消費税の軽減税率導入をもくろむ与党税制協議会が、飲食料品を中心に、対象品目の検討を進めています。
対象かどうかの「線引き」は難しく、協議会の検討資料を見ると、真面目な議論なのに、なぜか笑えます。
(1)飲食料品の定義に関する課題・論点
・地域や国によっては食される動物(うさぎ等)は食料品か?
これが対象なら、ペットショップで動物を買うときに「これは食用にします」と言えば安くなるってこと?
・輪島塗や有田焼などの高級容器に入ったおせち料理はどう扱う?
どう扱うも何も、こんな贅沢なおせちなら、容器も中身も軽減税率の対象外でしょう。
(2)酒を対象から除く場合の課題・論点
・ウイスキーボンボンは酒とみなすのか?
与党の先生方が「おい、ウイスキーボンボンはどうするんだ」と言い合っている姿を想像すると、笑えます。
・居酒屋で、酒とソフトドリンクがまざって「飲み放題メニュー」となっている場合にどうするか?
そんなことを心配し始めたら、水割りのウイスキーと水と氷で税率をどうするか考えなければなりませんが。
(3)外食を対象から除く場合の課題・論点
・レストランの調理スペースと飲食スペースが別会社になっていれば、外食にはあたらないのか?
この理屈が通るなら、調理会社と飲食スペース会社の共存施設が乱立しそうです。
・牛丼屋の牛丼は対象外、すき焼き用のブランド牛は軽減対象、という線引きではバランス上よいのか?
外食は贅沢だ、という発想がもはや、現状に合わないんでしょうね。
(4)菓子類を対象から除く場合の課題・論点
・果物の缶詰は菓子類なので対象外、高級メロンは軽減対象でよいのか。
遠足に持って行くときにも、しばしば問題となります。
このほか、飲料を除く場合や加工食品全般を除く場合も検討されています。
考えれば考えるほど、境界線が曖昧で、とてもすんなり線引きが出来そうにありません。
欧州ですでに導入されている制度とはいえ、多くの矛盾をはらんでいます。
それでも導入しようとするのは、国民のためではなく、利権が絡むオイシイ何かがあるからなんでしょうね。