感動したけど無謀です

フィギュアスケートGPシリーズで起きた、昨日の公式練習中の羽生結弦選手のアクシデント。

一昨日のショートプログラムも見ましたが、フリーでの逆転を期待して、昨日も生中継で見ていました。

そこへ突然、カメラの目の前で他の選手と衝突。強打、転倒、意識混濁?、頭部からの流血、顔面蒼白・・・

一瞬、これで選手生命を終えるようなことにでもなりはしまいかと、そんな心配さえ抱かせる状況でした。

ところが羽生選手は立ち上がり、驚いたことに練習に復帰し、そして本番に登場し、演技をなしとげました。

このシーンを見た世の中の人々の考えは、次のように真っ二つ。あるいは、その両方かもしれません。

(1)感動した

(2)無謀だ

何度も何度も転倒しながらの、その痛々しいプレーは、もうやめてくれと言いたくなるようなものでした。

だから演技を見ているときの私の心境は(2)でした。しかしこれが演技終了後に(1)に変わるんですね。

世の中の人は、とくに日本人は、たとえ無謀であれ頑張った人に、ネガティブなことは言いたくないのです。

ですが、脳振盪の疑いがある場合は安静が基本。やはりプレーすべきではありません。なので(2)です。

今後しばらくの間は、ゆっくり静養してほしいものです。あと、公式練習の運営方法には改善の余地あり。

予行演習も3度まで

ギニアから到着した女性も、リベリアから帰国した男性も、さいわいエボラウイルスは陰性でした。

しかし、この60歳の男性の行動に関連して、さまざまな問題が浮き彫りになりました。

水際作戦の一環として、ギニア、リベリア、シエラレオネからの帰国者には「健康監視」が行われています。

その内容は、潜伏期を最大に見積もって21日間、体温や健康状態を毎日朝晩、行政に報告させることです。

万一発熱などの症状が出た場合には、医療機関を受診せず、まず保健所に連絡する手順になっています。

しかし男性は、帰国の2日後に発熱しても行政に報告せず、その翌日、自宅近くの医療機関を受診しました。

おまけに、リベリア滞在歴を申告せずに診察を受け、扁桃炎と診断されて帰宅しました。

医師が患者のノドを念入りに診察する際、患者の唾液の飛沫等が、医師の手や顔に付着することがあります。

男性がエボラの疑いを自覚していながら、医療従事者を危険にさらしたとすれば、大問題です。

しかしおそらく男性に悪意はなく、単に自分は感染していないはずだという自信があったのでしょう。

帰国後に発熱しただけで、大げさに隔離されたのではたまらない、という思いがあったのかもしれません。

医療機関で診察を受ければ、エボラではないことが確認できると、そう甘く考えたのかもしれません。

申し訳ないですが、発症直後のエボラ出血熱の症状なんて、風邪か胃腸炎か扁桃炎と似たようなものです。

医師がエボラを積極的に疑う理由がなければ、エボラの可能性なんて考えるはずもありません。

そのエボラを疑う理由とは、渡航歴の有無だけです。だから渡航歴を隠されたのでは、お手上げなのです。

もちろん、ここで個人攻撃をしている場合ではありません。個人の問題ではなく、システムの問題なのです。

まず、啓蒙活動が足りません。行政はもっとメディアを使って、国民に情報を提供すべきです。

健康監視対象者については、IT機器などを使ってもっと緻密に、動静を把握できないのでしょうか。

エボラ上陸の予行演習が3回続きましたが、もうそろそろ、本番が来ますよ。

日本語は縦書きに限る?

