ビール工場

最近よく飲むビールは、大手4社(アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ)の製品ではありません。

輸入ビール、あるいは国内の中小メーカーのビールばかり飲んでいます。

プレモルとかスーパードライには、あまり面白味がないというか、つまり飽きたのです。

銘柄はともかく、ビールを美味しく飲む方法は、2つあります。

(1)ノドが乾いたときに、よく冷えたビールを飲む

(2)新鮮なビールを飲む

缶ビールの温度を氷点下(-2℃~0℃)まで下げる装置「エクストラコールドクーラー」を、使っています。

アサヒスーパードライのキャンペーンの景品ですが、通販で出回っていたので、最近購入しました。

これがまた、よく冷えます。「キンキン」という表現がピッタリ。

新鮮なビールなら、ビール工場やその直営ビール園で飲むのが最高です。

サッポロビール園やアサヒビール博多工場にも行きましたが、熊本ならサントリービール工場でしょう。

数年前の夏の休日、自転車でビール工場まで行ったことがあります。もう、汗ダラダラ、のどカラカラ。

自転車を職員用駐輪場に置き、工場見学の受付をして、極旨ビール試飲の時間を待っていたときのこと。

いよいよ私の見学の順番が来た、まさにその瞬間、係の方がこう言うのです。

「お客さま、自転車でお越しではないですか。その場合、ご試飲いただくのはソフトドリンクとなりますが」

炎天下をチャリでやって来て、小一時間待った私に、ビールを飲むなとはひどい仕打ち。

ソフトドリンクしか飲めないビール工場見学に、いったい何の意味があるのでしょう。

もともと、ビールの製造工程などに興味はありません。興味があるのは、できたてのビールの味だけです。

ていうか、私が自転車で来たことを知ってたのなら、ビールが飲めないことを早く教えてほしかった。

もちろん、自転車でも飲酒運転はいけません。わかってます。

眼電位センシング

Googleがついに、腕時計型のウエラブルデバイス「G Watch」の、予約販売を開始しました。

メガネ型の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-609.html" target="_blank" title="Glass">Glass</a>」で押しまくると思っていたGoogleですが、いろんな引き出しをもっているものです。

未だ発売されないAppleの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-643.html" target="_blank" title="iWatch">iWatch</a>」は、他社に先を越されて、どんどんハードルが上がってきています。

メガネ型端末といえば、ジェイアイエヌが先月発表した「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」が面白い。

眼球の角膜側と網膜側との間の電位差「眼電位」を測定して、目の動きやまばたきを感知するメガネです。

健康管理等に応用するのが目的ですが、ユーザーインターフェースとしても使えそうです。

となると、まっさきに思いつくのは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんへの応用でしょう。

徳洲会の前理事長の徳田虎雄氏が、眼球の動きによって意思疎通を図っていることは、よく知られています。

五十音が書かれた文字盤を目で指し示すわけですが、あれこそ、JINS MEMEの出番じゃないですか。

あらためて調べてみると、眼電位を意思疎通ツールとするために、いくつかの大学で研究が行われています。

それらのほとんどがALS患者での利用を想定しており、研究しているのはたいてい工学部です。

しかし研究が進んできた中で、真っ先に実用化にこぎ着けたのがメガネメーカーというのが驚きです。

こんな画期的新製品を、名だたるIT企業に先んじて開発する余地は、まだあるんですね。

ウシ由来成分

日本製薬団体連合会から「医薬品安全対策情報」という小冊子が、毎月送られてきます。

医薬品の「使用上の注意」等における改訂内容などが、記載されているものです。

今月号は全40ページ。百数十品目の医薬品について、新たに報告された副作用等の情報が書かれていました。

ある種の降圧剤による腎機能障害についての記載が、いちばん目に付きました(なにしろ薬剤数が多い)。

しかし私が食いついたのは別の部分。ある定期接種ワクチンの情報です。以下に抜粋すると、

「本剤は、ウシ成分(フランス産ウシの肝臓および肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分、米国産ウシの血液、心臓および骨格筋由来成分、ブラジル産ウシの心臓由来成分)を製造工程に使用している。(中略)本剤の使用にあたってはその必要性を考慮の上、接種すること。」

