予防接種の注射針

インフルエンザの予防接種が、ピークを迎えつつあります。

有用性はわかっていても、注射は痛くてみんな嫌いです。大人は顔をしかめ、小さな子は大泣きします。

その痛みを分析してみると、3段階あると思います。

(1)注射針で皮膚を刺す瞬間の痛み

(2)薬液が体内に注入されるときの痛み

(3)接種後の痛み

一般に注射をするときは、投与経路や薬液の量とその注入スピードなどによって、注射針の太さを選びます。

大量に静脈注射する場合には太い針が必要ですが、たかだか0.5mlのワクチンの皮下注射なら細くても十分。

なので通常予防接種に使っているのは、細くて先端が尖っている注射針です。

問題は「プレフィルドシリンジ」と呼ばれる、「ワクチン充填済み注射器」が増えていることです。

プレフィルドシリンジに装着されている針は、概して太くて先が鈍いのです。とくに輸入モノがひどい。

ヒブワクチンと不活化ポリオワクチンは、ともにフランス製。フランス人は痛みに強いのか鈍感なのか。

細くて尖った針は、皮膚を押さず、細胞のすき間に割り込むような感覚で、サクッと入っていきます。

ところが太くて鈍い針は、皮膚をなかなか貫通せず、しばらく突き続けた後に、ブスッと刺さる感じです。

ちなみに注射が怖いのは(1)を想像するからですが、実際には(2)や(3)の方が痛むかもしれません。