<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1206.html" target="_blank" title="センター試験">センター試験</a>の採点の結果、理科の選択科目間で平均点に大きな差が出たため、得点調整をするとのこと。
旧過程の「物理1」の平均点69.93点に対し、新課程「生物」は48.39点。その差が20点を超えたためです。
試験科目によって、平均点に大きな差ができる原因は、一般的に次の2つでしょう。
(1)問題の難易度の違い
(2)受験生の学力の違い
まず、学習範囲の広い新課程と、ゆとり教育の旧課程の科目が混在し、ずいぶん難易度が異なったようです。
同じ科目どうしで比べると、旧課程の方が平均点が6点以上高く、地学に至っては18点の差がありました。
この点に関して言えば、得点調整を行うことは理にかなっているかもしれません。
しかしそれ以前に、浪人生だけが、学習範囲の狭い旧過程で受験できる規定だったことは、やはり問題です。
では、教科間の違いはどうでしょう。物理と生物とで、難易度に明らかな差があったのでしょうか。
たしかに平均点は、旧過程では物理>化学>地学>生物、新課程では物理>化学>生物>地学の順でした。
しかしこの順序は、難易度の差というよりも、その科目を選択した受験生の理系能力の違いかもしれません。
高校理科の中で、物理・化学は「理系」的、生物・地学は「文系」的な側面があります。
物理は、その原理・法則等をきちんとマスターしていれば、必ず高得点が取れる科目です。
化学は、知識を問われる部分もあるので、万一不得意な分野から出題されると、失点しかねません。
地学や生物は、さらに暗記項目が多くてリスキーなので、根っからの理系人間は選択しない科目です。
理系学力を問うのが理科の試験なら、物理を選択して高得点をとる受験生を、正当に評価すべきです。
物理と生物の間で得点差が出たから調整するなど、まったく不公平な措置だと思います。