長周期地震動

UAE(アラブ首長国連邦)在住の若い日本人女性に、最近遭遇しました。とっさに私は、こう尋ねました。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-209.html" target="_blank" title="ブルジュ・ハリファ">ブルジュ・ハリファ</a>に昇ったこと、ありますか」

世界一高いその建物には以前から興味があったので、もしや昇ったことがあるのではないかと思ったのです。

すると予想外の返答あり。「そこに住んでいます」と。私はうろたえ、言葉を失ってしまいました。

すばらしい眺望であることは容易に想像(想像以上?)できますが、でも住むとなると地震が気になります。

調べてみて驚きました。ブルジュ・ハリファには制震(制振)・免震設計がなされていないのです。

地震が少ない地域とはいえ、万一大地震に見舞われたらどうするの。大揺れ間違いなしです。

たとえ倒壊しなくても、あれだけ高いと、超高層ビル特有の「長周期地震動」が凄いことになるでしょう。

震源からかなり離れていても減衰しにくく、高いビルほど大きく揺れるのが長周期地震動です。

東日本大震災のとき、新宿の超高層ビルでは、3秒周期で数分間、約1mの振幅で揺れたともいいます。

この大きな揺れによって、建物内部では家具が転倒し、家具と壁と居住者が何度も激突することになります。

長周期地震動の固有周期は、建物の高さに比例して長くなります。

鉄筋コンクリート造の場合、固有周期(秒) = 建物の高さ(m)x2% という計算式で概算できるそうです。

ブルジュ・ハリファは828mなので、周期は16秒程度と異常に長い。振幅も数m以上でしょう。

将来ブルジュ・ハリファに昇る機会があっても、滞在時間は短めがよいですね。居住なんてもってのほか。