BCGの予防接種で、使用済みの針を使って、5人の乳児に誤って接種をしてしまう事故が起きました。
千葉県東金市の集団接種で起きた、接種過誤のいきさつはこうです。
(1)医師Aが、BCGを5人に接種し、使用済みの針5本をトレーに置いた。
(2)接種医師が交代した。
(3)医師Bが、トレー上の針を未使用品と思い込んで、再使用した。
いやいや、間違えてくれと言わんばかりじゃないですか。まるで絵に描いたような顛末です。問題は3点。
(1)医師Aは、使用済みの針を置くべき場所(廃棄用容器)を知らず、トレーに置いた。
(2)接種補助を行っていた看護師が、医師Aやトレーに注意を払っていなかった。
(3)医師Bは、針の異変に気づかなかった。
ポイントは(1)でしょう。なぜならそれは、単なる不注意や勘違いによるものではないからです。
人はうっかりするもの。だからそれが事故に至らないようなシステムを作ることが、何よりも重要です。
BCGの接種に限らず、使用済みの針は、使った直後に、使った本人が、専用容器に廃棄すべきです。
廃棄容器に確実に捨てるまでは、手に持った使用済みの針を、どこにも置いてはならないのです。
事故を防ぐためのシステムは、絶対に例外を認めないことで、効力を発揮します。