STAP細胞疑惑

つい1カ月前に、あれだけ大騒ぎした<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-851.html" target="_blank" title="STAP細胞">STAP細胞</a>が、別の意味で大変なことになってきました。

報道された内容しか知ることのできない私には、STAP細胞の真贋を論じることはできません。

疑惑の中心人物、小保方晴子さんとの面識もないので、その人物像についても、何もコメントできません。

ただ、別の論文と同じ写真を使っていたという「ミス」は、申し開きの出来ない「大失態」でしょう。

さらに、別の研究者の論文の文章を「パクった(剽窃)」部分や、作為的な改変も見つかっています。

このような箇所がいくつも出てくると、もはやミスや不注意とは言い切れず、問題はとても深刻です。

どうして、論文投稿前に、共著者が徹底的にチェックしなかった(できなかった)のでしょうかね。

いずれにしても、あの画期的な論文の信頼性は大きく失墜してしまったわけです。

メディアというものは、いちど持ち上げた人物を疑い始めると、手のひらを返したように批判的になります。

科学的検証を推し進めるよりも先に、どうかすると人物・人格攻撃に転じたりします。

渦中の人、小保方さんは、メディアに登場しないので少し心配ですが、再現実験に取り組んでいるそうです。

論文撤回を提案した若山照彦教授も「STAP細胞を再現できる完璧な論文を作成したい」と言っています。

2人とも、STAP細胞そのものは疑ってはいないようです。ならばぜひ、雪辱を果たしてほしいものです。

ゴーストライター

世間をだまし続けていた佐村河内守氏の問題が、波紋を呼んでいます。

記者会見で釈明しているのは代理人だろうと思って見ていたら、驚いたことに、佐村河内氏本人でした。

どう見ても普通のオッサンだし、耳が聞こえないどころか、きわめて普通の質疑応答が行われていました。

彼の罪は、2つに分けて考えなければなりません。

(1)聴覚障害者と偽った

(2)作曲家と偽った

このうち(1)は許されない行為であり、厳しく非難されるべきです。

ところが(2)はどうなんでしょう。ゴーストライターなんていうのは、世間にあまたある話です。

作曲家と称して活躍していた佐村河内氏が表の顔なら、実際に作曲していた新垣隆氏は裏方です。

佐村河内氏は「佐村河内ブランド」の、言ってみれば「プロデューサー」だっただけの話。

一方の新垣氏も、自分を「スタッフ」だと自ら表現し、その役割をわきまえていたことを語っています。

ところが新垣氏が、だんだんとゴーストライターに耐えきれなくなった理由には(1)が大きいようです。

今回の件は、佐村河内氏の(1)の行為がエスカレートしてきたことが、最大の問題でしょう。

もっとも、純粋に音楽の芸術性を追求するのであれば、(1)も(2)も関係ないとは思いますが。

朝のエアコン

冬の間は、クリニックのエアコンが早朝から作動するように、タイマーをセットしています。

朝の出勤後にエアコンのスイッチを入れたのでは、冷え切っているクリニックが、温まらないのです。

この数日、朝がとくに寒いので、休日当番医である今日は、午前4時にタイマーをセットしておきました。

さて、今朝4時半ごろのこと。自宅の電話が鳴りました。間違い電話やイタズラだと許されない時間帯です。

しかし電話の主は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-828.html" target="_blank" title="セコムの警備員">セコムの警備員</a>でした。「クリニックで異常警報が出たので、巡回に来ております」と。

