乳がんの集団検診において、全国の市町村のうちの34.6%が「視触診」を省いていると報じられました。
集団検診の多くが「マンモグラフィー」というX線検査によって行われているとのこと。
厚労省は、集団検診においてはマンモグラフィーだけでなく、視触診も行うように求めています。
しかし視触診による検診では、乳がんの死亡率を下げる効果がないという報告もあります。
さらに、視触診を行っていない自治体は、「医師の確保が難しい」と言い訳しています。
ちょっと待って下さい。医師が確保できていないのにマンモグラフィーを行うのも、違法なはずです。
「診療放射線技師法」では、集団検診でのX線検査には医師の立ち会いが必要、と規定しているからです。
ある調査によると、自治体の約半数で、乳がん検診に医師を立ち会わせていないことがわかっています。
同様に胸部X線検査も胃X線透視検査も、住民検診の大半が、医師の立ち会い無しで行われているそうです。
それらの自治体は、違法かもしれないけど許容されるだろうという、住民目線の臨機応変な考え方なのです。
ところが昨年、下関市が念のため厚労省に照会したところ、現場に医師がいないのは違法だという回答。
とんだやぶ蛇でした。結局、下関市では検診車の運用を中止したそうです。確認しなきゃよかったですね。
なお、診療放射線技師法は改正されて、医師の立ち会いは必須ではなくなる方向のようです、来年から。