日赤などの病院に紹介して、重症の患者さんの診療をお願いすることが、しばしばあります。
病院の先生方が大変なのは百も承知ですが、夕方や夜にも受け入れていただき、申し訳なく思います。
勤務医の過酷な労働については、世の中に理解はされつつあるとしても、解消はされていません。
とくに、小児科、産婦人科、救急、外科系の医師たちの状況はひどいものです。
超過勤務が続いたり、少々体調が悪かったとしても、必要な診療活動は可能な限り行わなければなりません。
これは病院での立場上の責任と、医師としての使命感によるものでしょう。
人命をゆだねる職業という意味で、医師とよく比較されるのが、旅客機のパイロットです。
調べてみるとパイロットも、長時間勤務による過労や居眠り操縦などが問題になっているようです。
米連邦航空局(FAA)の規定では、搭乗前に最低9時間、1週間につき連続30時間の休息が必要とのこと。
十分な休息ができていないパイロットが操縦する旅客機に、乗りたい客もいないでしょう。
一方で医者は、どれほど疲れていても診療を求められ、しかし何か起きれば責任を問われます。
単純に、医者を増やせば解決するのかと言えば、そうではありません。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-235.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、医師総数はさほど不足してはいません。診療科による医師の偏在が問題なのです。
忙しい診療科の医者のなり手が少ないという単純な問題が、いつまでたっても、改善されそうにありません。