先日の出題ミス事件をきっかけに、センター試験の「世界史B」の問題を眺めてみたんですが、悪問ですね。
設問はすべて、まず歴史に関する7,8行の文章を読ませ、その下にいくつかの問いが並ぶという形式です。
ところが、その問いの内容が、冒頭の文章とは実質無関係。ひどいこじつけばかりじゃないですか。
例えば、問4のBの設問は、「じゃんけん」の歴史についての、ちょっと興味をそそる文章で始まります。
「古代の中国に起源を持つとされるじゃんけんは、現在、世界大会が開かれる競技であり、・・・(後略)」
この文の「中国」という文字の下に「4」と表示された下線が引いてあり、以下のような問いが続きます。
「下線部4の国(=中国)から伝わった制度や文物について述べた文として、誤っているものを選べ」
選択肢は4つ。それぞれ、羅針盤、製紙法、養蚕、科挙に関する文です。全部「じゃんけん」とは無関係。
じゃあ「じゃんけん」どこ行ったの?って話です。結局、冒頭の文章は、設問の内容には関係無いのです。
ただ単に「中国」という言葉を、登場させるためだけの役割しかないのです。
総じてみると、世界史Bというのは結局、短い文の正誤を問う問題の羅列にすぎません。
それなのに、あたかも文章問題のような体裁をとって、設問に深みを出そうという魂胆が見え見えです。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1202.html" target="_blank" title="前にも書きました">前にも書きました</a>が、よっぽど知識偏重の問題だとは言われたくないのでしょうね。