子どもの名簿漏洩

ベネッセの顧客情報が流出したと報じられました。

「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」などの利用者の名前や住所、電話番号などが漏洩したようです。

「ベネッセにのみ登録していた個人情報で、他社からセールスが来る」とのクレーム急増が発端でした。

この「他社」というのがジャストシステムであったとの続報には、少々驚きました。

ジャストシステムといえばワープロ「一太郎」。Macを買う前のPC-9800時代には、よく使っていました。

その流れもあって、Macの漢字変換ソフトは、いまでもジャストシステムのATOKを愛用してます。

通信教育をしているとは知りませんでしたが、いかがわしい名簿業者から子どもの情報を買うとは残念です。

「出所不明でもかまわない」といって購入したと報じられており、不正を了解していたということです。

ベネッセはデータベース管理を別会社に委託し、その会社はさらに複数の管理会社に再委託していました。

ありがちな構図です。情報に接触しうる会社と人間が増えれば増えるほど、漏洩の危険も高まります。

社員の関与はないと原田泳幸社長は強調しますが、情報管理に問題があったのだから、会社の問題です。

今回の一件で、ベネッセは信頼を失い、ジャストシステムは評判を下げましたね。

備えあれば憂いなし

台風8号にはかなり警戒していました。昨日のうちに、暴風雨や停電に対応した準備を行いました。

今朝は6時に出勤してクリニック周囲を巡回し、院内では電源等を再チェックし、台風の直撃に備えました。

さいわい、進路は熊本をそれました。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-735.html" target="_blank" title="去年10月">去年10月</a>と同様、ほとんど風も吹かない肩すかし台風でした。

しかしそれは、自己中心的な考え方。この台風では全国で犠牲者も出ており、今も東日本に接近中です。

台風の進路を完璧に予測することはできません。なので我々は、ある程度の幅をもって臨む必要があります。

地震とは異なり台風は、2,3日前にはその襲来を知ることができます。準備する時間はあるのです。

ただ余裕があるわりに、直前になってバタバタしたりもします。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-231.html" target="_blank" title="台風を侮って">台風を侮って</a>、何度失敗したことか。

熊本を流れる白川は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-282.html" target="_blank" title="2年前に氾濫">2年前に氾濫</a>しました。台風直撃で大雨が降れば、また危険な状況になりかねません。

安全を期すならば、自治体は「避難勧告」や「避難指示」を、早めに出すべきでしょう。

しかし不要な警報によって市民生活を乱すことになれば、あとで叩かれかねません。

過剰な警報を繰り返せば、オオカミ少年になってしまい、いざというとき困ります。難しいものです。

熊本の学校は、昨日のうちから休校が早々と決まっていました。

ところが台風はそれて、暴風雨なし。仕事を持つお母さんたちは、不要な欠勤をすることになりました。

「備えあれば憂いなし」とは言いますが、備えるのも程度問題です。

ちなみにどうでも良いことですが、私が好きなフレーズは「お供えあれば幽霊なし」です。すみません。

消費税の軽減税率

消費税の軽減税率導入をもくろむ与党税制協議会が、飲食料品を中心に、対象品目の検討を進めています。

対象かどうかの「線引き」は難しく、協議会の検討資料を見ると、真面目な議論なのに、なぜか笑えます。

(1)飲食料品の定義に関する課題・論点

・地域や国によっては食される動物(うさぎ等)は食料品か?

これが対象なら、ペットショップで動物を買うときに「これは食用にします」と言えば安くなるってこと?

・輪島塗や有田焼などの高級容器に入ったおせち料理はどう扱う?

どう扱うも何も、こんな贅沢なおせちなら、容器も中身も軽減税率の対象外でしょう。

(2)酒を対象から除く場合の課題・論点

・ウイスキーボンボンは酒とみなすのか?

与党の先生方が「おい、ウイスキーボンボンはどうするんだ」と言い合っている姿を想像すると、笑えます。

・居酒屋で、酒とソフトドリンクがまざって「飲み放題メニュー」となっている場合にどうするか?

そんなことを心配し始めたら、水割りのウイスキーと水と氷で税率をどうするか考えなければなりませんが。

(3)外食を対象から除く場合の課題・論点

・レストランの調理スペースと飲食スペースが別会社になっていれば、外食にはあたらないのか?

