ノーベル物理学賞は、赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏が、同時受賞しました。
受賞理由は「青色発光ダイオード(LED)の発明」です。
LED照明やブルーレイディスクの実用化に結びついたこの発明は、身近で実感しやすいノーベル賞です。
受賞者の3人がまた、三者三様で面白い。各人の発言のうち、私が気に入ったフレーズをあげてみます。
(1)赤崎勇「自分がやりたいことであれば、なかなか結果が出なくても続けることができる」
目先の成果を求めるあまり、不本意な研究や仕事を手がけることが多いものですが、それじゃダメですね。
「一人で荒野を行く心境だった」と表現するほど、途方もなく先の見えない研究を、よく続けたものです。
85歳にして「まだすることがたくさんある」という赤崎氏。研究者魂を見せつけてくれます。
(2)天野浩「必ずできるとの信念があれば、あとは諦めないことだ」
諦めなければ成功すると、簡単に言いますが並大抵のことではありません。信念の強さがハンパないのです。
「世界で一番になれる可能性がある」という思いで研究したそうですが、天性の勘もあったのでしょう。
「私はまだまだ発展途上の人間です」と謙虚ですが、若いことのアピールかも。今後どれだけ発展するのか。
(3)中村修二「もうキレてしまって,前からやりたかった青色LEDをやると決意したのです」
発明の対価をめぐって企業を提訴したり、「怒り」を励みに研究に取り組んできたという、異色の人物です。
人真似をしたくないので「今度は文献を読まないと決めました」というのはある意味、背水の陣です。
で「窒化ガリウムを選んだのはやけくそでした」となるわけで、まあ、ぶち切れ人生みたいです。
それにしても、中村氏が米国市民(米国籍)としてノーベル賞を受賞したことは、痛恨の極み。