「水ぼうそう定期接種に」 今朝の読売新聞が、一面トップで報じました。
寝耳に水でしたが、どうやら<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-626.html" target="_blank" title="水痘">水痘</a>と成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化が決まったのは、本当のようです。
ただしその記事を、読売がこれほど大々的に扱った理由は不明です。ま、いいですけど。
現在、定期接種化が検討されているワクチンは、水痘、おたふく、成人用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンの4つ。
実現が先行き不透明だったところ、ここに来て唐突に、2ワクチンの先行定期接種化が決まったのです。
水痘は、死亡率の低い感染症です。しかし日本では毎年100万人が罹患するので、20名ほどの死者が出ます。
一方、すでに水痘ワクチンの定期接種を導入している「先進国」では、罹患者も死亡数も激減しています。
水痘ワクチンは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="副作用">副作用</a>も少なく、導入を躊躇する理由などありません。
皮肉なことに、現在世界中で使われている水痘ワクチンは、日本で1970年代に開発された「岡株」です。
「岡」という姓の患児から分離されたウイルスを元に、阪大微研の高橋理明博士がワクチン化しました。
いまならそのような名称は使いにくいですが、当時は個人情報保護をうるさく言う時代ではなかったのです。
岡株は80年代から海外で幅広く使われるようになり、90年代以降には欧米諸国で定期接種化が進みました。
一方日本は、自国が開発したワクチンを、自国民への定期接種として導入するのに、40年かかったわけです。
高橋博士は、定期接種化の決定を聞かれたでしょうか。それと引き替えるかのように先週亡くなられました。