二酸化炭素の泡

昨日は「バスロマン」について書きましたが、やはり体が温まるのは「バブ」でしょう。

そこで今日は「泡の数10倍」を謳う「バブ メディケイテッド」(錠剤タイプ)を、初めて使ってみました。

「発砲中の錠剤に顔を近づけると、まれにせき込む場合があります」と、注意書きに書いてあります。

「必ず入浴剤として使用し、遊び等には使わないようにご注意ください」どーゆー遊びですか。

「溶かしてから2時間以内の入浴が効果的です」1分以内に入りました。

「天然の大理石浴槽には使わない」それは大丈夫。

でも「炭酸ガス」入浴剤は、どのような機序で体を温めるのでしょう。

花王のサイトに「教えて!向井理の『炭酸力』講座」というのがあります。それによると、

「目には見えない炭酸がたっぷり溶けているから、温浴効果をしっかり高める」と。答えになってません。

温泉の「二酸化炭素泉(炭酸泉)」は、循環を改善し血圧を下げるので「心臓の湯」ともいわれています。

皮膚から吸収された炭酸ガスが、毛細血管を拡張するという話です。ホントですか。

二酸化炭素泉を模したバブの主成分は、「炭酸水素ナトリウム(重曹)」と、その分解を助ける酸性剤です。

ちょうどこれは、ベーキングパウダーと同じ組み合わせ。いずれも、水に溶かすだけで二酸化炭素が出ます。

で、二酸化炭素で気になることと言えば、地球温暖化、でしょう。

のほほんと二酸化炭素風呂につかることが、地球温暖化に関与することになりはしまいか。それが心配。

とか思いながら、今日は大晦日なのでシャンパンを飲んでいます。その二酸化炭素の泡も、気にはなります。

バスロマンとバスクリン

最近のお気に入りの入浴剤は「バスロマン プレミアムスキンケア」。ほのかにバニラの香りがします。

その前に使っていたのは「バブ 森の香り」でした。

冬至のときには特別に「ゆずの香り」に変えたのですが、そのゆずの香りが弱い。まったく弱い。

パッケージをよく見たら、バブじゃない。「トップバリュ」ブランドのまがい物でした。やられた。

温泉地で買うような「湯ノ花」に比べれば、一般の入浴剤はどれもパンチがない。香りが弱いです。

そう思って今日は、バスロマンを多めに入れました。いま風呂上がりの私の体から、バニラ臭が漂います。

バスロマンの製造元は「ツムラ」なんだろうと思って容器をよく見たら、「アース製薬」じゃないですか。

知らなかった。てっきり「バスクリン」の姉妹ブランドかと思ってました。

調べてみると、そのバスクリンはツムラから分社化・独立して、しかも3年前にアース製薬が買収しています。

つまり今となっては、バスクリンもバスロマンも、アース製薬の製品。姉妹ブランドじゃないですか。

いまビールを飲みながら、枝豆をつまんでいますが、指先がすごくバニラ臭くて、枝豆の味が変です。

ストライサンド効果

ソニー・ピクチャーズ(SPE)の北朝鮮映画「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1179.html" target="_blank" title="The Interview">The Interview</a>」は、iTunes Storeでの提供も始まりました。

そのSPEへのサイバー攻撃はしかし、北朝鮮犯行説が疑問視され始め、内部犯行説が浮上してきました。

まだ確定ではありませんが、いろんな記事を総合すると、次のような根拠があるようです。

(1)ネット経由で盗み出すには、100TBというデータは大きすぎる(内部犯行でないと無理)

(2)北朝鮮が過去に使った手口でハッキングしたことが、逆に怪しい(なりすましを疑わせる)

(3)犯行グルーブが最初に行ったのは、SPEの不当なリストラへの抗議だった(北朝鮮がする?)

(4)映画の公開中止を要求すれば、かえって映画が注目されてしまうことは明白(北朝鮮がする?)

