消防検査

福岡の整形外科医院の火災事故を受けて、熊本市消防局による医療機関への立ち入り検査が始まりました。

当院は無床診療所なので、避難誘導経路等も単純なものですが、防火の備えは大事です。

さいわい、院内で火気を使用する場所はなく、屋外にガス給湯器があるのみです。

しかし、電気製品や配線回りからの出火の可能性等は、考慮しておかなければなりません。

今回の立ち入り検査も、コンセント周辺のチェックなどが、主な目的のひとつだったようです。

約束の日時に、制服姿の消防署員(消防士?)が二人やって来ました。一人は女性でした。

そのときハッと思い出したのです。院長室を片付けていなかった、と。

おりしもその日は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-764.html" target="_blank" title="出勤中に自転車で転び">出勤中に自転車で転び</a>、やっとの思いで職場にたどり着き、服は脱ぎ散らかしてました。

もともとあまり片付いていない院長室ですが、その日に限って、過去最大級の乱れ具合だったのです。

そのことを知ってか知らずか女性消防士は、当院の図面を見ながら「まず院長室から見せて下さい」と。

これがマーフィーの法則なのでしょう。物事というのは、こういう巡り合わせになるのです。

院長室のドアを開けると、そこには目を覆いたくなるような惨状がありました。

さすがに消防士も「タコ足配線には十分ご注意下さい」と言うのがやっとでした。

それに対して私は「今朝自転車で転んだものですから」と意味不明の返答をしたのでした。

TV録画と著作権

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-62.html" target="_blank" title="HDDレコーダー">HDDレコーダー</a>は、気軽にTV番組を録画できるので便利ですが、うっかりしているとすぐ満杯になります。

さいわい最近は、外付けHDDをUSB接続して、録画容量をどんどん拡張できる機種が増えました。

おまけにパソコン用のHDD装置が使えるので、価格がすごく安くていいですね。

わが家のリビングのテレビも、内臓の1TBでは足りず、2TBの外付けHDDを2台、接続しています。

合計5TBの容量があると、計算上は約500時間ほどの録画が可能です。が、それもやがて満杯になります。

新たに番組を録画するためには、録画済番組の一部を断捨離して、スペースを作らなければなりません。

そんなある日のこと。テレビが故障しました。もう何度目かの故障ですが、今回はかなり重症。

メーカーに送って修理した結果、メイン基盤の交換となり、内臓HDDの初期化を余儀なくされました。

まあそれは、覚悟してましたが、ところがなんと、外付けHDDまで初期化しなければならなくなったのです。

著作権保護のため、テレビと外付けHDDはヒモ付けされてしまいます。

そのHDDに録画された内容は、元のテレビでしか再生することができない仕組みです。

悲しいかな、メイン基盤を交換したテレビはすでに、元のテレビにあらず。

そういうわけで、数百時間に及ぶいつか観るかもしれない映画やドラマは、強制的に断捨離と相成りました。

どうにかなりませんかね、この著作権管理システムは。

X線CT検査

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-764.html" target="_blank" title="一昨日のこと">一昨日のこと</a>があったので本日、念のため、頭部X線CT検査を受けました。頭の断面を撮影する検査です。