ワクチンの原料って、国際色豊かですね。今回の改訂では、ブラジルの記載が追加されたようです。

欧米のウシ由来成分を用いて製造された薬剤は、「伝達性海綿状脳症(TSE)」の危険があります。

TSEとは、いわゆる「狂牛病(BSE)」を含む、「異常プリオン蛋白質」が脳に蓄積する疾患の総称です。

実際には、ワクチン接種によるTSE発症のリスクはきわめて低いのですが、しかし可能性はゼロではない。

でも「必要性を考慮の上、接種すること」と言われても困りますよね。国が決めた定期接種なわけだし。

加圧トレーニング

テレビ番組で、郷ひろみの「加圧トレーニング」の風景が紹介されていました。

上腕や大腿をベルトで締めて血流を適度に減らし、負荷を強めるトレーニング法です。

筋肉の増強は、強い運動負荷(無酸素運動)における筋肉疲労からの、回復期に起きるとされています。

加圧トレーニングは、軽い筋肉運動でも無酸素運動に似た筋肉疲労を作ろうというものです。

理論的には面白いと思いますが、加圧コントロールが難しく、自己流で行うと血行障害等の危険もあります。

まあそれにしても、郷ひろみの、若さを保とうとする努力には驚くばかりです。

そういえば、これと少し似た原理のトレーニング法を思い出しました。「ハンドグリップ」です。

少し前に、NHKのためしてガッテンが取り上げていました。これは筋肉増強法ではなく、高血圧対策です。

ガッテン風に言えば、「タオルを2分握って1分休む」を左右2回ずつ行うだけで、血圧が下がるとのこと。

グリップ中に血流が減っていた筋肉に、力を緩めると一気に血液が流れ、血圧を下げる物質が分泌されます。

それが「一酸化窒素(nitric oxide;NO)」です。血管の内面を覆う「血管内皮細胞」から放出されます。

この物質はかつて「内皮由来弛緩因子(EDRF)」という、長ったらしい名前で呼ばれていました。

血管内皮から分泌されて、血管平滑筋を弛緩させる、正体不明の因子、というわけです。

ちょうど私が大学で研究している頃に、それがNOだと判明しました(私が発見したのではないですよ)。

見つかってみたら、ひどく単純な分子(だって、化学式もNOだし)だったので、とても驚いたものです。

咳止めのシール

「ホクナリンテープ」は、胸や背中に貼って気管支拡張剤を経皮吸収させる、テープ剤です。

薬を飲むのが嫌いな子どもには重宝します。どうせなら、ほかの薬も全部、テープ剤にしてほしいものです。

ホクナリンテープの薬効成分「ツロブテロール」は、「アドレナリン」と同様の作用があります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-871.html" target="_blank" title="以前も書いた">以前も書いた</a>ように、アドレナリンは、生き物が危機的状況に直面したときに分泌されるホルモンです。