この(4)については、「ストライサンド効果」という言葉を使って報じられています。

隠そうとすればするほど、意図に反して目立ってしまい、やぶへびになるという意味です。

バーブラ・ストライサンドが自宅写真の公開差し止め訴訟を起こしたら、逆に画像が拡散した一件が由来。

もともとB級映画といわれていた「The Interview」は、今回の騒動で知名度が飛躍的に上がりました。

じゃあ結局、ソニー・ピクチャーズは得をしたのかと言えば、そうでもないでしょう。

(1)内部犯行が起きたことで、会社側に問題があることが露見した

(2)漏れた内部情報による、会社や役員のイメージダウンも大きい

(3)米国政府と協調して、北朝鮮に濡れ衣を着せてきたのも問題

「自分たちは関与していない」と、いくら否定しても信じてもらえなかった北朝鮮が、いま思うと哀れです。

Suicaと限定品商法

東京駅開業100周年を記念した「限定Suica」は、希望者が殺到して混乱し、販売が途中で中止されました。

残りの販売をどうするのかと思っていたら、大量に追加製造し、再発売する方向とのこと。

問題は解決していません。追加発売と聞いて、別の不満が噴出しています。

「苦労して買ったのに、販売量を増やすとプレミアム感がなっくなってしまう」

「限定品じゃなくなるのなら、わざわざ(遠隔地から)買いに行かなかった」

「ネットオークションで高値で落札したが、キャンセルはできないのか」

たしかに、いったん限定品として発売した以上は、最後まで限定しておかなければ、ある意味不公平です。

限定品でなくなれば、相対的に価値が低下します。そのことで訴えを起こす人も、出てくるかもしれません。

そもそも、東京駅開業100周年を記念するのなら、1年間ずっと限定なしで販売すればよかっただけの話。

それを1万5000枚に限定しようというのが間違い。JR東日本の「限定品商法」が見え見えです。

限定Suicaなら未使用のまま収蔵する人も多く、使用されなければ、丸ごとJR東日本の儲けとなるからです。

さて、追加発売されるSuicaは、どのぐらいの枚数になるのでしょう。

いっそのこと、限定感が消え失せるほど大量に、追加販売したらどうでしょう。転売業者つぶしも兼ねて。

混入されたES細胞

「STAP細胞」に振り回された1年でした。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-851.html" target="_blank" title="画期的発見">画期的発見</a>→<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-889.html" target="_blank" title="疑惑">疑惑</a>→<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-891.html" target="_blank" title="コピペ論文">コピペ論文</a>→「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-919.html" target="_blank" title="STAP細胞はあります">STAP細胞はあります</a>」→笹井氏自殺→検証→「ES細胞でした」

STAP細胞としていたものはES細胞であったと、理化学研究所の調査委員会が、昨日発表しました。

科学的分析によるこの結論は、ほぼ間違いないでしょう。となると最大の疑問は、ES細胞混入の経緯です。

まず、ES細胞の混入は、故意なのか偶然(事故)なのか。故意と考えると、2つの疑問が生じます。

誰がES細胞の混入を実行したのか。

(1)小保方氏(単独または共同)

(2)小保方氏以外

誰がES細胞の混入を知っていたのか。

(A)小保方氏(単独または共同)

