大河ドラマの裏番組

大河ドラマ「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1162.html" target="_blank" title="軍師官兵衛">軍師官兵衛</a>」は、今夜が最終回。

徳川家康の「東軍」と、石田三成の「西軍」がぶつかった、関ヶ原の戦いで始まりました。

その結末がどうなるのかなど、完全にネタバレですが、それでも楽しめるのが歴史ドラマです。

東軍が西軍を、わずか1日(実質6時間)で破った事実は、どのように描いても、変えようがありません。

しかしそれにしても、関ヶ原の戦いを、最終回の1回だけで通り過ぎるのは、もったいなかった。

ちなみにこれまでの放送の視聴率は、関東で15%前後、関西で17〜20%程度と、西高東低だったそうです。

関ヶ原では東軍が勝ちましたが、官兵衛ひいきは西日本に多いようです。

民放に目を向けると、大河ドラマの裏番組はバラエティー番組ばかり。まるで自民党と野党みたいな感じ。

今の世の中、テレビ番組は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1118.html" target="_blank" title="簡単に録画">簡単に録画</a>が出来るので、大河ドラマと裏番組の、両方を見ることもできます。

あるいは今夜の私のように、仕事から帰宅後に8時半頃から、官兵衛を追っかけ再生して見たりもできます。

こういった場合の視聴率って、どう考えるんでしょうね。

子どもの頃、大河ドラマの時間帯に「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」という民放番組がありました。

私が覚えているのは野球拳のコーナーだけですが、その低俗さが問題となって番組は打ち切られました。

しかし、視聴率は大河ドラマを凌いだ日があったそうで、視聴者は大河よりも野球拳を見たがったわけです。

それを低俗番組だなどと攻撃したPTAは、ある意味、多数意見に反する行動をとったことにもなります。

その時代、テレビは一家に1台のみ。まさか録画装置などあるはずもありません。

大河ドラマか、野球拳か、各家庭はどちらを見るかを選択しなければなりませんでした(わが家は野球拳)。

当番医は重症者優先です

冬場は当院を受診される患者さんが増えます。風邪やインフルエンザが流行するからです。

とくに他院が休診している日曜・祝日は、かなり遠隔地の方も来院されます。

当院の診療予約は、インターネットと電話によって受け付けています。

ネットでの予約受付は、その患者さんの重症度が把握できないのが問題。急ぐ場合は電話してほしいです。

一方で電話予約の欠点は、タイミングが悪いとなかなかつながらないことです。

毎朝8時ちょうどから、私と事務員の2人で電話番をしますが、受付用の電話は2回線しかありません。

早く受診したいだけの軽症者の電話が先につながり、重症の方の電話がつながらない場合もあり得ます。

電話でお尋ねした病状や、来院後の様子を見て、診療の順番を臨機応変に入れ替える必要があります。

さて明日、当院は休日当番医。当院を初めて受診される方が、いつにも増して多い日です。

予約方法を知らない方が不利にならないように、当番医の日は、ネットや電話の予約受付を行いません。

原則として来院順に診察を行います。なので来院後は、ずっと院内でお待ち頂くのが、この受付方法の欠点。

ですが、受付時点で患者さんの重症度を把握しやすいので、トリアージをしやすいのは利点。

軽症の方は後回しにされかねないので、風邪程度では、休日当番医を受診しないのが賢明でしょう。

STAP細胞はありません

もうほとんどの人がその存在を信じていない「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-894.html" target="_blank" title="STAP細胞">STAP細胞</a>」。その検証実験はついに、打ち切られました。

「細かなコツをクリア出来れば再現できる」という小保方氏本人の手によっても、再現できませんでした。

小保方氏はあさって理研を退職し、この一件は事実上、幕引きとなるのでしょう。

「新発見は得てして疑われるもの」だからこそ、STAP細胞は逆に、最後まで信じたかったですね。

理論的には、再現できないからといって存在しないとは断定できませんが、まあ、そろそろ諦めましょう。

はたして捏造だったのか、あるいはまさかの真実だったのか。それを知っているのは、小保方氏ただ1人です。

いや、捏造でもなければ真実でもない、彼女の妄想だったのかもしれません。

妄想でも捏造でも、内容が新しく、体裁が整い、有力共著者を揃えた論文は、科学的には信用されます。

科学者が不正を行うはずがないという「研究者性善説」によって、データそのものは、あまり疑われません。

超一流の科学雑誌「Nature」は、少しでも研究生活歴のある人間にとっては、雲の上の存在です。

そのNatureが小保方論文を採用したのは、STAP現象の画期性を、重要視しすぎたためでしょうか。

笹井芳樹氏などの超有力共著者の存在によって、論文の真正性が疑われることもなかったのかもしれません。

ひとたびNatureに掲載されると、こんどはNatureの権威によって、世界中がSTAP細胞を信じました。

それから1カ月間、日本中はお祭り騒ぎでしたが、その後手のひらを返したようにSTAP叩きが始まりました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-648.html" target="_blank" title="バルサルタン">バルサルタン</a>問題で、日本人の臨床研究論文が信頼を失ったのは昨年のこと。

