サルコペニア

「サルコペニア」とは、老化に伴って筋肉量が減ることで、「加齢性筋肉減少現象」とも言われます。

筋力や身体機能の低下を伴ってくるのが問題ですが、まだ、厳密な定義や診断基準が定まっていません。

適切な筋肉運動を続けることによって、ある程度進行を抑えることができると考えられています。

なのでとくにご高齢の方には、適度な運動、まずは歩くこと、ウォーキングを指導しています。

我が身を振り返ると、実は1日3,000歩程度しか歩いていませんが、そのことは棚に上げておきます。

サルコペニアという言葉が提唱されたのは、つい最近(1989年)のことです。

ギリシャ語で肉を意味する「sarx」と、減少を意味する「penia」をくっつけて「Sarcopenia」だそうです。

「penia」は、医学用語にしばしば登場する接尾語です。

「leukocyte(白血球)」が減少する病態(疾患)なら、「leukocytopenia(白血球減少症)」です。

「sarx」というギリシャ語は知りませんでしたが、同語源の英語なら「sarc」でしょう。

「sarcoplasma(筋細胞質)」とか「sarcoma(肉腫)」などに用いられている、おなじみの接頭語です。

「最近は歩いてますか」と尋ねると、「あんまりさるきよらん」という返答をされる患者さんがいます。

この場合の「さるく」は「(ぶらぶら)歩く」という意味でしょうか、ご高齢の方がよく使われる方言です。

さるく(sarc)ことが減る(penia)とサルコペニア(sarcopenia)になる、と、上手くないオチでした。