(B)小保方氏以外

ここは(1ーA)と考えるのが自然ですが、しかし本当にそうなのか。(1ーB)の可能性はないのでしょうか。

誰かが小保方氏にES細胞を渡し、しかしそれを小保方氏はES細胞だとは知らずに、実験に用いた場合です。

その場合、小保方氏自身は、自分がSTAP細胞を新発見したと勘違いしてしまいます。

自分の目で発見した事実なので、それを早く発表するためなら、論文を捏造してもかまわない、となります。

誰に何を言われようと、絶対に確信があるので、「STAP細胞はあります」、となります。

ところが検証実験は、うまくいくはずがありません。もうだれも、ES細胞を混入してくれないからです。

決してオボちゃんを擁護するわけではありませんが、そんな可能性もあり得るなと、思った次第。

ただ、誰がES細胞を混入したとしても、追試で再現が不可能とわかっている捏造を、なぜしたんでしょうね。

ネット配信で先手

金正恩暗殺計画を題材にした、米のコメディー映画「The Interview」は結局、劇場公開が始まりました。

北朝鮮からのサイバー攻撃に屈しかけた、制作会社のSPEや劇場側が、勇気を出して立ち上がった形です。

一転して公開を決めた後のSPEの動きが速かったのは、北朝鮮に、報復する時間を与えないためでしょうか。

ネット配信を先行開始したことで、もはや上映館へのテロ攻撃も無意味になってしまいました。

情報というのは、ひとたび世に出てしまうと回収ができません。普通このことは、悪い意味で用います。

なので企業でも一般人でも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-258.html" target="_blank" title="情報発信には責任">情報発信には責任</a>を伴います。メディアや情報産業であれば、なおさらです。

