閉所嗜好症

クリスマスが近づきました。

数年前に購入した当院のクリスマスツリーも、今年はリニューアル。光ファイバータイプのものにしました。

光量がやや弱いですが、医療機関なのでまあいいでしょう。日が暮れて暗くなると、キレイにきらめきます。

さて昨日の朝のこと。私の視界の正面やや左に、キラキラ輝くドーナツが、突然現れました。

ドーナツの素材は小麦粉のようではなく、ガラスとアルミがらせん状にモザイクになった感じです。

30分間ぐらいでしょうか、しばらくきらめいていましたが、無視していたらいつの間にか消えていました。

目の病気?飛蚊症の親玉?などと考えているうちに、ハッと気づきました。これって「閃輝暗点」では?

片頭痛の前触れとして知られる閃輝暗点ですが、初めて経験してみると、ちょっと驚きますね。

おまけに頭痛を伴わなかったので、別の病気の症状の可能性もあるかも。脳梗塞とか???

急に気になってきたので、休診日の明日は、近所の脳神経外科で、頭部MRI検査を受けることにしました。

狭いトンネルの中に頭から奥深く入り、大きな騒音の中を、30分じっと動かずに過ごす検査です。

閉所恐怖症の人には耐えられないものでしょうが、私は大丈夫。むしろ少し楽しみにしているぐらいです。

私は子どもの頃から、狭いところで寝るのが好きでした。秘密基地みたいな閉鎖空間が大好きでした。

閉所恐怖症(claustrophobia)の逆の、閉所嗜好症(claustrophilia)なのかもしれません。

ただ、MRIって、もう少し検査時間が短くならないのですかね。検査の途中がすごくヒマでたまりません。

1台1億円の車

ブガッティ・ヴェイロンの話ではありません。あれは2億円だし。

究極のエコカーともいわれる燃料電池車(FCV)は、ほんの4,5年前まで、1台1億円といわれていました。

ところが、トヨタが昨日発表した燃料電池車「MIRAI」は、1台723万円。

どこをどうやってコストダウンしたら、1億円が723万円になるんでしょう。技術革新おそるべしです。

政府も、補助金やらインフラ整備などで後押しして、燃料電池車では日本が世界を牽引しようという腹です。

いきなり来月発売というのも、予想よりも早い。かなりの前倒し感、トヨタの気合いを感じます。

歴史的転換点を迎えたともいえる昨日の発表はしかし、安倍首相のニュース等にかき消されてしまいました。

発売は来月15日ですが、その前日に総選挙の投開票がぶつけられてしまったのも、タイミング悪し。

いったい安倍首相は、トヨタの味方なのか敵なのか。

究極のエコカーとはいうけれど、燃料の水素を製造する過程も含めてエコなのか、そこが問題です。

水素の製造方法は、3つ考えられています。

(1)化石燃料を分解する

家庭用の「エネファーム」と同じ方法。化石燃料に依存し、生産過程でCO2が出る。いまいちエコじゃない。

(2)工場の排出ガスから取り出す

リサイクル的な意味合いではエコです。供給量は多いようなので、当面はこの方式が主流になるのか。

(3)海水を電気分解する

もちろんその電気は、太陽光や風力あるいは潮力などで発電します。これこそ究極のエコでしょう。

少し前までは夢物語だった、海水分解と燃料電池の組み合わせ。もう手が届くところまで来た感じがします。

師走の総選挙へ

NHKニュース7は、高倉健さん死去のニュースもそこそこに、首相官邸からの生中継に切り替わりました。

安倍首相の、解散表明記者会見です。その趣旨は、

(1)個人消費などの経済状況等を総合的に判断し、消費税10%への引き上げは1年半ほど延期する

(2)このように重い決断を行う以上、国民に信を問うべきであり、衆議院を解散する

(3)予算編成作業の遅れを避けるため、21日に解散する

(4)連立与党で過半数の議席が得られなければ、退陣する

(5)平成29年4月の消費税率引き上げは、確実に実施する

安倍首相が「21日に解散」と発言した数秒後に、「21日解散へ」というニュース速報のテロップが出ました。

え〜っと、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-409.html" target="_blank" title="前にも言いました">前にも言いました</a>けど、生中継で首相の発言を伝えている途中で、そのテロップ要りますか?

