氾濫するネット情報とは異なり、書籍には、集積、統一性、重み、労力、時間、哲学を感じます。
しかしその本を、最近はあまり読みません。たとえ読んでも、なかなか最後まで読み進むことができません。
読んでいて気になった箇所があると、すぐに読書を中断し、ネット検索してしまいます。
検索があまりにも容易になったので、ついつい脇道にそれてしまうのです。
馴染みのない熟語とか表現、書いてある内容自体に興味が湧いた際にも、読書を中断することになります。
そしてひとたびネットに向かうと、元の本に戻る機会を逸してしまうのです。
ネットは混沌とした情報の海原であり、広く眺め回すことはできても、個々の情報の重みはどうしても軽い。
枝葉にも探りを入れるうちに、情報はいくらでも拡大・発散して、当初の目的をほとんど見失います。
しかもこのような作業で得られるのは、「へえ〜」か「ふ〜ん」だけ。ほとんど時間のムダです。
しかし、ほとんどムダだけど全部ではない。まれにチラッと、珠玉のページやお宝情報に遭遇します。
作りが良く、文章も読みやすく、主義主張が一貫していて、研究も奥深い。そのまま本にできそうなページ。
こういうサイトを作れる人が、どうして本を出さずに無料のブログを続けるのか。サービス精神?
このようなことを思うのも、最近知人(後輩)が自身のブログを書籍化して、けっこう売れているからです。
でも考えてみれば私のブログには、統一性、重み、哲学が無い。無料だからギリギリ許容されるんでしょう。
いや、許されているかどうかもわかりません。まさか本にするなど、考えたこともありませんよ。