タイで3日前にクーデターが起きました。2006年9月以来、約8年ぶりです。
これに関連して「クーデター」の語源についての記事を、このところ新聞コラム等でよく目にします。
元はフランス語です。文字化けを避けるためカタカナで分割して書くと「クー ド エタ」となります。
「クー」は一撃とか打撃、「ド」は英語の「of」、「エタ」は国家という意味だそうです。
この話を掘り下げればけっこう面白いのですが、受け売りを長々と書くのも芸がないので、やめておきます。
「一撃」を意味する「クー」は、医学用語として、頭部外傷(外傷性脳損傷)の表現にも使われています。
交通事故などで頭部に打撃を受けた場合、その部位の脳に起きた損傷を「クー損傷」といいます。
その打撃で揺さぶられた脳が、反対側の頭蓋骨に衝突して起きる損傷は「コントラクー損傷」といいます。
「コントラ」は英語の「カウンター」と同じで「反対」を意味する言葉です。
受傷部位や方向によっては、コントラクー損傷の方が致命的であることも、珍しくありません。
ところで、前回2006年のクーデターの1カ月後に、私は学会発表のためにタイに行く予定だったのです。
テレビ報道を見ると、バンコク市内を戦車が走っています。こんな国に渡航して、はたして大丈夫か。
当初はそのような心配をしていましたが、治安は比較的安定しており、市民生活もすぐに平常に戻りました。
どうやらタイでは、クーデターという形で、軍が仲介して政権交代を行うことも珍しくないようです。
最終的に、軍司令官がプミポン国王の支持を取り付けて事態が沈静化するのが、いつものパターンなのです。
おかげで私も無事、バンコクでの学会発表を行い、アユタヤではゾウの背中に乗ることもできたのでした。