私の中でいま、吉川英治が旬です。没後52年だからです。

日本における著作権の保護期間は「著作者の生存期間及び著作者の死後50年」となっています。

なので吉川英治の作品は、著作権切れです。ネットの「青空文庫」で、無料で読めるようになりました。

TPP交渉の行方によっては、保護期間が70年に変わってしまう恐れがあることは、前にも書いた通りです。

つまり、没後50年から70年の間の作家の作品はみな、著作権の微妙な状態、いまがチャンスなのです。

没後66年の太宰治の主な作品は、既にダウンロードしたものの、それで安心して、ほとんど読んでいません。

しかし吉川英治は、一昨日うっかり読み始めた「三国志」が止まりません。

止まりませんが、疲れます。パソコンの画面で長い文章を読むと、なぜこうも疲れるのか。

そういえば小説って、たいてい縦書きですよね。人間は、縦書きの方が読んでいて疲れにくいのでしょうか。

いやいや、眼球を動かす筋肉(外眼筋)の解剖学的特徴から言えば、目は左右の動きの方が楽なはず。

6つの外眼筋には、眼球を水平に動かす筋肉はあっても、まっすぐ垂直に動かす筋肉はないからです。

となると、パソコン画面で小説を読むのが疲れるのには、別の理由がありそうです。私の考えでは次の2つ。

(1)画面が明るすぎて、白地に黒い文字では、コントラストが強すぎる。

(2)ブラウザの横書き文章は左右の幅が広くて、眼球を動かす角度が大きすぎる。

では、青空文庫を縦書きで読みやすくしたサイトはないのか。ありましたね、その名も「えあ草紙」。

電子書籍リーダーの一種ですが、こういったソフトって、紙色と文字色が目に優しくて読みやすいですね。

なんといっても縦書きは、ひらがながしっくりきます。日本語の小説を読むのは、縦書きに限ります。

じゃあ、お前のブログはどうなんだ、と言われそうですが、まあ、それはそれ。

福山雅治になる

毎日毎日、もう何年続けてきたでしょうか、朝晩の入浴。夜は清潔と癒やしのため、朝は覚醒のためです。

宴会等で酩酊状態で帰宅したときには、夜の入浴は控えますが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-488.html" target="_blank" title="朝風呂">朝風呂</a>だけは欠かしたことがありません。

寝ぐせ直しを兼ねた朝シャンから始まったのですが、いつしかゆったりと湯船にも浸かるようになりました。

ところが、ず〜っと朝晩のシャンプーを続けてきた私ですが、これが頭皮に良くないことを最近知りました。

皮脂を落としすぎると、かえって頭皮を傷めるとか。えっ、そんなこと常識?

そういえば夏には、炎天下で<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1052.html" target="_blank" title="ヘルメット">ヘルメット</a>かぶってサイクリングばかりしてました。あれも頭皮に悪かったか。

最近そういうことが、やたらと気になる年頃なのです。

ネットで調べてみると、シャンプー有害論が花盛りじゃないですか。もちろん真偽のほどはわかりませんよ。

タモリがシャンプーをしないという入浴法を披露し、福山雅治もそれを実践しているとか。知らなかった。

そこで今日から私は、シャンプーの基本方針を改めました。頭皮に優しいシャンプーも入手しました。

(1)シャンプーは1日1回まで。汚れを落とす意味では、夜に行う方が適切。頭皮マッサージも併用。

(2)たまには、ノーシャンプーの日を作る。翌日の毛髪状況が怖いので、休診日の前日に実行。

朝のシャンプーをしないのなら、朝風呂の意味が薄れます。というわけで入浴も1日1回。夜だけにします。

これで福山雅治(のような毛髪)になれるか。それともタモリ?