この理屈が通るなら、調理会社と飲食スペース会社の共存施設が乱立しそうです。

・牛丼屋の牛丼は対象外、すき焼き用のブランド牛は軽減対象、という線引きではバランス上よいのか?

外食は贅沢だ、という発想がもはや、現状に合わないんでしょうね。

(4)菓子類を対象から除く場合の課題・論点

・果物の缶詰は菓子類なので対象外、高級メロンは軽減対象でよいのか。

遠足に持って行くときにも、しばしば問題となります。

このほか、飲料を除く場合や加工食品全般を除く場合も検討されています。

考えれば考えるほど、境界線が曖昧で、とてもすんなり線引きが出来そうにありません。

欧州ですでに導入されている制度とはいえ、多くの矛盾をはらんでいます。

それでも導入しようとするのは、国民のためではなく、利権が絡むオイシイ何かがあるからなんでしょうね。

台風8号接近中

大型で非常に強い台風8号が、ジワジワと九州に迫ってきました。明後日には上陸しそうです。

ご存じのように、この台風の「大きさ」と「強さ」を表現する言葉には、一定のルールがあります。

まず、大きさ。これは「強風域」(平均風速15m/s以上の範囲)の半径によって、階級が決められています。

それが500km以上だと「大型(大きい)」、800km以上だと「超大型(非常に大きい)」と呼びます。

でもこの2段階だけ。その上の段階がないです。作るとするなら「超々大型(極めて大きい)」でしょうか。

次に、強さ。これは最大風速によって階級分けされています。

33m/s以上を「強い」、44m/s以上を「非常に強い」、54m/s以上だと「猛烈な」と表現します。

これも上の段階がほしい。たとえば最大64m/s以上のものを「激烈な」と表現してはいかがか、気象庁の方。

できれば「非常に強い」を「強烈な」に変えていただくと、強烈<猛烈<激烈という序列が分かり易いです。

ところで、漢字2文字の表現方法で思い出すのが、地震の揺れの強さです。

少し前までは、いまのような震度の数値だけでなく、漢字2文字で表現していましたね。

弱い方から順に、「無感」「微震」「軽震」「弱震」「中震」「強震」「烈震」「激震」でした。

いまでは震度0〜7の数値で表します。さらに震度5は5弱と5強に、震度6は6弱と6強に分かれました。

数値の方が分かり易いかもしれませんが、強とか弱を付けるのは、あと一歩スマートじゃないですね。

そのうち台風も、数字で言うようになるのでしょうか。

「大きさ4、強さ5の台風が接近中」などという表現では、感じ(漢字)が出ませんが。

透明な氷を作る

たまには自宅で、スコッチのロックグラスを傾けてみたい。最近急にそんな気分になり、行動開始です。

準備すべきものは「好きなお酒」「素敵なグラス」「透明な氷」「旨い料理」「良い雰囲気」でしょうか。

このうち「透明で大きなロックアイスの作り方」について、今日は私の試行錯誤を披露しましょう。

あちこちのサイトを見て回ると、そのポイントは、おおむね次の2つに集約されるようです。

(1)不純物の少ない水を使う

(2)ゆっくり凍らせる

まず(1)。浄水器を通した水を煮沸させ、冷ましてから凍らせてみましたが、あと一歩、うまくいかない。

ならば、市販の「純水」を使えば良いのでは? さっそくAmazonで購入。PETボトル500mlで約100円。

問題は(2)です。家庭用冷凍庫のー20℃は温度が低すぎて、急激に凍ってしまうのが良くないそうです。

水の中に残っている不純物や空気が、氷結の過程で氷の中に残り、濁りの原因となるらしいですね。

製氷業者が大きくて透明な氷を作るときは、ー10℃ぐらいでゆっくり凍らせるとのこと。

では、透明で大きな氷を家庭で作ることはできないのかと言うと、方法はあるようです。

ネットで調べた限り、唯一と思われるそのやり方とは、水が全部凍ってしまう前に取り出す方法です。

凍り始めの部分には不純物や空気が含まれておらず、部分的に透明な氷ができる性質を利用するものです。

さっそく試しました。なるほどたしかに部分的には透明な氷ができます。しかし、何かスマートじゃない。

容器内の水をすべて、完全に透明な氷にしてしまいたい。そんな思いでこの数日、実験してきました。

そしてついに、ひらめいたのです。凝固点降下を応用すれば、容器をー10℃で冷却できるんじゃないか!