当番医の準備で天井のテレビの下に貼ったポスターが、エアコンからの温風で揺れているのが原因でした。

ポスターの揺れを、どこかのセンサーが感知して、侵入者の警報が出たようなのです。

セコムの方にお願いして、エアコンを止めてもらいました。

だいぶ前にも似たようなことがありました。あの時は、テレビの下につるしたモビールの揺れが原因でした。

あるいはまた、閉め忘れた窓からの風で揺れた、観葉植物の葉が、侵入者と間違われたこともありました。

ていうか、窓を閉め忘れるのもどうかと思いますが。

そんなわけで、今日は早朝出勤してエアコン入れて、冷え切ったクリニックを猛ダッシュで温めたのでした。

戦後のスギ植林

スギ花粉症といえば、この時期いちばんありきたりな疾患ですが、日本以外ではほとんど見られません。

スギが日本固有の樹木だからです。

戦後の日本では、木材不足を解消するため、多くの天然林が成長の早いスギに植え替えられました。

その大規模植林のツケが、スギ花粉症というわけです。その意味では「人災」とも言えます。

では、スギという樹木は、戦前の日本にはほとんど生えていなかったのか。

その疑問を感じていたとき、ふと、唱歌「お山の杉の子」を思い出しました。戦時中に発表された歌です。

「昔 昔 その昔 椎の木林のすぐそばに 小さなお山があったとさ あったとさ」

この冒頭は有名ですが、よく調べてみると、戦後に改変される前の5番の歌詞はこう始まります。

「大きな杉は何になる 兵隊さんを運ぶ船 傷痍の勇士の寝るお家 寝るお家」

つまり、戦時中または戦前から、スギは木材として有用だったことがわかります。

「これこれ杉の子 起きなさい」なんて歌詞はまさに、植林したスギの幼木への呼びかけそのものです。

ちなみに前述した5番の歌詞は、戦後改変されて「戦争色」が消えました。

「大きな杉は何になる お舟の帆柱はしご段 とんとん大工さんたてる家 たてる家」

いかにも戦後っぽくなりましたが、歴史的資料としての価値は、やや失われた感があります。

ビットコイン

ビットコインの考案者「サトシ・ナカモト(中本哲史)」氏の正体が、ついに判明したと報じられました。

おそらく、もっとも有名な「正体不明人物」であったナカモト氏。それが誰なのかは、ずっと謎でした。

天才ハッカーか、京大の望月教授か、いや日本人とは限らないし、複数人説や米政府機関説も出ていました。

ところがふたを開けてみるとその正体は、別府で生まれ10歳で米国に移住した、64歳の男性。

その名も、サトシ・ナカモト氏。そのまんまじゃないですか。

そのナカモト氏が考案したとされるビットコインの仕組みを、私の理解する範囲で書くとこうなります。

(1)ビットコインの取引には検証作業が必要となるが、そのためには膨大な数学的計算を要する

(2)ネット上の不特定多数がこの計算に参加し、検証が完了すると取引が認証される

(3)最初に計算をした者は、報酬としてビットコインを得る

(4)ビットコインを偽造するためには、ネット上の不特定多数の計算力の総計を上回る計算力が必要

ネット上の不特定多数の計算力を頼りに、偽造を不可能にするという、わかったようでわからないシステム。

中国などが、国を挙げてスパコンを駆使しても偽造できないのか。そこらへんが心配です。

ちなみにナカモト氏は、ノーベル経済学賞の有力候補だという話も、あるとかないとか。

Apple Store

おととい福岡に行く用事があって、そのついでに、Apple Store福岡天神に行ってみました。

OnlineのApple Storeはよく利用しますが、実店舗に行くのは久しぶりでした。

かつて、東京国際フォーラムで開催される学会に参加した際は、必ずApple Store銀座に行ったものです。

Apple Storeで目を引くのは、外国人スタッフの多さです。多くの国の客に対応するためだそうです。

久々に行って驚いたことは、スタッフが携帯しているiPhoneによって、会計が行われたことです。

iPhoneで商品のバーコードを読み取り、客のクレジットカードを読み取り、液晶画面に署名までさせます。

私の署名は、子どもの落書きみたいに、へたくそになってしまいました。ちゃんと決済できるか知りません。

あとで思い出したのですが、Apple Storeの店舗では「Easy Pay」という支払い方法ができるのでした。

専用のアプリをiPhoneに入れておき、店舗内で起動すれば、購入した商品を自分で会計できるものです。

商品のバーコードを自分で読み取って、そのまま持ち帰るという、外見上は万引きみたいなシステムです。

やってみたかった。

Apple Storeの裏に「キルフェボン」という、タルトの店があると聞いていたので、帰りに立ち寄りました。

もちろん私はアイドルじゃないので、買ったタルトの詳細を書いたりはしません。写真も掲載しません。

だいたい、この店に行くまで私は、タルトとは、餡を巻いたロールケーキのことだと思ってました。

花粉症舌下薬

今年はどうも、スギ花粉症がひどいようです。

生まれて初めて花粉症を発症したと思われる方にも、今年はよく出くわします。

「花粉症かもしれませんね」と言うと、「私は花粉症ではありませんよ」と当惑気味です。

「今年から花粉症かもしれませんよ」と言えば、「いままで花粉症じゃなかったのに?」と驚かれます。

気持ちはわかりますが、花粉症は、中高年で発症することも珍しくない疾患なのです。

何十年もの間、花粉を吸い続けたあげく、「もう我慢ならん」と体が花粉拒絶に転じた結果ともいえます。

花粉症の治療法で一般的なのは「抗アレルギー薬」です。

内服薬や点鼻薬などがありますが、これらは体のアレルギー反応を実力で阻止する対症療法です。

一方で、花粉アレルギーそのものを生じなくするのが「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」です。

