紹介状を持たずに大病院を受診する際は、一律に割増金が課されることになりそうです。
その趣旨には賛同します。大病院や救急病院の外来を、軽症の受診者が占拠している現状は問題です。
割増金というペナルティは、軽症患者が大病院を受診しないようにするための、いわば抑止力です。
現在までに、割増額・割増方法については、3つの案が浮上しているようです。
(1)初診時10,000円、再診時5,000円
(2)初診時5,000円、再診時2,500円
(3)初再診料を10割負担とする(元々3割負担の人の場合、初診時約1,970円、再診時約500円の割増)
あまり低額だと実効性が伴わない心配もありますが、患者負担を考慮すると(3)案が有力とのこと。
正式な紹介状は、一定の体裁を備えた「診療情報提供書」という形態をとるのがルールです。
医者の名刺の裏に走り書き、といった昔風のメモでは、有効な紹介状とはみなされません。
医療機関が診療情報提供書を発行すると、「診療情報提供料」という診療報酬が生じます。点数は250点。
3割負担の方であれば、窓口での支払いに紹介状代750円が加算されることになります。
なので(3)案だと再診時は、紹介状をもらうより、直接大病院を受診した方が安くなってしまいます。
大病院志向の者が地域の診療所を受診する動機がなくなり、大病院受診の抑止力にもなりません。
最終的に(3)にまとまるようでは、厚労省の本気度にも疑問を感じますね。