も自分に都合良く解釈できる、玉虫色の決着だったわけですね。