「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1059.html" target="_blank" title="デング熱">デング熱</a>が心配」という相談を受けたとき、「熊本は大丈夫です」とは言えない状況になってきました。
デング熱は、蚊からヒトへ、ヒトから蚊へと感染が連鎖・拡大し、新たなステージに到達したようです。
(1)蚊(海外某所)→ヒト(発端者)→蚊(代々木公園)
海外で蚊にさされて感染し、代々木公園で蚊に刺された人物が、今回のデング熱騒動の発端者です。
(2)ヒト(発端者)→蚊(代々木公園)→ヒト(国内一次感染者)
その発端者が代々木公園で蚊に刺され、その蚊に刺された人が、国内感染者になったと考えられます。
このように、デング熱発症者がすべて、代々木公園を訪れたことがあるうちは、まだよかった。
(3)ヒト(国内一次感染者)→蚊(代々木公園以外)→ヒト(国内二次感染者)
ところがここにきて、代々木公園以外で蚊に刺されて感染したと思われる患者が、複数現れました。
国内一次感染者が、その移動先で蚊に刺され、感染が拡大してきたと考えるべき状況です。
となると、代々木公園からの距離など、まったく無意味です。人間はいくらでも遠くまで移動するからです。
明日にでも、水前寺公園で蚊に刺された人がデング熱を発症するかもしれません。
さいわい、感染を媒介するヒトスジシマカは冬を越せず、デング熱自体も疾病としては比較的軽症です。
なのでこのたびの日本のデング熱は、大事には至らぬまま、冬には必ず(いったん)終息するでしょう。
しかし、最初に代々木公園に現れた発端者が、もしもエボラ出血熱患者だったらどうなっていたことか。
今回のデング熱騒動は、日本全体の感染症危機管理を、もういちど見直す契機になるのかもしれません。