少しずつスギ花粉に触れさせて、数年間かけて体を徐々に慣らしていく根治療法です。

昔からある治療法ですが、あまり普及していないのは、たびたび皮下注射をする必要があったからです。

ところがこのたび「シダトレン スギ花粉舌下液」が厚労省に承認され、保険適用となりました。

注射の必要がない舌下薬なので、花粉症治療に大きな進展をもたらしそうで、期待できます。

ただしこの薬を処方できるのは、日本アレルギー学会などが主催する講習会を受けた医師だけです。

次の講習会日程を調べてみると、5月10日(土)。開催地は京都。むむむ・・・

朝の電話番

当院の診療予約は、毎朝8時から、インターネットと電話で受け付けています。

インターネットの方は、受付順に自動的に番号を振るシステムなので、ほとんど手間はかかりません。

問題は電話です。朝からけっこうバタバタします。電話回線は2つ。電話番は私と早番のスタッフの2名。

電話を受けながら、電子カルテで確認しつつメモをとるため、受話器は頭と肩の間に挟むことになります。

これはかなり、首が疲れる姿勢です。それでなくても、五十肩と肩こりに悩まされているのに。

ある日、テレビのCMを見てハッとしました。アレだ、と。さっそく近所の家電量販店に行って尋ねました。

「再春館製薬所のオペレーターみたいなマイク付きヘッドホンありますか」

少々幼稚な尋ね方でしたが、店員には一発で伝わりました。そして即答「置いてないです」。

電話だけでもバタバタするのに、朝8時頃、予約のために直接来院される患者さんもいらっしゃいます。

とても病状の重い方ならともかく、ただ順番を取るためだけなら、わざわざ来院されるには及びません。

それに窓口の応対をしながら電話には出られないので、電話回線をひとつ保留にしてつぶすことになります。

そうでなくても電話は、タイミングが悪いとつながりにくいものです。

いちばん良いのは、インターネット予約なのですが、これには敷居が高い方もいらっしゃるでしょう。

電話が話し中にならないようにするために、丁寧な電話応対をやめて、手短に済ませることにしています。

素っ気ない印象があるかもしれませんが、ご了承ください。朝の電話は、あくまで順番取りなので。

シカ逃走中

熊本市動植物園から逃げ出したニホンジカが、まだあと1頭見つかりません。もう1週間以上たちました。

江津湖付近か、もしかすると市街地に潜伏しているのかもしれません。まあ、逃げたのがシカでよかった。

京都大学のiPS細胞研究所では、マウスの逃走がホットな話題です。

飼育ケースに敷き詰めたチップ(おがくず)の中に埋まり込んでいたマウスに、気付かなかったようです。

遺伝子組み換え後の動物だったことが、問題視されています。

大学病院で研究していた頃、私もたびたびラットに逃げられて苦労したことを思い出します。

ケージからラットを取り出す際は、実験室のドアを必ず閉めます。万一の逃走に備えるためです。

ラットは尻尾が太く長くて持ちやすいですが、けっして持ち上げて宙づりにしてはなりません。

すごい勢いで動き回るからです。噛まれそうで怖くて手を離してしまえば、必ず逃げられます。

誰かが実験室のドアを開けないように施錠した後、実験そっちのけの捕獲劇が始まることになります。

モルモットは、ラットと同じぐらいの大きさですが、動きが比較的緩慢で、あまりどう猛ではありません。

しかし頭が良いので、ケージの閉じ具合が甘いと、すき間をこじ開けて逃走します。

朝実験室に行ってみると、ケージがもぬけの殻、ということが何度もありました。

我が家の愛犬アンナが庭から逃亡した顛末は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-273.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>通りです。

いつか見つかるだろうとは思いながらも、いちばん心配なのは交通事故でした。

動物園のシカも、逃げ回るうちに交通事故に遭わなければいいのですが。

心配御無用

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-31.html" target="_blank" title="NHK大河ドラマ">NHK大河ドラマ</a>「軍師官兵衛」は、「龍馬伝」以来の面白さ。毎週日曜日が楽しみです。

やっぱり戦国時代をやれば、ハズレがないですね。主役の岡田准一にも好感が持てます。

キャスティングで言えば、私の好きな竹中直人が登場しているのも、重要です。しかも豊臣秀吉役。

20年近く前の大河ドラマ「秀吉」で、主役を演じた竹中直人が、また同じ秀吉役というのが面白い。

しかも前回と同じ決めゼリフ「心配御無用」まで登場。こういったNHKの遊びは好きですね。

NHKのプロデューサーは「誰がいちばん秀吉に似合うかを考えて竹中さんになりました」と言っています。

しかし似合うも何も、竹中秀吉はNHK自身が植え付けたイメージじゃないですか。我田引水でしょう。

記憶に残る大河ドラマでは、「黄金の日々」での緒形拳の、鬼気迫る秀吉が印象的でした。

面白いことには緒形拳は、ずいぶん昔の「太閤記」の主役の秀吉役に抜擢され、ドラマデビューしています。

秀吉を2度演じた俳優というなら、仲村トオルもそうでした。「信長」と「琉球の風」の連続2作品です。

ただしこれはお遊び。琉球の風のプロローグで登場する秀吉に、信長の仲村トオルを使っただけです。

今後の秀吉役として、私のイチオシはやっぱり香川照之でしょう。

すでに「利家とまつ」で秀吉をやってますが、これは脇役。いつか主役で2度目が来ますね(希望)。