今夜の安倍首相を見ていると、2年前の野田首相の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-406.html" target="_blank" title="突然の解散表明">突然の解散表明</a>を思い出してしまいます。

野田首相は、党内の反対を押し切って消費税関連法を成立させ、その後に解散した衆院選挙で大敗しました。

安倍首相は、一部の反対を押し切って消費税増税の延期を決め、ただちに衆議院を解散することにしました。

増税を決めて解散したか、増税延期を決めて解散するか、両者のタイミングは真逆です。

迅速に解散する理由は(3)というよりも、野党が共闘するための準備時間を与えないためでしょう。

民主党の海江田代表が今夜、「なぜこの師走に解散するのか」と演説していましたが、まったく笑えます。

2年前に野田首相が衆議院を解散したのは11月16日、総選挙は12月16日。今回とほぼ同じじゃないですか。

増税延期という重要な政策変更をしたので国民に信を問う、という論法には異論もあります。

しかし結局、選ぶのは国民です。選挙後の政権(たぶん安倍政権?)を信頼していくしかないでしょうね。

痛みが軽くな〜る

「医薬品安全対策情報」11月号が届きました。医療従事者向けの、月刊の小冊子です。

医療用医薬品の「使用上の注意」等に改訂があった場合、その内容がすべて掲載されています。

今月号の最初に登場した薬剤は、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-895.html" target="_blank" title="アセトアミノフェン">アセトアミノフェン</a>」でした。

「カロナール」や「アンヒバ」などの商品名で知られる、乳幼児にも唯一使える解熱鎮痛剤です。

インフルエンザで高熱が出た時には、この薬の使用だけが推奨されています。それだけ安全ってことです。

しかし今回の情報は、その安全なカロナールと総合感冒薬との併用を、あらためて「警告」するものでした。

すなわち「カロナールとかぜ薬は、成分がダブるので併用してはいけませんよ」というわけです。

例えば、「PL配合顆粒(いわゆるPL顆粒)」には、1包あたり150mgのアセトアミノフェンが含まれます。

カロナールの通常量400mgにPL顆粒を併用すると、合計550mgの「高用量投与」になってしまいます。

このような用量を続けると重篤な肝障害が発現する恐れがあるとされ、特別に注意が必要な状況です。

とは言いながらもカロナールは、頭痛や歯痛等に対しては1回1000mg、1日4000mgまで認められています。

来月1日には、これまで最大の300mg錠を大きく超える、500mg錠が発売される予定です。

解熱剤としては厳しく用量を制限している割に、鎮痛剤としてはかなり緩いです、この薬。

「(痛みが)軽くな〜る」から「カロナール」と名付けられたぐらいですから、基本は鎮痛剤なんですね。

次は耳当て

薄くて軽くて寒いユニクロのダウンジャケットでは、もはや対処しきれない寒さになりました。

2日前から自転車通勤時には、真冬用の厚手のダウンジャケット着用中です。胴体はこれで十分温かい。

そうなると、自転車乗りが次に防寒すべき部位は、手でしょう(その次が耳かな)。

ところが、昨年買った分厚い手袋が見つかりません。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-764.html" target="_blank" title="1年前の転倒事故">1年前の転倒事故</a>以来、行方がわからないのです。