気管支を拡げて呼吸をしやすくするのも、その作用のひとつ。この働きを喘息治療などに使うわけです。

このホクナリンテープを「咳止めのシール」と呼ぶ患者さん(の保護者)が、結構多いです。

「咳止め(鎮咳剤)じゃないんですよ」と訂正するのですが、当たらずしも遠からず、かもしれません。

気道が拡がって呼吸が改善し、痰の喀出も容易となり、結果的に咳が鎮まるわけですから。

ホクナリンテープを開発したのは、呼吸器薬に強い「北陸製薬」と、粘着テープメーカー「日東電工」です。

北陸製薬が作った、アドレナリン類似成分の薬、ということで「ホクナリン」です。

私が研修医の頃には存在していた北陸製薬ですが、その後ドイツの化学会社「BASF」の傘下に入りました。

北陸製薬はその後「アボット」の傘下へと変わり、さらに「アボット・ジャパン」となって現在に至ります。

ちなみにBASFと言えば、昔の安いカセットテープの製造元の思い出が私にはあって、イメージが悪いです。

一方で日東電工から、乾電池・磁気テープ事業が独立してできた会社が、のちの「日立マクセル」です。

これまたカセットテープではお世話になりました。

今はもう、カセットテープは使いませんが、かわりによく使うのがホクナリンテープと、そういうオチです。

ウサギのキャラ

政府は、社会保障と税の共通番号(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-608.html" target="_blank" title="マイナンバー">マイナンバー</a>)を、医療分野に活用する方針を打ち出しました。

