70歳からの医療費

70歳から74歳の方の医療費の、窓口負担の特例措置が終了し、4月から本来の2割負担になります。

3月31日の時点ですでに70歳であれば、この制度は適用されず、来年度も1割負担のままです。

4月1日以降に70歳になる人だけが、この制度の対象となり、負担増となります。

不公平だという声もあるでしょうが、新たな制度導入に際しては、得てして不公平を伴うものです。

では、4月1日にちょうど70歳になってしまう不運な人は誰かと言えば、それは、4月2日生まれの人です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-136.html" target="_blank" title="これまで何度も書いてきた">これまで何度も書いてきた</a>ように、民法の規定では、年齢が繰り上がるのは誕生日の前日だからです。

現に、厚労省の広報ポスターには「平成26年4月2日以降に70歳の誕生日を迎える方へ」と書かれています。

このような理屈があるために、各人の医療費が2割負担となる時期も、ややこしくなっています。

厚労省によれば「70歳の誕生日の翌月の診療から2割になります」と規定されています。

しかし「ただし、各月1日が誕生日の方はその月」という但し書きが付いています。

もちろんこれは、1日が誕生日の場合、その前月末に70歳になっているというのが、その理由です。

この年齢解釈は、予防接種の対象かどうかを判断する際にも問題となってきたことを、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-783.html" target="_blank" title="前にも書きました">前にも書きました</a>。

厚労省はついに今月「定期の予防接種における対象者の解釈について」という、通知を出しました。

これによれば、「1歳以上が接種可能」とは、1歳の誕生日の前日から接種できる、と解釈されます。

その一方で、「1歳未満が接種可能」ならば、1歳の誕生日の前日まで接種できる、と解釈するそうです。

前者は日付単位で解釈し、後者は加齢する瞬間(午後24時)を基準に考えたから、こうなったのです。

「以上」と「未満」が同じ日を含むなど、数学的にはまったく矛盾した解釈です。

でもそのおかげでMRワクチンは、1歳の誕生日の前日から、2歳の誕生日の前日まで接種可能となりました。

星新一賞受賞作

ちょっと目を離した隙に、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-828.html" target="_blank" title="第1回 日経 星新一賞">第1回 日経 星新一賞</a>」の受賞者が決定していたようです。

「星新一賞グランプリ決定」の文字を日経電子版で見つけ、愕然としました。

つまり、私は受賞しなかったということです。

私の応募作も、そこそこ面白く書いたつもりですが、大賞に選ばれるほどの自信はありませんでした。

グランプリに選ばれたのは、「『恐怖の谷』から『恍惚の峰へ』〜その政策的応用」(遠藤慎一著)