今年は、基礎研究論文にも、特大のケチがついてしまいました。

大日本○○

くどいようですがNHKの「マッサン」は、ニッカウヰスキー創業者を描いたドラマです。

「ニッカ」という名前は、その前身である「大日本果汁株式会社」(またはその商品名)が由来のようです。

「大果(ダイカ)」としたのでは、なんとも語呂が悪くなるところでした。「日果(ニッカ)」で良かった。

「大日本○○」という会社が「ダイ○○」という社名に変わるかどうかは、語呂の問題なのでしょう。

大日本印刷は「ダイイン」にならなかったし、大日本除虫菊も「ダイジョ」ではありません。

「タカタのエアバッグのリコール問題に関連し、ダイセルの株価が急伸した」という記事を目にしました。

私には無縁の経済ニュースですが、しかし「ダイセル」という社名だけは、どうしても気になります。

調べてみると前身は「大日本セルロイド」でした。エアバッグ用のガス発生装置では世界3位とか。

「電力機器大手のダイヘンが、ワイヤレス給電システムを来年度にも発売する」という記事も見かけました。

「ダイヘン」ならば、元は「大日本変圧器」だろうと思って調べたら、「大阪変圧器」でした。そっちか。

ダイヘンと聞いて思い出したのは、ベタですが「代返」です。他人になりすまして、出欠の返答をすること。

医学部での講義の場合、出欠の取り方は、配られた紙に署名する方式だったので「代筆」ともいえます。

法医学の牧角三郎教授のときは、出欠取りの代わりに、いつも小テストが行われました。

答案を2人分書くのは大変なので、代返(代筆)するのも一苦労です。

しかも教授が筆跡鑑定をするものだから、すぐばれてしまい、翌週の講義のネタになるのがオチなのです。

今日はいつも以上に、話がまとまりませんでした。ま、ずれていく話も、嫌いじゃない。

タミフルの使い回し

インフルエンザ治療薬のタミフルは、1回1カプセル、1日2回、5日間内服するのが通常です。

そのため、インフルエンザと診断した日に、5日分処方し、基本的には5日分飲みきってもらいます。

しかし、あまりにも軽症ならば、2,3日の内服で終了しても良いでしょう。そこはケースバイケースです。

さて、最近目に付くのは、家族内などで見られるタミフルの融通(使い回し)。

先にインフルエンザに罹った者が、遅れて発症した者に、手持ちのタミフルを与えるケースです。問題点は、

(1)インフルエンザであるかどうか、医師の診断を受けないまま、治療を開始すること。

(2)1人分のタミフルで2人が治療を行うので、両者ともに内服日数が不足すること。

(3)タミフル内服後に医療機関を受診した場合、検査で陽性反応が出にくく、確定診断がつかないこと。

(4)原則として処方が禁じられている10歳代のお子さんに、タミフルを飲ませる場合があり得ること。

自己判断の誤りやタミフルの副作用などを考慮すれば、原則はこの通りです。しかし私の本音を言えば、

(1)状況証拠でもインフルエンザの疑いが強ければ、できるだけ早くタミフル内服を開始するのは有意義。

(2)5日間飲む必要があるかどうかは、経過次第。内服開始のタイミングが良ければ、短くて良いかも。

(3)家族内発症の場合、検査をしなくても、病状と状況でインフルエンザと診断できることが多い。

(4)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1156.html" target="_blank" title="10歳代への処方は控える">10歳代への処方は控える</a>ことになっているけど、絶対禁止ではない。そもそも、その根拠も疑わしい。

もちろん、高熱の原因が本当にインフルエンザなのかどうか、それを判断するのが医者の役割です。

時間をムダにしないよう、早めの受診をお願いします。タミフルの使い回しは、緊急時限定ですので。

テレビ番組はガセだらけ

「林修の今でしょ!講座」という番組。わりと面白いのですが、その内容を鵜呑みにしてはいけません。

今夜は『医者に聞きにくい病気・薬の疑問を解消!! 3時間SP』と題して、おかしなことを言ってました。

まあ、バラエティー番組のあら探しをするのも大人げないですが、間違った情報は正さねばなりません。

今日はとくに、薬についての話で気になった事柄について、いくつか取り上げてみます。

『薬局で買えるかぜ薬と、医者が出すかぜ薬の違いは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-396.html" target="_blank" title="抗生物質">抗生物質</a>が入っているかどうか』

