感染性胃腸炎

急な嘔吐や下痢を発症する「急性胃腸炎」のうち、感染力の強いものを「感染性胃腸炎」と呼んでいます。

感染性胃腸炎は、学校保健安全法施行規則により、感染のおそれがある間は出席停止と定められています。

なので、お子さんの胃腸炎症状が感染性胃腸炎によるものであれば、出席停止の扱いになります。

さて、目の前の胃腸炎の患者さんが感染性胃腸炎であることを、私は次のような基準で判断しています。

(1)便検査によって、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが検出された場合(直接証拠)。

(2)保育園・幼稚園・学校や家庭・職場など、患者さんの周囲で、胃腸炎の流行がある場合(状況証拠)。

では、これ以外は感染性ではないかというと、そうではありません。

出席停止に関わる疾患なので、さまざまな状況や事情を考慮して診断しなければなりません。

定期試験等への影響があり、出席停止という診断書がほしい患者さんの場合、たいてい感染性と診断します。

逆に、なるべく早く登園させたいという希望がある患者さんでは、証拠が無ければ感染性とは診断しません。

このように感染性胃腸炎の範囲は広く、しかもアバウトなのです。

そもそも、風邪に伴う下痢などの胃腸炎症状も、感染性といえば感染性です。風邪だって感染症ですから。