やむを得ず、サンピアンで安い手袋を買ったら、これが寒い。本革なのに風がスースー通ります。

折しもTV番組で、電池式ヒーター内蔵手袋を見かけました。ナイスアイデア。とっても温かそうです。

こういうモノにすぐ食いつくのが私。早速通販でゲット。でも実際使ってみると、あまり温かくありません。

それ以前に、電池ケースがひどく不格好で、しかも重く、手の甲が圧迫されて痛みます。使えませんね。

ヒーター内蔵と言えば、かつて聴診器をUSBホットプレートで温めていたことがあります。

冬場に患者さんに冷たい聴診器を当てたくないので、あらかじめホカホカにしておこうという作戦です。

本来は、金属製マグカップの保温用プレートですが、聴診器を温めるのにちょうど良いサイズだったのです。

ところがコレが温まりすぎ。患者さんがやけどしそうなほど熱くなる。まあ、もともとコーヒー用ですし。

タオルを挟んだりして微調整を試みたのですが、なかなか適温にならず、もう今は使っていません。

安物や奇抜なアイデア商品は、失敗するリスクをわかっていて購入するのですが、たいてい失敗しますね。

さて、次は耳当てを買おうかと思ってますけど。

官庁から名簿流出か

「雇用促進税制に関するアンケート調査」なるものが、独立行政法人労働政策研究・研修機構から届きました。

時限措置として3年前に創設された雇用促進税制が、実際に効果があったのかどうかを調べるものです。

「厚生労働省の協力を得て抽出させていただいた約8,200社に対して、お配りしております」とのこと。

ありゃりゃ、また「抽出」されてしまいましたか。というのも、最近なにかと調査対象に選ばれるのです。

経済産業省から<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1128.html" target="_blank" title="先週届いた">先週届いた</a>のは、消費税の転嫁拒否等の有無について秘密裏にサンプル調査するものでした。

厚生労働省からの要請で<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1114.html" target="_blank" title="先月回答">先月回答</a>した患者調査は、約6%の確率で当院が調査対象に選ばれたものでした。

真面目にお役所の調査に回答していると、どんどん新手の調査が来るような気がしてなりません。

もしや中央官庁内部で、すぐ調査に応じる「カモ」の名簿でも出回っているのかと、勘ぐりたくもなります。

思い出すのは子どもの頃、総理府統計局(現総務省統計局)の「家計調査」の対象世帯となったことがあります。

詳細な家計簿を6カ月間分つけて提出するような調査で、なかなか手間がかかり、家庭には負担です。

調査対象は、当時全国で約8,000世帯(現在は約9,000世帯)とのこと。選ばれるのはかなりレアですね。

社会のIT化が進めば、あらゆる物品や金銭が誰から誰に移動したか、すべてビッグデータとなるでしょう。

そうなれば、個人や企業の収支などすべて、リアルタイムに、税務署の知るところとなるでしょう。

その時点で、家計調査の役目は終わるのかもしれません。確定申告も不要です。

飲み頃はいつか

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1135.html" target="_blank" title="3日前に焙煎">3日前に焙煎</a>したコーヒーは、昨日ぐらいからコクが出てきて、今日はさらに美味しく感じました。

