毎晩ビールを飲んでいますが、350ml缶1本ではもの足りません。どうしても2本飲んでしまいます。
節約と節酒を兼ねて、500ml缶1本に変えてみたこともありますが、結局500mlを2本飲む羽目になりました。
もしも350ml缶を毎晩3本飲む人なら、ほぼ同じ量になる500ml缶2本を飲んだ方お得です。
大きな缶の方が、内容量のわりに安いからです。一般に、多くの商品が、量の多いものほど割安です。
医療用医薬品の値段(薬価)は厚労省が定めていますが、これもビールと同様の考え方のようです。
例えばある薬Aの5mg錠が50円のとき、10mg錠は90円。有効成分が2倍でも、薬価は1.8倍だったりします。
面白いのは、この1.8倍という比率が前例となって、あとで発売される類似薬にも適用されることです。
Aの類似薬Bの薬価は、8mg錠なら4mg錠の1.8倍、16mg錠なら4mg錠の1.8x1.8倍というわけです。
では、類似薬Bの6mg錠は、4mg錠の何倍の薬価にすべきなのか。
厚労省は「規格間調整比」という概念によって、これを数学的に解決しています。「対数」を使う手法です。
前述の薬Aであれば、規格間調整比= log(90/50) / log(10/5) =0.8480となります。
これを薬Bに適用すれば、6mg錠の薬価は、4mg錠の「 (6/4)の0.8480乗」=1.41倍と決められます。
お役人も、回りくどいことをするものです。書くのもイヤになるぐらい、ヤッカいな話です、薬価だけに。