診療履歴などの医療情報の共有は、患者にとっても医療機関にとっても、有益です。

しかしその目的が「過剰な診療を見つけやすくなり、医療費の抑制につながる」というのはいかがなものか。

医療機関はムダな検査や投薬をしているはずだ、という考えが前提のようで、納得しかねます。

おなけに内閣府が最近発表した「マイナンバー広報用ロゴマーク」。あのウサギはひどい。

白いウサギの目が「1」の文字ですよ。まったく表情になってない。可愛くないばかりか、気味が悪い。

そのウサギの愛称が一般公募されていますが、どのように名づけられても愛着がもてないこと必至です。

それとは対照的に、可愛いウサギのキャラでは「ミッフィー」が定番でしょうか。当院にも絵本があります。

最近知ったのですが、サンリオの「キャシー」というウサギと、著作権でもめていたらしいですね。

比べてみると、どちらも直立した白ウサギ。目が点で、すまし顔。ワンピース。たしかに似てる。

訴訟の行く末は・・・、敢えてここには書きません。深イイ話です。泣けます。

で、マイナンバーのキモいキャラの愛称ですが、一応「マッフィー」で応募しておきました。締切は7/21。

サルコペニア

「サルコペニア」とは、老化に伴って筋肉量が減ることで、「加齢性筋肉減少現象」とも言われます。

筋力や身体機能の低下を伴ってくるのが問題ですが、まだ、厳密な定義や診断基準が定まっていません。

適切な筋肉運動を続けることによって、ある程度進行を抑えることができると考えられています。

なのでとくにご高齢の方には、適度な運動、まずは歩くこと、ウォーキングを指導しています。

我が身を振り返ると、実は1日3,000歩程度しか歩いていませんが、そのことは棚に上げておきます。

サルコペニアという言葉が提唱されたのは、つい最近(1989年)のことです。

ギリシャ語で肉を意味する「sarx」と、減少を意味する「penia」をくっつけて「Sarcopenia」だそうです。

「penia」は、医学用語にしばしば登場する接尾語です。

「leukocyte(白血球)」が減少する病態(疾患)なら、「leukocytopenia(白血球減少症)」です。

「sarx」というギリシャ語は知りませんでしたが、同語源の英語なら「sarc」でしょう。

「sarcoplasma(筋細胞質)」とか「sarcoma(肉腫)」などに用いられている、おなじみの接頭語です。

「最近は歩いてますか」と尋ねると、「あんまりさるきよらん」という返答をされる患者さんがいます。

この場合の「さるく」は「(ぶらぶら)歩く」という意味でしょうか、ご高齢の方がよく使われる方言です。

さるく(sarc)ことが減る(penia)とサルコペニア(sarcopenia)になる、と、上手くないオチでした。

セクハラ野次

東京都議会の「セクハラ野次」事件。ついに「犯人」が名乗り出ましたね。

ある意味「衆人環視」の中での犯行なので、もともと隠し通せる可能性は低いものでした。

さらにみんなの党が「声紋分析」を検討中と聞いて、ついに観念したのでしょう。

もちろん、石破茂・自民党幹事長らの「圧力」も大きかったと思われます。

「早く結婚した方がいい」という発言の真意は、「早く結婚していただきたいという思い」だったとのこと。

意味不明な詭弁を弄しています。丁寧に言い換えても、意味は何も変わりません。

「子どもが産めないのか」は別人の発言だと主張しています。そうかもしれませんが、往生際が悪い。

さてこうなると、彼の犯行を隠匿してきた自民党同僚議員らも、不利な立場に追い込まれてきます。

「子どもが産めないのか」と発言した別の議員は、どのタイミングで名乗り出るべきか、思案中でしょう。

ところで、一連の騒ぎのなかで、一風変わったブログを目にしました。

問題の野次は、「早く結婚した方がいい」ではなく「みんなが結婚した方がいい」に聞こえる、という意見。

だからセクハラではないのだと、NHKがセクハラ野次を「捏造」しているのだと、そんな趣旨です。

このようなセンセーショナルな問題が起きている中でも、いちど報道を疑ってみるという姿勢は有意義です。

しかしNHK捏造説にやや固執しているところに、何か偏ったものを感じました。

問題のシーンの映像を何度も再生してみましたが、どうしても私には「早く」にしか聞こえません。

そして今日、発言者自らが「早く」と言ったと自供しているので、もはやそれで間違いは無いでしょう。

何か社会問題が起きている時に、敢えて違う方向に流れを向けようとする人や勢力が、いつもいます。

マスコミ報道を鵜呑みには出来ないことは百も承知ですが、ブログも同じことだと、あらためて思いました。

温水洗浄便座

TOTOが、温水洗浄便座「ウォシュレット」の世界的販売拡大を進めていると、報じられていました。

で、この「温水洗浄便座」という呼称が、どうしても私にはしっくり来ません。

(1)温水で洗浄する対象物が「便座」を指すようにも解釈できませんか。

洗浄する対象は「おしり」のはず。温水洗浄便座って言うと、誤解を招きませんか。招かないですか。

もしも、使用するたびに便座を温水で洗浄するような製品があれば、それが本当の「温水洗浄便座」では?

(2)おしりを洗浄するというその機器は、そもそも便座というよりも便器というべきではないですか。

後付けの便座もありますが、それも含めて全体を「温水洗浄機能付き便器」と呼ぶべきでしょう。

便座っていうと、U字またはO字状の、座る部分だけを指すような気がするので。

TOTOは、市場に合わせた製品開発の一環として、たとえば気候温暖地域では便座温め機能を外すとのこと。

なかなか細かいですね、日本企業がやることは。

一方で、国内向け製品の場合は、季節に合わせて便座の温度設定を変えるようにと、取説に書いてあります。

でもできるなら、もう少し細かく、気温(室温)に合わせて便座温度を自動調整してほしいものです。

夏であっても寒い日には、温かい便座に座りたいものです。ただし誰かの使用後の温かさはイヤです。

最後は金目

石原伸晃環境相の「最後は金目でしょ」発言。当初は撤回はしないとしていましたが、ついに撤回しました。

いつも思いますが、こういった失言というのは、その人の本心(本音)の表れです。

発言者の思想や人間性が露呈したのであって、口から出た文言だけを撤回しても、もはや意味がありません。

石原氏は会見で、次のようにやや矛盾するような釈明をしています。

(1)「用地補償や生活再建と地域振興の金額を示すことが重要だと申し上げたもの」

(2)「お金で解決すると申し上げたことはない」

しかし矛盾してはいません。石原氏は「お金で解決する」とは、ひとことも言っていないからです。

彼はただ「最後は金目でしょ」と言っただけ。その表現が下品で無神経だったので、謝罪しているわけです。

もちろん「最後は金目」の真意が、「最後はお金で解決」であることは明白です。

福島の汚染土の中間貯蔵施設の問題は、原発の放射性廃棄物の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-771.html" target="_blank" title="最終処分場">最終処分場</a>の問題と、本質的には同じです。

国はこれまで、原発やそれに付随する危険施設を負担させる自治体には、それなりの対価を払ってきました。

原発関連政策にはどうしても、「お金で解決」する側面があります。だから石原氏は悪びれないのです。