健康食品の機能性表示

安倍首相が「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-569.html" target="_blank" title="健康食品">健康食品</a>の機能性表示を解禁します」と明言しました。

しかしこれは、規制緩和による市場活性化が狙いであって、国民の健康増進のためではありません。

病気を克服した安倍首相なので、医療への理解が深いと期待してましたが、どうも違う感じ。

少なくとも、医療従事者には、思いのほか優しくない。

今晩の「クローズアップ現代」では、健康食品を製造しているニッスイを取材していました。

企業側は、有効性がはっきりしているのに「機能表示」ができないので困っている、という言い分です。

ニッスイの「海の元気EPA」は、1日分4錠当たり、EPA332mg、DHA142mgが含まれているようです。

オンラインショップの価格を調べてみると、1日分が130〜140円。

実はEPAやDHAは、医薬品としても販売されていて、私も高脂血症の方によく処方しています。

持田製薬の「エパデールS」は、1日にEPAが1800mgも摂れて、保険が効くので1日分が約71円です。

武田薬品の「ロトリガ」には、EPA930mgとDHA750mgが含まれていて、3割負担だと1日78円程度です。

いずれも、健康食品よりも有効成分含有量が多く、しかも安い。ジェネリックを選べばもっと安くなります。

このように科学的根拠がはっきりしている薬は、きちんと医薬品の処方を受けるのが得策です。

その反対に、根拠のあいまいな薬にその有効性を誤解させるような表示を認めることには、疑問を感じます。

今まで通り、「個人の感想です」というテロップとともに、イメージCMを流す程度で良いのでは。