さっそく読んでみましたが、まあ、びっくりです。何よりも、そのスタイルに驚きました。

だって、科学論文の体裁で書かれているからです。こりゃまいった。

たしかに、主催者が求めるところの「理系文学」を追求すれば、こういうカタチもありなのでしょう。

この作品は、「題名」「著者名」「概要」「キーワード」「本文」「参考文献」から構成されています。

本文は、「はじめに」「方法」「結果」「考察」「謝辞」から成り、「図表」が数カ所挿入されています。

どう見ても普通の論文なので、このような文章を読み慣れていない人には、取っつきにくいでしょう。

しかし実際に読んでみると、これがなかなか読みやすい。

では書く方はどうなんだろうかと考えたとき、研究者にとっては、いちばん書き慣れた文体かもしれません。

おまけに、研究テーマや方法や結果から考察まで、すべて創作、書き放題なんて、極楽みたいな論文です。

論文の一部を創作したら「捏造」ですが、全部創作なら「文学」なんですね。

通販の消費税問題

消費税増税を前に、備品や消耗品をあれこれ購入してますが、期限が迫ってくると、どうしても焦りますね。

本当に今買う必要があるのか、そのことを冷静に吟味する余裕を失ってしまいます。

そもそも買う必要があるのか、そのことは考えないようにしています。

通販でいえば、私がふだんよく利用するのは、Amazon、AppleStore、Askulの「3A」です。

Amazonなど多くの通販では、注文日ではなく、出荷日を基準にして、消費税率が決まります。

なので早めに注文しておこうと、最近いちばんバタバタと発注したのは、Amazonです。

AppleStoreはしかし、3月中の発注はすべて(出荷が4月であっても)、値段は変わらないそうです。

経理上どのようにしているんだろうと、ちょっと疑問は感じますが、サイトに詳しい説明はありません。

そのAppleのカラクリは、Askulのサイトの詳細な説明を読んで、理解できました。

Askulも、3月発注の商品が4月出荷となっても税込価格は注文時と同じにする、と明言しています。

そのために、4月出荷分は税抜価格を下げて、税率が変わっても税込価格が変わらないようにするようです。

つまり、消費税増税分を実質的に値引するわけです。

ここで、待てよ、です。

これは「消費税転嫁対策特別措置法」で禁じられている「消費税還元セール」に該当するのではなかろうか。

いや、Askulのサイトのどこにも、価格改定と消費税との関連が明言されているわけではありません。

ただ、3月発注で4月出荷の商品に限り、ともかく税抜価格が一時的に改定されるのです。

「結局、増税分の値引きなんですね」なんてことは言いっこナシです。まったく偶然の価格変更なのです。

接種間隔の改正

熊本市保健所(感染症対策課)が主催する「予防接種説明会」に行ってきました。

予防接種制度には、4月からいくつかの変更がありますが、今日はまず、ワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-749.html" target="_blank" title="接種間隔">接種間隔</a>について。

以前にも書いたように、あまり意味の無い接種期間の上限が、ようやく撤廃されることになりました。

これによって、接種間隔の超過によって接種機会を失うことを、防ぐことができます。

接種間隔のような細かい規則を定めているのは、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-415.html" target="_blank" title="予防接種実施規則">予防接種実施規則</a>」という厚生労働省令です。

この省令が今回「予防接種実施規則の一部を改正する省令」によって、細かく改められました。

たとえば日本脳炎ワクチンの初回接種について、現行の「予防接種実施規則」の第十四条では、

「六日から二十八日までの間隔をおいて二回皮下に注射する」となっています。これに対する改正省令は、

「第十四条第一項中『から二十八日まで』を『以上』にあらため(以下略)」と記述されています。

改正法令では、変えた部分だけを記載しているものだから、条文をよく見比べなければ意味がわかりません。

「『六日から二十八日まで』を『六日以上』にあらため」と記述した方が親切ですが、そうなっていません。

なぜなら、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-545.html" target="_blank" title="法律文">法律文</a>にわかりやすさは無用であり、求められるのは「正確で必要最小限の」記述だからです。

なので、改正法令を読むとき、パズルを解くような面白さもあります。もちろん皮肉です。

ところで「接種間隔」で言うなら、異なるワクチンどうしの接種間隔についての問題も存在します。

「不活化ワクチン接種後には6日間、生ワクチン後には27日間の間隔をあける」という規則です。

実はこれ、日本独自のルールです。医学的根拠は、ほぼ、ありません。改正されるという話も出ていません。

このことについては、また別の機会にじっくり書いてみます。

NHKの娯楽番組

一昨日の衆院総務委員会において、日本維新の会の中田宏氏が、NHKの番組を「低俗」と断じました。

賛否両論というか、むしろ批判が集まっている中田氏の発言について、順番にたどってみましょう。

「NHKの番組が(中略)低俗になっていないか。(中略)もちろん、私が高尚な人間ではございません」

まずゎ「つかみ」です。場内の笑いをとることには成功しています。

「本当に民放を見てるとあまりにもくだらないなと思う機会が増えすぎております」

前段階として、まず民放をこき下ろし、次にNHKの攻撃に移ります。日本語が少し変です。

「これNHKがやる意味があるのかと思うような番組が、中には並んでおります」

中田氏がやり玉に挙げたのは、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「7人のコント侍」の3番組。

「何人か聞いてみると、いやぁNHKがわざわざやるような番組じゃないですよねと(中略)返ってきました」

NHKがやる意味があるのかどうか、この重要問題については、「何人かに聞いて」調査されたようです。

「NHKがやるべきことというのは(中略)民間がやらないことをしっかりとやってもらうこと」

私は、前述の3番組も含め、民放がやりそうにない少し実験的な娯楽番組を、NHKは作ってきたと思います。

「(NHKは)公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するよう、最大の努力をすること」

娯楽番組が公衆の要望を満たすのかと、中田氏は繰り返しお尋ねですが、それなりに満たすんじゃないの?