こういうの困る〜。ガセすぎ。そもそも抗生剤は、普通の風邪(ウイルス感染)には効きません。

しかし、抗生剤を希望する方はたしかに多い。私も病状等を総合的に判断して、処方するかどうか決めます。

『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-479.html" target="_blank" title="ワルファリン">ワルファリン</a>を飲んでいる人は、納豆の他に、ブロッコリーやホウレンソウなどの緑黄色野菜がNG』

これ、大間違いです。納豆はたしかにNGですが、緑黄色野菜を適量食べるのは問題ありません。

納豆も緑黄色野菜もビタミンKを含むので、ワルファリンの作用を減弱させます。

しかしビタミンKは、もともと腸内細菌が体内で作っている物質。野菜ばかり制限しても意味がないのです。

ただし納豆菌は、腸内細菌をしのぐほど大量のビタミンKを作ってしまいます。だから納豆はNGなのです。

納豆と野菜を一緒くたにする誤った情報が、野菜すべての摂取制限につながり、栄養上の観点から問題です。

『抗生物質は、最後まで飲みきること。咳などのかぜ薬も、必要があって処方された薬は飲みきること』

抗生剤は、耐性菌を作らないためにも、ある程度の日数飲む必要がありますが、症状が改善しない場合は別。

効かない抗生剤を、やみくもに続けるのは問題です。病状経過によっては、薬の変更も考慮すべきです。

一般的なかぜ薬は、特別に理由がない限り、症状が改善したら中止するのが基本。飲みきる必要ナシです。

逆に症状が悪化する場合にも、漫然と同じ薬を飲み続けてはなりません。

私は通常、かぜ薬は3,4日分しか処方しません。3,4日で治るか、あるいは処方の変更が必要になるからです。

ジェネリックは躍進中か

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1151.html" target="_blank" title="ジェネリック医薬品">ジェネリック医薬品</a>は、定期的に発売が決定されますが、今月は半年ぶりに、たくさん登場しました。

正しく言うなら、後発医薬品の薬価基準収載です。先週官報告示され、発売されました。

血圧を下げる薬(降圧剤)「カンデサルタン」のジェネリックには、33社が参入してきました。

よく使われる抗生剤「レボフロキサシン」でも、29社からジェネリック発売という、大人気ぶりです。

つまりこれらの薬は、すでに市場規模が大きく成熟しており、作れば売れる薬だということです。

厚労省が決める公定価格である「薬価」は、通常、先発品の0.6掛けの算定となります。つまり4割引きです。

しかしカンデサルタンもレボフロキサシンも、薬価は0.5掛けに設定されました。先発品の半値です。

参入するメーカー数の多い医薬品では、いっそう安くして競争させようという考え方なのでしょう。

しかしこれでも、欧米に比べるとまだまだ高い薬価設定です。

後発品を普及させつつも、先発品メーカーへの打撃もほどほどにしたい。日本流の折衷案なのでしょうか。

もちろん厚労省は、薬価や診療報酬をちまちま改定して、ジェネリックの普及を狙っています。

それに対抗して先発メーカーは、先発品2種類の成分を混合した<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-980.html" target="_blank" title="配合剤">配合剤</a>を、作ったりしています。