この数年、何度かMRI検査を受けたことはありますが、CTは久しぶり。正味の検査時間は3,4分程度でした。

それにしても、CT装置はどんどん進歩しています。

研修医の頃、当直のバイト先の病院で、ときどきCT検査をしていましたが、撮影に1時間かかりました。

当時のCTは、断層画面を1枚撮るのに何分もかかり、おまけに1度に1断面しか撮れないものでした。

しかしその後、1断面を撮る時間がどんどん速くなり、しかも1度に複数の断面が撮れるようになりました。

いま最新の装置は、1断面を0.275秒、1度に320断面が撮れるという、桁違いの高性能となっています。

これによって、たとえば心臓の精密なCT検査が可能となり、応用が広がっています。

今日私の検査結果は、さいわい「異常なし」でした。

ただしこれは、急性期の病変がなかったというだけであり、今後まだ注意が必要です。

頭蓋骨内のどこかから、ごくわずかに出血があり、それがジワジワと溜まってくる場合があります。

外傷の1カ月後とか、遅い場合は数カ月後とかの、忘れた頃に発症する「慢性硬膜下血腫」という疾患です。

症状は、頭痛や麻痺やボケ症状です。数カ月以内に、私が訳のわからないことを言い出したら要注意です。

ペンライト

口腔内を診察するときには、ペンライトで咽頭部などを照らします。

かつては白熱電球のものを使っていましたが、電池が消耗してすぐ暗くなるので、LEDに変えました。

LEDの白い光にはなかなか慣れませんでしたが、なにしろ明るく、電池がいつまででも持ちます。

たまに白熱電球を使うと、暗くて黄色くて、咽頭部の発赤がひどく強調されて見えるような気がします。

LEDは輝度が高いので、光が目に入らないように注意しなければなりません。

目に入るともっと危険なのがレーザー光です。

ペンライトとして使うことはあり得ませんが、学会などのプレゼンで、ポインターとしてよく使われます。

レーザーポインタが普及し始めの頃は、よくこんな危険なモノが市販されたものだと、驚いたものです。

何年か前に、自宅の室内工事をしてもらったとき、業者の人が使っていたのは、レーザー式の水準器でした。

壁にレーザー光の水平線がビーッと描かれ、こりゃすごいと思いました。

その後どうしても欲しくなって、ハンズマンでレーザー水準器を買いました。安くて小さいヤツですけどね。

スイッチを入れると、壁に水平線や垂直線が、赤く描かれます。感動的です。

ただし、小さな器械から広くレーザーを放つので、その器械本体の水平度の調整がきわめて重要です。

よくある気泡式の小さな水準器が付いていますが、これがアバウトなんです。

なのでアバウトな本体から出たレーザービームにも、いまひとつ信頼が置けません。

もっとちゃんとした器械を買えば良かった。安物を買うと、いつもそこに行き着きます。

自転車で転ぶ

久しぶりに、自転車で転倒しました。

今朝6時20分頃のこと。豊後街道から左折して東部中学校の方に向かう、その交差点が現場です。

通常は、歩道上を左折するのですが、今朝はそのコーナー部分で別の自転車の男性が信号待ち中でした。

やむを得ず、角のガソリンスタンドの敷地内をショートカットしたのですが、それが大間違い。

ガソリンスタンドって、境界線部分になぜか、7,8cm幅ぐらいの深い溝がありますよね。

その溝の上を通るときは、タイヤがはまり込まないように、直交に近い角度で通過するのが原則です。

ところが今朝に限って、浅い角度で通過してしまったのです。それには理由があります。

武蔵塚方面からずっと下り坂で、ペダルを踏まずに快走して来たものだから、減速したくなかったのです。

だからスムーズなカーブを描きながら、ガソリンスタンドの敷地を通り抜けようとしたのです。

溝にタイヤがはまり込んだその瞬間、慣性によって私のカラダだけが、歩道の上に放り出されました。

右の顔面と両手と脇腹と右膝を、全部同時に打撲・擦過しており、ダメージが分散されたのが幸いでした。

とっさに受け身をした両手には、先週ゼビオで買ったばかりの厚手の手袋をしていたのが、また幸いでした。

顔面の擦過傷と腫れは、今後数日間にわたって続くと思われます。さらに明日以降はひどく変色しそうです。

パンダのようになると思いますが、ご了承ください。

HDD完全消去

リース切れで返却(廃棄)する予定の5台のMacに対して、そのデータを消去する作業を順次行っています。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-561.html" target="_blank" title="以前">以前</a>、故障したMacを修理に出すときに、データの機密をどのようにして保持するか悩んだことがあります。

