<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-487.html" target="_blank" title="節分">節分</a>の今日、「恵方巻き」を流儀どおりに食べました。でも恵方巻きを私が知ったのは、近年のことです。
「恵方」そのものは、子どもの頃から知っています。正月にはいつも、恵方詣りをしてましたから。
今年の恵方は西南西といわれていますが、もちろん厳密には違います。正しくは「庚(かのえ)」です。
北を「子(ね)」として、全方位を24等分したうちの18番目。時計でいうなら8時半の方向です。
北から時計回りで255度なので、西南西の247.5度よりは、7.5度だけ西寄りです。
ところで、地図上の北「真北(しんほく)」と、方位磁針の指す北「磁北(じほく)」は、ずれています。
いったい、恵方を決める基準は、真北なのか磁北なのか。恵方巻きを食べる向きにも影響する、大問題です。
磁北はしかも、時と場所によって変わります。熊本では今、約6.5度、磁北が真北よりも西へずれています。
風水では、磁北に従って、さまざまな方位を規定するらしいので、恵方も磁北で決めるべきなのでしょうか。
そうならば、恵方は6.5度だけ南にずれるので、ほとんど西南西に一致します。
じゃあ、最初から西南西でいいじゃん、てことになるのでしょうか。いや、どうもそうではなさそうです。
土地との関わりが深い風水とは異なり、恵方は陰陽道の考え方。そして陰陽道は天文との関連が深いもの。
だから方位の基準は磁北ではなく、天体(北極星)を基準とした真北で考えるのが自然でしょう。
その証拠に、北の「子(ね)」と南の「午(うま)」を結ぶ線を、子午線というぐらいですから。
恵方巻きの食べ方などに、明確な科学的根拠があろうはずがありません。言ってみれば儀式のようなもの。
だからこそ、せっかく節分に恵方巻きを食べるのであれば、とことん流儀にこだわりたいものです。
なお、iPhoneのアプリ「コンパス」は、初期設定では磁北を使うようになっています。
庚の方角(255度)を正しく調べたいなら、「設定」>「コンパス」>「真北を使用」をONにしましょう。