これはジェネリックへの安易な切り替えをしにくくするための、苦肉の策とも言えます。

配合剤はけっこう便利なので、ついつい処方してしまいます。ジェネリック普及を妨げる一因でしょうね。

投票あさいちばん

衆院選は、開票結果の大勢が判明し、事前の情勢調査の通り、自民圧勝のようです。

今回私は、期日前投票するのをすっかり忘れていたので、出勤前の今朝いちばんに投票して来ました。

投票所はちょうど、通勤路の途中にあります。まだ薄暗い、6時56分に現地到着。

しばらく自家用車の中で待ち、6時59分に投票所の建物に向かいました。

入口の前にはすでに、2人ほど待っていました。私が3人目。私のすぐあとに、もう1人。全部オッサン。

ロックされた自動ドアの内側には、係の方が2人。腕時計とにらめっこして、7時になるのを待っています。

投票開始が7時なら、6時59分30秒には入場させてもよさそうなものですが、融通が利きません。

「7時ばい」。列の先頭のオッサンが、自分の腕時計を見ながらそう叫びましたが、却下されました。

どうやら、彼の時計がわずかに進んでいた模様。しかしその数秒後、7時ジャストに、ドアが解錠されました。

その数秒ぐらい早くてもいいじゃん、と思いながら、順路に従って投票箱のある部屋に、オッサン4名が入場。

立会人を含め、総勢8人ほどの係員と、3つの投票箱が、我らを待ち受けていました。

ところがここからが、いつもの投票とは違います。3つの投票箱が、すべて開いていたからです。

「最初に来られた方には、投票箱の中を確認して頂きます」と係員。不正が無いかどうかの確認のためです。

有権者を代表して、我ら4名のオッサンに、その確認作業の大役を果たせと、そういうことです。

まあおかげで、空の投票箱の内部を、生まれて初めて生で見ることになりました。

「この通り、中には何もありません」。係員はマジシャンのようにそう言うと、箱を閉じて施錠しました。

どうせなら「タネも仕掛けもありません」と言ってほしかった。

5枚刃はよく剃れるのか

「カミソリの刃は多ければ多いほどよく剃れるのか」というタイトルにしたかったのですが、長いので。

私が使っているのは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1105.html" target="_blank" title="先日も書いた">先日も書いた</a>Gilletteの2枚刃です。毎朝剃っていて、疑問が2つあります。

(1)何日使ったら、取り替えるべきなのか?

(2)もっと刃の枚数が多い方が、よく剃れて肌にも優しいのではないのか?

刃の枚数が多いほど高額になるので、取り替えインターバルにも影響します。この両者は切り離せません。

ヒゲの切断により刃が摩耗するので、刃の数が多いカミソリの方が、刃一枚当たりの摩耗は少ないはずです。

しかし、何枚刃であっても、最初にヒゲに当たる一番下の刃が、いちばん摩耗すると考えるべきでしょう。

つまり、カミソリ全体としての取り替え時は結局、一番下の刃の摩耗具合で決まります。

ならば、安い2枚刃を短いインターバルで取り替えた方が、高価な5枚刃を長く使うよりもいいはずです。

刃の枚数が多いと不利な点は、もう一つあります。それは刃全体の面積が、大きくなることです。

5枚刃の肌に当たる部分の面積は、2枚刃の2.5倍ではなく、理論上は4倍あります(説明は省きます)。

面積が大きくなれば、肌の起伏へのフィットが悪くなります。エッジが利かないと言ってもいいでしょう。

とくに気になるが、エラの下とノドボトケの両サイド。この部分、5枚刃では厳しいと思います。

理想的には、線で剃る一枚刃。床屋さんのカミソリでしょうね。私にはとても扱えませんが。

アップルの日本進出

Appleが、日本国内に研究開発の拠点を作ることが、このたび明らかになりました。

こういったニュースは、一般のマスコミがスクープしたり、IT系のメディアから流れてくるのが通常です。

ところが今回は、さいたま市で街頭演説中の安倍首相の口から、この第一報が飛び出したので驚きました。

「あのアップルが皆さん、アップルが、最先端の、研究開発を、日本でする。これを皆さん决めたんです」

「もうじき正式な発表があると、思う。アジアで最大級の、研究開発拠点を日本に置く」

安倍首相の言葉の句切り方に応じて、読点「、」と句点「。」を付けたら、上のような文章になりました。

とくに「皆さん」という言葉のはさみ方が独特です。鳩山由起夫元首相も、同じような話し方でした。

それはともかく、どのメディアも報じていなかったこの情報を、選挙演説のネタにするのはいかがなものか。

通常、マスコミのスクープに対しては何もコメントしないAppleですが、今回はコメントを発表しました。

一国の首相がリークしてしまったので、しょうがなかったのでしょう。

iPhone利用者が多い日本に、Appleの研究開発拠点を置くことは、理にかなっているかもしれません。

なにしろ日本で販売されているスマホの、OS別シェアは、iOS(つまりiPhone)が約7割を占めています。

世界シェアだと、わずか12%程度。Appleの本拠地の米国ですら、4割程度なのにです。

海外でのAndroidの圧倒的シェアは、その価格の安さによるものです。本来iPhoneは、とても高いのです。

ところが日本では、キャリア各社の販売戦略によって、iPhoneが異常な低価格に設定されています。

ていうか、なんとかプランとか、なんとか割とか、料金体系が複雑で、高いのか安いのかよくわかりません。

Appleが企業として日本に進出してくれば、国内各社もますます、iPhone販売に力を入れることでしょう。

なにしろ、首相もノリノリじゃあないですか皆さん。悪いようには皆さんならんでしょう。