日本の国民医療費が膨張していると、叫ばれて続けています。よくいわれる原因は2つ。
(1)高齢化の進展
(2)医療の高度化
高齢であるほど医療コストがかかります。そしてどのような対策を進めても、高齢者の数は減らせません。
人々がより高水準な医療・健康・生活レベルを求めれば、その分医療費が増えます。これも減らしにくい。
高齢者が増えれば医療費が増え、医療が高度化すればますます寿命が伸びるという、スパイラルです。
寿命を伸ばせ、医療を進歩させろ、しかし医療費は抑制せよ、などどいうのは無茶な話です。
国民医療費の対GDP比がOECD平均よりも高いといいますが、まだ米国や仏・独・カナダよりは低いのです。
つまり、世界一高齢化が進んでいる日本としては、医療費をよく抑えていると考えるべきです。
国民1人当たりの年間受診回数は、日本が突出しています。つまり、受診1回当たりの医療費が安いのです。
容易に医療機関を受診できることが、重大な疾病の早期発見・早期治療につながっているとも言えます。
医療費は結果であり、削減するものではないと思います。生産年齢人口を増やすのが、本筋でしょう。