タイトルの付け方

ビジネスメールの件名は、要件が簡潔に伝わるように、日頃から心がけています。

例えば、何かの会合の案内に対する出欠の返事なら、件名を見ただけで出欠がわかるようにすれば親切です。

「Re: 同窓会のご案内」というメールを送るのではなく、件名自体を「鶴原 出席します」にするわけです。

これがブログのタイトルとなると、次の両極端な2パターンに分かれます。

(1)内容をあらわすもの

(2)奇をてらったもの

過去3日間のタイトルは(1)パターンですが、でも本来は(2)の方が好みなのです。書き換えてみると、

「タイトルの付け方」→「鶴原 出席します」

「消費税転嫁拒否の調査」→「秘密調査」

「外科系の専門医」→「大門未知子」

どうも最近は、内容に興味を持ってもらうために、(1)パターンの常識的なタイトルが多かったようです。

いってみれば実用書のタイトルです。

でも読み物として考えたら、小説や映画のタイトルのように(2)パターンの方が興味を引くことでしょう。

そういうわけで明日からは、あえて奇をてらったタイトルにしてみようかと思っています。実験的に。

消費税転嫁拒否の調査

経済産業省中小企業庁事業環境部消費税転嫁対策室というところから、調査依頼書が普通郵便で届きました。

消費税の転嫁拒否等の行為を受けていないかどうかを、秘密裏に把握するためのものです。

提出用の調査書には、赤いマル秘のマークが印刷されています。

「貴社がこの調査に協力したこと(中略)については(中略)他の事業者に知らせることは一切ありません」

このような文章がしかし、太いゴシック体で、赤線まで引かれて、封筒の表に印刷されているんですけどね。

秘密調査にしては、堂々としたものですが、さて、その調査内容です。設問は全部で6つ。

設問1「貴社は、法人事業者に、商品または役務(サービス)を提供していますか」

 ア 供給している( → 設問2へ)