さいわい今回は故障してません。なので消去用ソフトの入ったCD-ROMを使うことができます。

Macの場合どうやら、OS標準のディスクユーティリティが、いちばん簡単で確実のようです。

通常の方法で「HDDの初期化(フォーマット)」を行っても、データは消えないことぐらい知っています。

初期化操作というのは、ファイルの「番地」を消去しているだけだからです。

ファイル復元ソフトを使えば、簡単に復元できるので、初期化しただけでは廃棄できません。

そこで「データをゼロ消去」というオプションがあります。データ部分に“0”を上書きするわけです。

これで十分と思いきや、このような規則的データの上書きでは、残留磁気からデータが復元できるそうです。

それならば「7回消去」とか「35回消去」というオプションがあります。しつこく上書きするわけです。

まあ7回で十分だろうと考えて、今回は7回消去を選択。完了まで5時間もかかりました。

35回消去の方を選ばなくてよかった。

今回行った7回消去法は「DoD 5220.22-M仕様」といって、固定値と乱数とで交互に上書きするようです。

米国防総省(DoD)の消去基準に合致しているそうですが、NSAだけは復元できる仕様だったりして。

予防接種の注射針

インフルエンザの予防接種が、ピークを迎えつつあります。

有用性はわかっていても、注射は痛くてみんな嫌いです。大人は顔をしかめ、小さな子は大泣きします。

その痛みを分析してみると、3段階あると思います。

(1)注射針で皮膚を刺す瞬間の痛み

(2)薬液が体内に注入されるときの痛み

(3)接種後の痛み

一般に注射をするときは、投与経路や薬液の量とその注入スピードなどによって、注射針の太さを選びます。

大量に静脈注射する場合には太い針が必要ですが、たかだか0.5mlのワクチンの皮下注射なら細くても十分。

なので通常予防接種に使っているのは、細くて先端が尖っている注射針です。

問題は「プレフィルドシリンジ」と呼ばれる、「ワクチン充填済み注射器」が増えていることです。

プレフィルドシリンジに装着されている針は、概して太くて先が鈍いのです。とくに輸入モノがひどい。

ヒブワクチンと不活化ポリオワクチンは、ともにフランス製。フランス人は痛みに強いのか鈍感なのか。

細くて尖った針は、皮膚を押さず、細胞のすき間に割り込むような感覚で、サクッと入っていきます。

ところが太くて鈍い針は、皮膚をなかなか貫通せず、しばらく突き続けた後に、ブスッと刺さる感じです。

ちなみに注射が怖いのは(1)を想像するからですが、実際には(2)や(3)の方が痛むかもしれません。

芝エビ問題

阪急阪神ホテルズに始まった「メニュー偽装」問題。妙な広がりを見せてますね。

とくに「芝エビ問題」では、中華料理人と一般市民との認識のギャップが明確になりました。

出崎社長は会見で「誤表示」だったと釈明しましたが、芝エビの件だけは料理担当者に説明をさせました。

その中国料理総料理長の大石氏曰く「中国料理の世界では、芝エビは小エビの総称という認識だ」と。

そんな一般市民が納得しそうにない説明をしたくなかったので、社長は大石氏にしゃべらせたのでしょうか。

会見を見ていて、なんじゃそりゃ、っていうのが私の第一印象。そんな詭弁が通用するのか、と。

ところがその後、あちこちのホテル等の料理担当者が同様の認識であることが、徐々にわかってきました。

どうやら大石氏が説明したことは、中華料理の世界での共通認識だったようです。

この一件を受けて日本中国料理協会は「消費者との認識のズレがあるので改める」と発表しました。

日本中国料理協会って、どうゆう組織なのか調べてみたら、会長はあの陳建一氏じゃないですか。

大石総料理長は、内定していた黄綬褒章の受章を辞退したそうですが、あの会見が原因なら残念な話です。

だって彼は、中華料理人の共通認識を、国民に説明しただけですから。

それだったら、今回黄綬褒章を受章した陳建一氏はどうなりますか。

新ワクチンのジレンマ

子どもの定期予防接種のひとつ「小児用肺炎球菌ワクチン」が、今月から新ワクチンに変わりました。

高齢者では肺炎を引き起こす肺炎球菌ですが、乳幼児では髄膜炎などの重症感染症が問題となります。

肺炎球菌には多くの「型」があり、そのうち7つの型に有効なのが、従来の小児用ワクチン「PCV7」です。

日本では平成22年に発売されて任意接種が始まり、今年4月からは定期接種となりました。

ところが最近、小児の重症肺炎球菌感染症でいちばん多いのは、PCV7に含まれていない型の菌が原因です。

これは当然のことで、7つの型の感染症が減ったので、残りの型の肺炎球菌が目立ってきたというわけです。

そこで、さらに6つの型に有効な抗原を加えて、7+6=13の型に効くようにしたワクチンが「PVC13」です。

11月1日から、PVC13が定期接種に導入されると同時に、PCV7は廃止されました。一斉切り替えです。

接種回数はこれまでと同じで、全部で4回。接種を始めた月齢によっては、接種回数が減ります。

すでに途中までPCV7を接種してきたお子さんは、残りの回数分だけ、PVC13 を接種することになります。

PCV13は、より広範囲の肺炎球菌をカバーできるので、PCV7よりも明らかに優れたワクチンです。

11月からのPCV13の導入がわかっていたら、PCV7なんて接種せずに待ちたいと思った人もいるでしょう。

これが「接種控え」です。接種控えによって、免疫獲得時期が遅れるため、感染のリスクは高まります。

厚労省もメーカーも医療機関も、PCV13の導入計画はおろか、その存在の公表もこれまで控えてきました。

接種控えを防ぐためとは言え、新ワクチンのことを知らせないのが本当に正しいことだったのか。

ワクチンが改良されるとき、いつも同じジレンマを感じます。

映画「JOBS」

邦題は「スティーブ・ジョブズ」。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-141.html" target="_blank" title="ジョブズ没後">ジョブズ没後</a>初の「ジョブズ映画」が、本日から公開されています。

封切り初日、しかも初回上映を観るのがApple信者でしょう。

偶然今日は休日(休診日)。しかも近所の映画館は毎月1日が1000円デー。これは観に行くしかありません。

万全を期して、あらかじめネットで座席予約をしてみると、私を含めてまだ4人しか予約していない状況。

熊本のApple信者って、こんなもの?

ためしに渋谷の映画館の予約状況を見ると、上映時間帯によっては、満席に近い状況でした。むむむ。

(以下、ネタバレだらけです)

まず、サクセスストーリーを期待したら、がっかりします。あと一歩、カタルシスの得られない映画です。

Appleを立ち上げてから追放されるまでの話がほとんどで、Appleに復帰した後の話はごくわずかなのです。

ジョブズ復帰後のAppleの快進撃は皆さんご存じでしょうから、あえて描いてませんよ、ということなのか。

悩める偏執狂としてのジョブズの描写は面白い切り口なのに、ツッコミが甘く、中途半端感は否めません。

でもジョブズでなければ、この十数年間のApple製品群は生み出せなかっただろうと、感じさせる映画です。

あと、昔からのMacファンにとっては、懐かし映像のオンパレードで、十分に堪能できます。