具体的にはこうです。

凝固点がー10℃になるように計算して塩水を作り、大きな容器に入れ、冷凍庫で凍り始めるまで冷やします。

これがまさに、ー10℃のプールとなります。その中に、氷にしたい純水のPETボトルを入れて冷やすのです。

どうです。アイデアでしょう。え、その結果はどうなったかって?

実はまさに今、実験中なのです。つい先ほど始めたばかり。結果が出るのは明日。また報告します。

大病院受診の割増金

紹介状を持たずに大病院を受診する際は、一律に割増金が課されることになりそうです。

その趣旨には賛同します。大病院や救急病院の外来を、軽症の受診者が占拠している現状は問題です。

割増金というペナルティは、軽症患者が大病院を受診しないようにするための、いわば抑止力です。

現在までに、割増額・割増方法については、3つの案が浮上しているようです。

(1)初診時10,000円、再診時5,000円

(2)初診時5,000円、再診時2,500円

(3)初再診料を10割負担とする(元々3割負担の人の場合、初診時約1,970円、再診時約500円の割増)

あまり低額だと実効性が伴わない心配もありますが、患者負担を考慮すると(3)案が有力とのこと。

正式な紹介状は、一定の体裁を備えた「診療情報提供書」という形態をとるのがルールです。

医者の名刺の裏に走り書き、といった昔風のメモでは、有効な紹介状とはみなされません。

医療機関が診療情報提供書を発行すると、「診療情報提供料」という診療報酬が生じます。点数は250点。

3割負担の方であれば、窓口での支払いに紹介状代750円が加算されることになります。

なので(3)案だと再診時は、紹介状をもらうより、直接大病院を受診した方が安くなってしまいます。

大病院志向の者が地域の診療所を受診する動機がなくなり、大病院受診の抑止力にもなりません。

最終的に(3)にまとまるようでは、厚労省の本気度にも疑問を感じますね。

プロポフォール問題

東京女子医大の、鎮静剤「プロポフォール」使用による2歳の子の死亡事故問題が、波紋を呼んでいます。

この問題は、2つに分けて考えなければなりません。

(1)東京女子医大固有の問題

(2)小児医療における薬剤使用の問題

プロポフォールは、全身麻酔の際に用いられる、かなり一般的な薬です。

手術中の麻酔だけでなく、集中治療においても、鎮静の目的でしばしば用いられています。

一般に、呼吸や循環が不安定で高度な全身管理を行っている場合には、十分な鎮静が必要となります。

手術中と同程度かそれ以上に緊迫した重篤な状況では、プロボフォールで鎮静するのは適切な医療行為です。

プロポフォールが危険なのではなく、生死をさまようような危機的状況だからこそ、この薬を使うのです。

使った結果だけが問題視されますが、別の薬を使った場合と比較しなければ、正しい評価にはなりません。

医薬品は、成人における治験は行われても、小児での治験は難しいものです。とくに乳幼児はそうです。

治験はしていないけれど、成人での使用経験を踏まえて、乳幼児にも流用しているのが現状です。

使用上の注意には「乳幼児での安全性は確立していない(使用経験がない)」とのお断りが書かれています。

そのように書かれていても、重篤な小児には、必要があれば使うしかないのです。

ところが、何か悪い結果が起きると、「使用が認められていない薬」を使ったことが、問題になります。

このたびのプロポフォール問題は、小児の集中治療を明らかにやりにくくしたと、私は思っています。

なお女子医大の問題は、別の意味で根が深く、このブログで書ききれるものでもないので今回は触れません。

低血糖で交通事故

御堂筋の暴走事故は、やはり危険運転致傷に問われることになりました。原因は「低血糖」だったようです。

インスリンを注射している糖尿病患者さんでは、つねに低血糖の危険がつきまといます。

血糖値は、安定しているように見えても、実は微妙なさじ加減によって絶妙にコントロールされています。

体調が悪かったり、激しい運動をしたり、食事の量や内容が変動しただけでも、血糖値は大きく動きます。

5月20日に施行されたばかりの「自動車運転死傷行為処罰法」が、今回初めて低血糖症に適用されました。

この法律により「特定の病気により正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で運転」しても罰せられます。

「特定の病気」とは、「自動車運転死傷行為処罰法施行令」によって、以下の6つが規定されています。

(1)統合失調症(*1)

(2)てんかん(*2)

(3)失神(*2)

(4)低血糖症(*1)