 イ 供給していない(設問は以上です)→当院はコチラ

ありゃ、もうオシマイですか。寂しいっすね。ウチは実質的に、この調査の対象ではなかったようです。

ところで今回の書類には、「役務(サービス)」という言葉が、何度も出てきます。

役務という言葉が耳慣れないので、それがサービスの意味であることを( )付きで説明してあります。

しかし、最初に一度「役務(サービス)」と書いておけば、2度目の登場以降は「役務」だけで良いはずです。

それなのに文書中の26カ所全部、「役務(サービス)」となっています。このくどさは何でしょう。

こういうムダに丁寧なお役所文書って、読んでてイライラしますね。

外科系の専門医

外科医が主人公のTVドラマは、ツッコミどころ満載なので、見ていて笑えるか腹が立つかのどちらかです。

毎週見ている「Doctor-X」では、手術シーンの中途半端なリアリティーが、なかなか面白い。

主人公の女性外科医・大門未知子は、以下のように形容されています。

「群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器…」

あ〜、わかってない。専門医がなんたるかを。

専門医の資格は、一定の指導医のいる特定の病院で、一定数の規定手術を執刀して初めて、獲得できます。

群れの中で、権威の下で、束縛された環境で経験を積んで、外科医は専門医のライセンスを得るのです。

だから大門未知子のようなフリーランスの外科医が(いるとすれば)、専門医であるはずはありません。

専門医はまた、その資格を維持するために、定期的に更新を行わなければなりません。

私も開業前までは心臓血管外科専門医でしたが、開業後には更新要件をクリアできず、資格を失いました。

一般に、ベテランの外科医でも、手術の一線を退けば新たな手術実績がなくなり、資格更新ができません。

この「メスを置いた外科医」が、専門医の資格を持ち続けられるようにしよう、という動きが出てきました。

ベテランの外科医では手術実績要件を免除して、実質的に終身の専門医にしてしまおうというわけです。

その趣旨は理解できます。しかし、専門医が現役バリバリであることの指標なら、終身制度は疑問です。

専門医が、誰のための何のための制度なのか。それをもう一度考え直す必要がありそうです。

水痘撲滅への道

10月から水痘ワクチンの定期接種が始まりました。対象年齢のお子さんは、通常2回ほど接種します。

ちょうどインフルエンザの予防接種とも重なったので、両方のワクチンを同時接種する方も多いです。

水痘は、毎年100万人が罹患する、きわめてありきたりの疾患ですが、そう思っているのは日本人だけです。

米国では、18年前に1回接種、8年前に2回接種として、水痘ワクチンの定期接種が導入されました。

その結果、患者は以前の100分の1に激減しました。いまや米国では、水痘は珍しい病気になっています。

ひるがえって我が国では、とくに水痘に対する予防意識には、まだ次のようにばらつきがあります。

(1)水痘は罹って免疫をつけるもの、ワクチンで予防するほど重症な病気でもない

(2)無料ならワクチンを接種する

(3)有料でもワクチンを接種する

定期接種が始まったので、(1)の人たちが全員(2)に流れると思いきや、そうでもないのです。

おまけに、接種対象者の設定に、やや不公平な側面があります。たとえば、3歳児と4歳児の扱いがそれです。

これまで一度もワクチンを接種したことがなければ、経過措置として無料接種が1回受けられます。

しかし一度でも自腹で任意接種したことがあれば、無料接種はまったく受けることができません。

任意接種によって水痘の蔓延を防ぐことに貢献してきた(3)の人たちに、優しくない制度なのです。

水痘ワクチンは、2回接種してはじめて、強い免疫を獲得できることがわかっています。

2回目の接種まで、すべての子どもたちに等しく、キッチリ面倒をみるような制度にしてほしいものです。

カケホーダイ裏目

NTTドコモは一昨日、今年度の業績予想を下方修正しました。大幅な減収減益です。

昨年6月に導入した、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が、業績を大きく下げた原因とのこと。

ドコモの料金プランのことはよく知りませんでしたが、「カケホーダイ」は通話料金の完全定額制ですね。

新規受付はもちろん、機種変更でも実質的に、この料金プランが強制だという点が、大胆な戦略です。

カケホーダイの導入によってドコモは、契約者数を大きく伸ばし、そのかわりに業績を大きく下げました。

出血覚悟の販売戦略で大出血したと、そういうことでしょうか。

客足と売上に悩む、会員制のビヤガーデンが、ビールを完全定額制にしたと、例えてみましょう。

ジョッキ2杯の料金で飲み放題。日頃ジョッキ3杯以上飲む人にとっては、ウハウハですね。

会員はドンドン増え、でも売上はガタ落ち。ノミホーダイが裏目に出てしまいます。←ドコモいまココ

しかしドコモが失った利益の分は、ユーザーが得をしているという見方もできます。

収益を改善するための長期計画としては、まず契約者数の回復でしょうから、まあ目論見通りでしょう。

損して得取れ、といったところでしょうか。来年以降、ドコモが挽回するかもしれません。

ただ、こう言っちゃなんですが、ドコモとiPhoneって、どうしてもしっくり来ないんですよね。

バックでは後方確認を

雨が降りそうなので、今朝は久々に車で出勤したら、交通事故に遭遇しました。

よく通る近道の農道の途中に、見通しが悪く、なおかつ道幅のひどく狭い区間があります。

対向車が来てほしくない場所ですが、案の定、向こうからプリウスが来ました。もちろん離合はできません。

こういう時、どちらかがバックして、道を譲らなければなりません。

どうしようかと一瞬ためらっているうちに、対向車には後続の軽乗用車が来ました。

これで1対2。多勢に無勢です。もはや私の方がバックすべき、決定的状況となってしまいました。

と思ったその時、プリウスの運転手が気を利かせて、バックしてくれたのです。後方確認もせずに。

そして次の瞬間、プリウスは軽乗用車に激しく衝突したのでした。

あの〜、私のせいですか。私がすぐバックしなかったからですか。

2台の車から、それぞれの運転手が出てきました。何か言い合いながら、車の衝突部位を検証し始めました。

私はおとなしく、コトの成り行きを眺めていました。何となく申し訳なくて、文句も言えません。

やがて彼らは私の存在に気づき、2台がバックし始めました。私は頭を下げて、そばを通り抜けたのでした。

今回の事故の関係者の過失は、次のようになるでしょうか。

(1)プリウスの運転手:バックするときの後方確認を怠った

(2)軽乗用車の運転手:停車の際に十分な車間距離をとらなかった

(3)私:通勤路として使うべきでない裏道を通り、すぐに道を譲らず、しかも事故の全貌を黙って見ていた

さて、この3者の過失割合は?