一方で今朝新たに焙煎した豆は、ためしに今晩飲んでみたら、とてもスッキリして絶品でした。

いったいコーヒーは、焙煎してどのぐらい時間が経過したら、いちばん美味しいのでしょうか。

あちこちのサイトや本を読むと、焙煎直後には飲むべきではないとする意見が多いです。その理由は、

(1)風味が尖っている、トゲトゲしている、硬い、香りが弱い、煙臭い

(2)二酸化炭素を多く含み、抽出の際に気泡が多く出て粉が膨らみすぎるので、湯となじみにくい

つまり焙煎後のコーヒー豆には、ガスが抜け、適度に熟成する時間が必要だというわけです。そうかなあ。

だって豆ですよ、豆。煎った直後がいちばん、風味豊かだと思うんですけどね。

たしかに3日前に焙煎した豆は、初日はイマイチでしたが、今日煎った豆は、初日からすでに最高の味です。

同じ生豆で、同じ挽き方で、同じ淹れ方。両者の違いは焙煎の深さだけです。今日の方が深煎りでした。

そんなわけで、目下の私の研究テーマは、「焙煎の深さと最適な飲み頃の関係」。

明日は、シティロースト(中深煎り)の4日後とフレンチロースト(深煎り)の1日後を検証します。

独自路線を貫くのみ

スマホがちょうどパソコンと同じ道ようなをたどっていると、最近よく言われますが、まさにそう思います。

事実上最初のスマホを発売したのはAppleですが、ジョブズの死去後から勢いが陰り始め、今はそこそこ。

遅れて登場したAndroidスマホは、複数メーカーがこぞって製造し、シェアはiPhoneを大きく凌駕してます。

しかし主要メーカーのサムスンは、ここにきて安価で高品質な中国勢に喰われつつあり大不調です。

結局、OSを握るGoogleの一人勝ちですが、独自路線を貫くAppleは、比較的堅調に推移しています。

事実上最初のパソコンを発売したのはAppleですが、紆余曲折の末、ジョブズ復帰後に復調し今に至ります。

遅れて登場したWindows PCは、複数メーカーがこぞって製造し、シェアはMacをはるかに凌駕しています。

しかし主要メーカーだったIBMは、安価な中国勢や自国製品に喰われ、すでにパソコン事業を売却しました。

結局、OSを握るMicrosoftの一人勝ちでしたが、独自路線を貫くAppleは、そこそこ堅調に推移しています。

いまMicrosoftも傾きかけています。スマホやタブレットの台頭によって、パソコン需要が減ったためです。

さらに次に登場しつつあるウエラブルデバイスは、スマホさえも駆逐するかもしれません。

一定の支持層をもつAppleですが、今後も独自路線を維持するしか、生き残る道はないと思います。

Apple製品の魅力を突き詰めれば、先進的で独創的なOSと、シンプルでコスト度外視のデザインだからです。

OSをライセンス提供したり、デザインで手を抜いたら、Appleの未来はないでしょう。

3D回転ドラムで煎る

コーヒー豆の自家焙煎に凝っていた時期がありました。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-9.html" target="_blank" title="何年も前">何年も前</a>です。

手網ロースターを使って、自宅のキッチンでコーヒーの生豆を煎(い)るのです。

その作業は意外と楽しく、できたコーヒーも驚くほど美味しかったのですが、久しく途絶えていました。

面倒だしキッチンが汚れるということもありますが、第一の原因は自宅がオール電化になってしまったこと。

だってIHクッキングヒーターでは、手網焙煎ができませんから。

と諦めていたのですが、最近になって思いついたのです。電気式焙煎機があるじゃないかと。

そうなると俄然、自家焙煎熱が再燃してしまいます。あれこれ調べて、ついに通販で購入したのでした。

「ジェネカフェ」という熱風式焙煎機です。熱風式は、直火式のような焼けムラがおきにくいのが特徴です。

手網焙煎とはまったく異なる、初めて行った電気焙煎は、手順は簡単でありながらも奥深いものでした。

記念すべき初回焙煎のために選んだ豆は、私の好きなキリマンジャロ。最近の呼び方ではタンザニアです。

通販で800gほど購入した生豆から、まずはハンドピックで不良豆を取り除きます。作業時間は約30分。

これを200gほど焙煎機に投入。重要な温度設定は、今回は230℃で最後まで一定としました。スイッチON。

3D回転するドラムが耐熱ガラスなので、煎られて色付いていく豆の様子がよく見えて、なかなか楽しい。

豆がハゼる音が、ドラム回転音にかき消されて聞き取りにくかったのですが、色で判断して焙煎完了。

焙煎当日に飲むべきではないといわれていますが、そんなことはお構いなしです。すぐ味わいたいのです。

煎りあがったばかりの豆を挽き、90℃のお湯で抽出。ん?、ちょっと薄いかも。

ま、しばらくは、試行錯誤の日々でしょう。でも自分で焙煎したコーヒーは、しみじみと美味しいものです。

白昼の大捜査線

熊本で今日、警察ヘリとパトカーによる追跡劇が繰り広げられたようです。追われていたのは、私の家人。

映画のようなその大追跡(あるいは大失態)の、一部始終はこうです。

休診日の今日、施錠されているクリニックに入ろうとした家人が、セコム警備の解錠操作をミスしました。

ミスしたことに気づかず、家人は用事を済ませるため、そのまま院内に入りました。

セコムはその異常侵入をたちどころに関知し、警備員が駆けつけるとともに、警察にも通報したのでした。

たまたま、別の事件で出動していた警察ヘリコプターが、偶然にも、当院付近を飛んでいました。

そこへ診療所に侵入者ありとの連絡を受けて、ヘリは当院上空を旋回して様子をうかがっていたのでした。

まさにその時、何も知らぬ家人が平然とクリニックから出てきて、自家用車に乗り、走り出しました。

上空のヘリには気づいていたものの、自分が追尾されているとは思いもよらず、家人は銀行に向かいました。

途中の交差点で、黄色信号をやや無理目に通過しましたが、それも周囲を警戒していなかったゆえのこと。

ところが、銀行の駐車場に到着するやいなやパトカーが出現。警官に、車を降りるよう命じられたのでした。

突然のパトカー、上空にはヘリが旋回。黄色信号無視でここまで責められるのかと、家人は怯えたそうです。

映画であれば容疑者は、地面に這いつくばった状態で、後ろ手に手錠をかけられるシーンです。

下手に逃げ出そうものなら、ヘリの狙撃手の標的となるところです。

さいわいにして家人は、身元を明かし、状況を説明し、なんとか無罪放免となりました。

警察の皆様には、たいへんご迷惑をおかけしましたことを、この場を借りてお詫び申し上げます。