庭の池

豪邸の庭には池があって、大きなコイが泳いでいるものです。

子どもの頃に住んでいた家(豪邸ではない)にも、小さな長方形の池があり、コイが何匹か泳いでいました。

しかし、いつの日か池は花壇になりました。埋められた理由はわかりません。子どもだったので。

父の実家(豪邸ではない)の池は、大きくて楕円形で、真ん中に細長い島があり、島には洞窟もありました。

私がコイだったら、さぞかし楽しいだろうなと、子ども心にも思えるような池でした。

ときどき池の水を完全に抜いて、大掃除をすることがあり、運が良ければ(悪ければ)手伝わされました。

コイを全部捕獲して、いくつかのタライに移す作業は、けっこう楽しかったものです。

そんなことを思い出したのも、首相官邸の玄関前の池が埋められて、緑地化されたと報じられたからです。

もともとその池は、緊急時には水を抜いて、ヘリポートとなるように準備されていたとのこと。

とすると、コイは棲んでいなかったのでしょう。でないと、水を抜くたびにいちいち捕獲するのが大変です。

9年前に作られた、1000平方メートルの広さの池が、今回7500万円かけて緑地化されたわけです。

これで水を抜かなくても、ヘリポートになります。なら最初から人工池なんか作るなよ、という気もします。

屋上ではなく、報道カメラが並ぶ前庭の芝生にヘリが発着した方が、国民に緊迫感が伝わりサマになります。

ホワイトハウスの前で「マリーン・ワン」に乗り込む米大統領の姿は、たしかにカッコイイ。

ああいうのが、安倍首相の目標なのかもしれません。