(5)そううつ病(*1)

(6)睡眠障害(*3)

それぞれの病気には、下記*1、2、3のような限定条件が付きます。

*1:安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くおそれがあるもの

*2:再発するおそれがあるもの

*3:重度の眠気の症状があるもの

法律が適用されるかどうか、判断が難しい事例も出てきそうで、拡大解釈の心配もあります。

しかし今回のような事件があると、少なくとも低血糖については、今後は厳しい対処となりそうです。

インスリン治療中の方は、低血糖にならないような注意と、低血糖時の適切な対処が必要です。

御堂筋の運転手は、低血糖を感じて、どら焼きを食べてジュースを飲んだそうですが、効果不十分でした。

患者さんの治療状況によっては、「甘い物(砂糖)」を食べても血糖値がすぐ上がらない場合があります。

低血糖時に必要なのは「ブドウ糖」です。万全を期して、ブドウ糖を常に携行する必要があるでしょう。

号泣会見

今年の「泣き虫大賞」は、兵庫県議会議員の野々村竜太郎氏に決定です。

あの号泣映像は今後、YouTubeで何百万回も再生されること必至ですね。

この野々村氏に比べたら、ときどき目にする芸能人の号泣シーンなど、まったく演技力不足でしょう。

人前での「ベソかき」で忘れられない名シーンと言えば、民主党の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-662.html" target="_blank" title="海江田万里氏">海江田万里氏</a>の国会答弁ですね。

菅首相にハシゴを外されて、泣きたい気持ちだったことには同情しますが、ホントに泣いちゃだめでしょう。

おまけに首相夫人には「泣くような人に大臣は任せられない」と、たたみかけられる始末。

その海江田氏、よく党代表まで昇り詰めたものです。それほどまでに人材がいないのか、民主党。

東京都議会の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-993.html" target="_blank" title="セクハラ野次事件">セクハラ野次事件</a>では、塩村文夏都議もよく耐えましたが最後は涙声でした。

塩村氏の過去がどうであれ、あの場は野次(鈴木章浩都議)の方が悪いに決まっています。

こう考えると、男が泣くと泣いた方が悪い、女が泣くと泣かせた方が悪い、という不公平な図式になります。

男って損ですね。ただし小保方氏の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-937.html" target="_blank" title="STAP細胞はあります">STAP細胞はあります</a>」会見での涙声は、評価が微妙なところ。

それにしても、海江田氏や塩村氏は悔し泣きだと思いますが、野々村氏は何なんでしょうね。情動失禁?

暑熱順化

日頃私は、エアコンの効いた室内で仕事しているので、炎天下で活動する機会はほとんどありません。

すると休診日に屋外に出た時に、慣れない猛暑に晒されることになります。昨日がまさにそうでした。

庭の草取りをしたのです。狭い庭ですが、草だけはボウボウに茂ってきます。

丈が短く生え揃っているなら、芝生っぽくていいのですが、どんどん伸びてくるのが雑草の悪いところ。

引き抜いていてはラチがあかないので、草は全部刈り取っていきました。

作業の後半はもう、汗ダクダクでヘトヘトで意識もうろう。足腰に力が入らない。吐き気もしてきました。

やばい。熱中症になりそう。身の危険を感じ、屋内に入って扇風機に当たる。そして、水分と塩分補給!

通常このような時は、わあわあ言いながら家人に飲み物を用意してもらうのですが、いない。買い物か。

勝手の違うキッチンで、塩を探す。引き出しを開けるとジップロックに入った白い粉末を発見。塩か砂糖か。

砂糖でもよかろう、カロリー補給になるし。思い切って小さじ一杯ほおばる。う〜ん、甘い!

その隣に茶色い粉末を発見。あった! 小さじ一杯ほおばる。また甘い! 黒砂糖か。

やっと「モンゴル塩」の容器を発見。助かった! しかし振っても振っても出ない。ガリガリ回すタイプか。

その隣に「アジシオ」を発見。手のひらに振ってはなめ、振ってはなめ、やっと塩分補給ができたのでした。

一般に、暑い環境で濃い汗を大量にかくと、体内の塩分を喪失するので脱水の危険が高まります。

ところが日頃から暑さに慣れていると、汗の塩分濃度が薄くなり、熱中症になりにくい体になります。

これを「暑熱順化」といいます。私は徹底的に、暑さに慣れていない、ひ弱な体だったようです。