Googleに対してEUが「忘れられる権利」を根拠に、情報削除を命じたようなことも、今後増えるでしょう。

しかしGoogleのリンクが削除される前に、世界中あちこちでコピペされた情報は、消しようもありません。

一方で、今回SPEがとったような、ネット配信によって先手を打つ手法は、情報拡散を有効利用したもの。

これではもう、北朝鮮は報復するタイミングを失ってしまいました。良い意味で「あとの祭り」です。

動画配信で先手を打つと言えば、最近別の話題もありました。「ちびまる子ちゃん」です。

日本での放送の1時間後から、中国で字幕版を無料配信するとのこと。あさっての放送から始まります。

正規版の迅速なネット配信によって、中国ではびこる海賊版を封じようという作戦。正攻法です。

患者アンケート

インフルエンザのネット予約に伴い、毎年この時期に、患者さんにメールでアンケート調査を行っています。

その結果を見ると、いつものことながら、嬉しいことと、反省することがたくさんありました。

なかでも、いちばん改善すべきと思われたのが「接種前の待ち時間が長すぎる」というご意見でした。

時間指定で予約しているのに、大幅に遅れるとはどういうことか。・・・ごもっともです。

その理由は何かと問われれば、おそらく以下の事柄です。

(1)接種過誤を防ぐため、とても時間をかけて、これ以上ないほど厳格な確認手順を遵守している

(2)予防接種歴を確認し、もしも接種漏れのワクチンがあれば詳しく説明し、接種計画を提案する

(3)その結果、インフルエンザ以外のワクチンの同時接種も行うことになり、接種時間が長くなる

当院では、すべてのお子さんの予防接種歴を、自作のデータベースで管理しています。

過去の接種歴も全部、データベースに手入力するので、もしも接種不足ワクチンがあれば、すぐ気づきます。

当然、それらの未接種ワクチンをインフルエンザと同時に接種しませんかと、提案することになります。

予防接種は単純作業のようで奥が深く、なかなか時間通りには進まず、お待たせすることになるわけです。

接種手順を見直し、データベースを改良して、待ち時間の短縮を目指しますので、しばらくお待ちください。

診療明細書は無意味

「診療明細書」を受け取られているでしょうか。医療機関を受診すると、領収書とともに渡される書類です。

明細書に記載されているのは、あくまで医療費の内訳であって、診療内容の詳細ではありません。

検査の目的、診断した病名、その根拠、今後の見通しなど、疾患や病状に関する記載は、一切ありません。

そこにあるのは、初診料や管理料、処方せん料や検査料などの、「○○料」という項目名と料金のみです。

こんな明細をもらっても、健康管理には何の役にも立ちません。なので不要な方は、受け取らなくても結構。

しかし医療機関は、不必要と意思表示した方以外全員に、診療明細書を渡さなければならないキマリです。

そのかわり医療機関は、そのような明細書を発行することでも、わずかながら報酬が得られます。

「明細書発行体制等加算」がそれで、1人1回につき「1点」つまり「10円」です。3割負担だと3円。

「私は明細書は必要ないので、加算は付けないでほしい」ということはできません。

不要な方には明細書は発行しませんが、それでも加算は取られてしまいます。

この加算は明細書代ではなく、明細書を発行できるような体制をとっていることに対する報酬だからです。

まあ変なシステムです。役にも立たない書類を発行して、それが不必要な患者からも料金を取るのですから。

本来、患者に渡すべき書類は、検査結果・診断内容・治療方針などの「明細」であるべきです。

手前味噌ですが、当院のミニカルテは、そのような趣旨で作っているものです。

診療の形だけを評価して、その中身に踏み込めないのが、今の診療報酬システムの最大の問題だと思います。

メモリを造設する

診察室のメインで使っているMac miniが、最近やや不調でした。おそらく、メモリ不足のためでしょう。

電子カルテと同時に起動しているアプリが多いし、なにしろ、Mac内でWindowsも立ち上げてますから。

ユーティリティーで調べてみると、8GBの実装メモリのうち、常時6GB以上を使用している状況でした。

自宅や院長室のMacは16GB積んでいるのに、いちばんよく使う診察室で8GBというのが、そもそも間違い。

なぜ8GBしか実装していなかったかといえば、それがこの機種の最大搭載メモリだったからです。

ところが、打開策を求めて某サイトをみると、Mac mini (mid 2011)には、16GBまで造設可能とあります。

Appleが最大8GBまでといっているのに、通販サイトは堂々と16GBを推奨しているのです。

こうなりゃダメ元で、Appleが公式には認めていない16GBに、メモリを増設することにしました。

まず、ネットで適合メモリを確認。次いで、通販サイトを見比べて最安値を探し、発注。けっこう安いです。

この機会に、パソコン用の特殊工具(トルクスドライバーなど)のセットも、新調。

ついでに便乗して、一般工具セットも購入。工具って、なぜか好きなんですよね。

さらに、AppleのサイトやIT系サイトから、機種別のメモリ交換法を解説しているページを探して、お勉強。

WindowsPCのことはよく知りませんが、最近のMacは、メモリの交換がとても簡単です。

Mac miniの場合、裏返して、裏蓋を手で回して外すと、もう目の前には、メモリが露出しています。

留め具を拡げつつ旧メモリを引き抜き、そこへ新メモリを差し込み、裏蓋を閉じて終了。全工程わずか1分。

ありゃ、工具は何も必要なかった。

量の多い方が割安

毎晩ビールを飲んでいますが、350ml缶1本ではもの足りません。どうしても2本飲んでしまいます。

節約と節酒を兼ねて、500ml缶1本に変えてみたこともありますが、結局500mlを2本飲む羽目になりました。

もしも350ml缶を毎晩3本飲む人なら、ほぼ同じ量になる500ml缶2本を飲んだ方お得です。

大きな缶の方が、内容量のわりに安いからです。一般に、多くの商品が、量の多いものほど割安です。

医療用医薬品の値段(薬価)は厚労省が定めていますが、これもビールと同様の考え方のようです。

例えばある薬Aの5mg錠が50円のとき、10mg錠は90円。有効成分が2倍でも、薬価は1.8倍だったりします。

面白いのは、この1.8倍という比率が前例となって、あとで発売される類似薬にも適用されることです。

Aの類似薬Bの薬価は、8mg錠なら4mg錠の1.8倍、16mg錠なら4mg錠の1.8x1.8倍というわけです。

では、類似薬Bの6mg錠は、4mg錠の何倍の薬価にすべきなのか。

厚労省は「規格間調整比」という概念によって、これを数学的に解決しています。「対数」を使う手法です。

前述の薬Aであれば、規格間調整比= log(90/50) / log(10/5) =0.8480となります。

これを薬Bに適用すれば、6mg錠の薬価は、4mg錠の「 (6/4)の0.8480乗」=1.41倍と決められます。

お役人も、回りくどいことをするものです。書くのもイヤになるぐらい、ヤッカいな話です、薬価だけに。