1台1億円の車

ブガッティ・ヴェイロンの話ではありません。あれは2億円だし。

究極のエコカーともいわれる燃料電池車(FCV)は、ほんの4,5年前まで、1台1億円といわれていました。

ところが、トヨタが昨日発表した燃料電池車「MIRAI」は、1台723万円。

どこをどうやってコストダウンしたら、1億円が723万円になるんでしょう。技術革新おそるべしです。

政府も、補助金やらインフラ整備などで後押しして、燃料電池車では日本が世界を牽引しようという腹です。

いきなり来月発売というのも、予想よりも早い。かなりの前倒し感、トヨタの気合いを感じます。

歴史的転換点を迎えたともいえる昨日の発表はしかし、安倍首相のニュース等にかき消されてしまいました。

発売は来月15日ですが、その前日に総選挙の投開票がぶつけられてしまったのも、タイミング悪し。

いったい安倍首相は、トヨタの味方なのか敵なのか。

究極のエコカーとはいうけれど、燃料の水素を製造する過程も含めてエコなのか、そこが問題です。

水素の製造方法は、3つ考えられています。

(1)化石燃料を分解する

家庭用の「エネファーム」と同じ方法。化石燃料に依存し、生産過程でCO2が出る。いまいちエコじゃない。

(2)工場の排出ガスから取り出す

リサイクル的な意味合いではエコです。供給量は多いようなので、当面はこの方式が主流になるのか。

(3)海水を電気分解する

もちろんその電気は、太陽光や風力あるいは潮力などで発電します。これこそ究極のエコでしょう。

少し前までは夢物語だった、海水分解と燃料電池の組み合わせ。もう手が届くところまで来た感じがします。