AppleとIBMが、大規模提携を打ち出しました。昔の感覚だと、絶対にあり得ない組み合わせです。
もともとIBMは大型コンピュータのメーカーであり、パソコンを発売したのはAppleの方が先です。
Appleの成功を見て巨大企業IBMがパソコンに参入したために、Appleの経営は一転悪化していきました。
80年代末にMacユーザーとなった私を含む、すべてのAppleファンにとって、たぶんIBMは宿敵でした。
AppleのCMフレーズ「最高を最初から」をもじって、IBM PCを「最低を最後まで」とけなしたものです。
当時のMacはかなり高額でした。最初に買ったSE/30は、いまならMacBookAirが4台買えるほどの価格。
IBM PCがビジネス用として広がる一方、Macは創作家や医者などを中心に生き延びるのがやっとでした。
ところで、IBM PCの中核を担っていたのは、実はMicrosoftのOS(MS-DOS)とIntelのCPUでした。
このOSとCPUがあれば、別にIBMじゃなくてもいいじゃん、ってわけで、安い互換機が台頭します。
IBMは一気に落ち目となり、Appleファンとしては溜飲を下げたものです。
しかし後に、IBMがパソコン事業を中国企業に売却するに至っては、悲しい時代の流れを感じました。
MicrosoftやIntelの天下がしばらく続いたものの、その後Googleが台頭し、IT界は混沌としています。
Appleは復活し、時価総額はかつての巨人IBMの3倍を超えています。
ここでビジネス需要を拡大したいAppleが、企業向けサービスに秀でたIBMと手を組むのは魅力です。
どうも最近、Googleやサムスンにやられっぱなしな気がしてたので、久々に明るいニュースでした。