「ドタバタな番組は、民放でやってもらえば十分だと多くの視聴者は思います」

何を根拠に? まさか「何人かに聞いて」調べたのでしょうか。聞くに堪えない質疑になってきました。

中田氏って、ちゃんとした根拠やデータを元に、まともなコトを言う人だと私は思ってたのですが。

質疑の中盤で中田氏は、韓流ドラマについて難癖をつけます。その薄っぺらい話にムカつきます。

後半は、パラリンピック報道について、ちょっといい話をしますが、もはや後の祭りです。

可処分時間

スマートデバイスが「可処分時間」を根こそぎ奪うと、今朝の日経の記事が警鐘を鳴らしていました。

可処分時間とは、1日24時間のうち、自分の自由になる時間のこと。

睡眠や食事や入浴や、通勤や仕事や家事の時間などを差し引いた、まさに「自分の時間」のことです。

スマートデバイスに限らず、文明の利器は、人間の時間をどんどん奪ってきたと言えるかもしれません。

「テレビ」

多くの情報が、能動的に求めるものではなく、受動的に与えられるものに変わりました。

圧倒的に大量で、ときに偏った情報が、1日のうちの長時間にわたり、人の周りを取り囲んでいます。

「ケータイ」

24時間、いつでも連絡がとれるようになりました。

24時間、いつでも連絡がとれてしまい、居留守ができないどころか、着信すれば即応が求められます。

「デジカメ」

いつでもすぐに撮影でき、フィルムを消費せず、現像作業も必要なく、加工や保存が簡単になりました。

なにか見つけると、それを記録するために撮影です。何もせず、ただ眺めるということが減りました。

「iPod」

音楽を聴くための特別な装置や環境や態勢が不要となり、好きな曲がいつでも聴けるようになりました。

いまの若者の耳には、四六時中音楽が鳴り響き、はたしてそれで考え事ができるのだろうかと心配です。

「スマホ」

いつでもどこでも、すぐにインターネットにアクセスできるようになりました。

ふと思いついた疑問を放置することが不可能になり、検索地獄に陥っている人もいます。私です。

泗水図書館

中国歴史ドラマ「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-261.html" target="_blank" title="孔子">孔子</a>」の放送が、来月から始まります。

前回の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-563.html" target="_blank" title="項羽と劉邦">項羽と劉邦</a>」で描かれた時代や、三国志の時代ならともかく、孔子の時代は勉強不足が否めません。

ドラマを楽しめるよう予習せねばなりますまい。「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや」です。

思えば14年前、熊本に転居してきたとき、不思議に思ったのは「泗水」と「合志(こうし)」の地名でした。

地図を見ると「泗水孔子公園」なんてものまである。中国泗水県といえば、孔子の生誕地です。

熊本と孔子の関連性など、それまでに聞いたことがありませんでした。いったい、どういうことなのか。

その日以来14年間温めておいた(ほったらかしにしていた)この疑問を、ついに解くべき時が来ました。

まずは、孔子公園のある「泗水」の調査開始です。

このような重要な調べものを、ネット検索だけで済ませるわけにはいきません。現地調査が必要です。

そこで今日は、泗水に赴き、泗水孔子公園を見学し、さらに泗水図書館で「泗水町史」を借りてきました。

「泗水町史」は、泗水町が9年前に菊池市と合併するより数年前に、泗水町教育委員会が発行したものです。

そこには、明治22年の「町村制」施行時の村名選定のいきさつが、以下のように記載されていました。

「第一代村長西佐一郎氏は、合志を孔子とみたて、孔子の生まれた山東省曲阜、泗水の地名をとった」

「合志川の四支流が合流する肥沃な地の意から四川、四水となり、最後に中国の水郷にちなんで泗水に落着」

西氏は孔子を敬慕していたそうですが、少なくとも、泗水町と孔子との直接的な関連はないと判明しました。

なお泗水図書館を利用できるのは、菊池市に住居か職場があるか、合志市、大津町、菊陽町の住民だけです。

菊陽町に住んでてよかった。

バチカン図書館

ローマ法王庁の「バチカン図書館」が、所蔵する歴史的文書をデジタル化する計画と報じられました。

古い文書が劣化して読めなくなる前に、デジタル化しておこうと考えるのは当然です。

しかもそれを、ネットで閲覧可能にするそうです。

このニュースの趣旨は、デジタル化作業を受託したのが、日本の「NTTデータ」であるということでした。

しかしそれよりも、バチカン図書館と聞いて私が思い出したのは、映画「天使と悪魔」です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-502.html" target="_blank" title="以前にも書いた">以前にも書いた</a>、あの「コンクラーベ映画」です。

