テレビ番組はガセだらけ

「林修の今でしょ!講座」という番組。わりと面白いのですが、その内容を鵜呑みにしてはいけません。

今夜は『医者に聞きにくい病気・薬の疑問を解消!! 3時間SP』と題して、おかしなことを言ってました。

まあ、バラエティー番組のあら探しをするのも大人げないですが、間違った情報は正さねばなりません。

今日はとくに、薬についての話で気になった事柄について、いくつか取り上げてみます。

『薬局で買えるかぜ薬と、医者が出すかぜ薬の違いは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-396.html" target="_blank" title="抗生物質">抗生物質</a>が入っているかどうか』

こういうの困る〜。ガセすぎ。そもそも抗生剤は、普通の風邪(ウイルス感染)には効きません。

しかし、抗生剤を希望する方はたしかに多い。私も病状等を総合的に判断して、処方するかどうか決めます。

『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-479.html" target="_blank" title="ワルファリン">ワルファリン</a>を飲んでいる人は、納豆の他に、ブロッコリーやホウレンソウなどの緑黄色野菜がNG』

これ、大間違いです。納豆はたしかにNGですが、緑黄色野菜を適量食べるのは問題ありません。

納豆も緑黄色野菜もビタミンKを含むので、ワルファリンの作用を減弱させます。

しかしビタミンKは、もともと腸内細菌が体内で作っている物質。野菜ばかり制限しても意味がないのです。

ただし納豆菌は、腸内細菌をしのぐほど大量のビタミンKを作ってしまいます。だから納豆はNGなのです。

納豆と野菜を一緒くたにする誤った情報が、野菜すべての摂取制限につながり、栄養上の観点から問題です。

『抗生物質は、最後まで飲みきること。咳などのかぜ薬も、必要があって処方された薬は飲みきること』

抗生剤は、耐性菌を作らないためにも、ある程度の日数飲む必要がありますが、症状が改善しない場合は別。

効かない抗生剤を、やみくもに続けるのは問題です。病状経過によっては、薬の変更も考慮すべきです。

一般的なかぜ薬は、特別に理由がない限り、症状が改善したら中止するのが基本。飲みきる必要ナシです。

逆に症状が悪化する場合にも、漫然と同じ薬を飲み続けてはなりません。

私は通常、かぜ薬は3,4日分しか処方しません。3,4日で治るか、あるいは処方の変更が必要になるからです。