ウシ由来成分

日本製薬団体連合会から「医薬品安全対策情報」という小冊子が、毎月送られてきます。

医薬品の「使用上の注意」等における改訂内容などが、記載されているものです。

今月号は全40ページ。百数十品目の医薬品について、新たに報告された副作用等の情報が書かれていました。

ある種の降圧剤による腎機能障害についての記載が、いちばん目に付きました(なにしろ薬剤数が多い)。

しかし私が食いついたのは別の部分。ある定期接種ワクチンの情報です。以下に抜粋すると、

「本剤は、ウシ成分(フランス産ウシの肝臓および肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分、米国産ウシの血液、心臓および骨格筋由来成分、ブラジル産ウシの心臓由来成分)を製造工程に使用している。(中略)本剤の使用にあたってはその必要性を考慮の上、接種すること。」

ワクチンの原料って、国際色豊かですね。今回の改訂では、ブラジルの記載が追加されたようです。

欧米のウシ由来成分を用いて製造された薬剤は、「伝達性海綿状脳症(TSE)」の危険があります。

TSEとは、いわゆる「狂牛病(BSE)」を含む、「異常プリオン蛋白質」が脳に蓄積する疾患の総称です。

実際には、ワクチン接種によるTSE発症のリスクはきわめて低いのですが、しかし可能性はゼロではない。

でも「必要性を考慮の上、接種すること」と言われても困りますよね。国が決めた定期接種なわけだし。