映画で描かれていたバチカン図書館は、警戒厳重で、館内の温度・湿度や酸素濃度まで管理されていました。

しかし実際にはそれどころか、核爆発にも耐えられるような造りに、最近改修されたばかりのようです。

そのバチカン図書館を、自民党の甘利明氏が、2年前の大型連休中に視察したそうです。

当時の甘利氏の「国会リポート」には、バチカンから文書デジタル化の相談を受けたと、書かれています。

今回のNTTデータの受注決定に、甘利氏の力が関係していたのかどうか、それはわかりません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-794.html" target="_blank" title="舌がん">舌がん</a>を手術して復帰したばかりの甘利氏ですが、その風貌だけでなく、HPに書いた文章も憎めません。

1月27日の文末は、「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言うと「また舌を噛んで入院しそう」との自虐ネタでした。

大阪市長選挙

大阪市長選は、橋下徹氏が再選されました。しかし投票率は、過去最低の23.59%でした。

「大阪都構想」の実現を目指す橋下氏が、民意を問うため突然辞職し、出直し選挙に踏み切ったのが1月。

これに対抗する自・民・公・共は、候補者を立てないことで、選挙戦を盛り上げさせない戦略でした。

たしかに投票率は、反対勢力が目論んだ通りの、盛り上がらない選挙戦を裏付けるものでした。

しかし本来反対勢力は、対抗馬を擁立し、選挙で橋下氏を破ることこそが、正しい戦い方であるはずです。

それが出来なかったのに、偉そうなことを言うことはできません。

今回、橋下氏以外に候補者が立たなかったら、無投票当選となっていたところです。

それを阻止したのは、橋下氏以外の3名の立候補者であり、自・民・公・共はただ、見ていただけなのです。

この候補者がいたからこそ、選挙が行われ、低い投票率を引き出すことができたわけです。

その意味では、低調な選挙戦を成立させたマック赤坂氏ら3名は、功労者とも言えるでしょう。

マック赤坂氏には、18,618票が集まりました。橋下氏の約20分の1の得票であり、けっこうな数です。

先月の東京都知事選でも彼は、15,070票を得ています。何が目的か知りませんが、なかなかやるものです。

絶対負けるとわかっている対抗馬しか出ていない今回の選挙など、有権者からすれば無駄な選挙でした。

しかしその責任は橋下氏にあるのではなく、立候補者を準備できなかった反対勢力の方だと私は思います。

サイトの安全性

ネット通販のサイトなどでは、ログインIDとパスワードの入力が要求されますが、本人確認はその程度。

それと比べると、さすがに銀行のセキュリティーは別格です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-451.html" target="_blank" title="インターネットバンキング">インターネットバンキング</a>では、パスワードや確認番号等の入力を、何度も要求されます。かなり煩雑です。

入力を間違えると、当然エラーが出ますが、この瞬間に銀行では、ハッキングを疑い始めているでしょう。

2度連続でパスワード入力を間違えると、えらいことになりそうで、再入力するときは緊張します。

正しく入力したはずなのに、エラーメッセージが出て、何度もやり直しを要求される場合があるそうです。

この場合、コンピューターウイルスによって不正サイトに誘導されていることに、気づく必要があります。

たとえ正しいサイトであっても、それが不正に改ざんされている可能性もあるので、油断できません。

大手企業のホームページが改ざんされ、閲覧するだけでウイルスに感染するような事件も、頻発しています。

昨年は、トヨタ自動車や日本赤十字社などの有力サイトの事例が、問題になりました。

他人事ではありません。私が運営しているサイトは大丈夫なのでしょうか。

当院のホームページを閲覧したりブログを読んだ方が、ウイルスに感染するなんてことはないのでしょうか。

医療機関がウイルスをばら撒いていたのでは、シャレにもなりません。