アデノウイルスや溶連菌による咽頭炎や扁桃炎の患者さんが、最近多いです。
その医学的考察は後回しにさせていただいて、今日は「扁桃」について考えてみました。
のどの奥の、のどちんこの両側に張り出した組織を「口蓋扁桃」といいます。いわゆる「扁桃腺」です。
その名の由来は、アーモンドの種子に似ていることだそうです。アーモンドの和名が「扁桃」なのです。
でも、どう見ても、日頃食べる流線型のアーモンドには似ていません。そのことが長年の私の疑問でした。
どちらかと言えば、梅干しの種子の方が、よっぽど似ています。
急に気になって調べてみると、我々が口にしているアーモンドは、その種子そのものではありませんでした。
種子の殻の内部の軟らかい中身、すなわち「仁」の部分のみを、アーモンドと称して食べているようです。
仁ではなく、アーモンドの種子全体の写真を探して見てみると、なんと、肥大した口蓋扁桃にそっくり。
アーモンドに近い植物の杏(あんず)の種子もまた、口蓋扁桃によく似ています。梅干しのタネも同様です。
そして杏の仁(杏仁)も、梅干しのタネの仁(天神様)も、どちらもアーモンド(の仁)にそっくりです。
これらに共通するのは形だけではありません。新鮮な状態では、青酸配糖体を含むので毒性があるそうです。
ところで、アーモンドと聞いて私が連想するのは、ヤマザキの菓子パン「アーモンドスペシャル」です。
マーガリンたっぷりで、塩味が利いてて、大好きですが健康には悪そうです。ある意味、毒性があります。