憲法第96条改正

憲法改正論議がいよいよ活発になってきました。

先行改正が議論されているのは「96条」ですが、もちろん、安倍政権の最終目的は「9条」改正です。

まず、96条で定められている、憲法改正の要件をおさらいしておきましょう。以下の2点です。

(1)各議院の総議員の3分の2以上の賛成で「国会が発議」

(2)国民投票による過半数の賛成によって「国民が承認」

この(1)を「過半数の賛成」に引き下げて、発議しやすくしようというのが改正の要点です。

最終判断は国民が行うのだから、国会審議を厳しくせず、国民の判断を仰ぎやすくしようというわけです。

その理屈はわかります。

しかし私は、現実と乖離している9条の改正には(内容により)賛成ですが、96条改正には反対です。

そもそも、改正の仕組みに手を付けるのは邪道でしょう。9条改正には正攻法で挑むべきです。

たとえ国会発議のハードルを下げたとしても、国民投票を突破するのは、並大抵のことではありません。

おそらく安倍首相には、別の意図があるのです。

96条改正を進める過程で、制度上のあらゆる問題点をあぶり出し、法整備を進めようという狙いでしょう。

つまり96条改正は、9条改正のための、言うなれば「予行演習」なのです。

消費税還元セール

「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」

先月国会に提出された、消費税還元セールを禁止する法律案ですが、まず、名前が長すぎ。

それに、こんなことを法律で禁じてどうしますか。安倍首相には、少々ガッカリしました。

消費者庁の言い分は、つい先日までは、消費税(増税分)還元を連想させる表示はすべて禁止、でした。

ところが今週、関係省庁の統一見解は、「消費税」との文言を含まなければOK、と後退しました。

これで以下のような表示はOKということになりますね。

「3%還元セール」いちばん直感的でわかりやすい。

「値段据え置き」 この表示も一般的になるかも。

文言だけが問題なら、こんな表示だってもちろん合法です。

「増税反対セール」消費税の3文字を入れなければいいのです。

「消費贅還元」  贅肉をそぎ落としましたよ、という意味。

「三肖費税還元」 さんずいではありません。

ほらね、この法律には無理があるんですよ。表現だけを規制して、何の意味があるのでしょう。

ラフロイグ

昨日のブログに対して、ある方から、「ラフロイグかと思った」とのコメントをいただきました。

なるほど、似てる。「ライフログ」と「ラフロイグ」。

ラフロイグは、私の大好きなスコッチ・ウイスキー。その独特の香りのために、好き嫌いが分かれます。

スコッチをあまり(少っちしか)ご存じない方のために、ザッとご説明します。

大麦麦芽を原料とし、一定の基準の下、スコットランドで製造されたウイスキーが、スコッチです。

この地域一帯には「泥炭(ピート)」が堆積しています。

寒冷ゆえに、植物が十分に分解されないことによる、いわば石炭のなりかけ、それがピートです。

麦芽を乾燥させるとき、ピートを焚いて燻煙するため、スコッチにはピートの香りが付きます。

スコットランドの西に浮かぶ「アイラ島」には、8つの蒸留所があります。そのひとつがラフロイグ。

この島のピートは海草を含むので、独特のヨード香があり、ラフロイグからもヨード香が強く薫ってきます。

ちょうどイソジンの匂いです。これがいいのです。

アイラ島で思い出したのですが、鹿児島県に姶良(あいら)市ってありますよね。

当然、焼酎を造っている土地柄でしょう。調べてみたら、芋焼酎「姶良」っていうのを見つけました。

コレは好きになりそうな気がします。

ライフログ

「ライフログ」という言葉を、最近よく耳にします。

日常生活の「ありとあらゆること」を逐一記録すること、あるいはその記録物のことです。

その対象は、見たもの、聞いたこと、話した内容、行動したこと、書いたものまで、人生のすべてです。

さまざまなIT機器等を駆使して、それらを主としてデジタルデータとして保存します。

「理解不能、あり得ない」と思う人もいるでしょうが、私は少し理解できます。

考えてみたらこのブログも、毎日のできごとや考えたことを記録した、ライフログ的な側面があります。

しかしそれにしても、人生のすべてを記録する目的って何なのでしょう。考えてみました。

(1)役立てる

多くの人が、ライフログの目的は、過去の経験を今の生活に役立てることだと考えているようです。

「自分」というフィルターを通して記録したログは、とても活用しやすいそうです。なるほど。

(2)懐かしむ

けっして恥ずかしいことではないでしょう。過去を懐かしんで何が悪い。

でも、たびたび懐かしめば懐かしむほど、そのログはだんだんと懐かしくなくなってしまいます。

(3)後生に残す

膨大なログを残しても、それが誰の目にも触れないのでは、もったいない。

でも、誰かに見られるのは恥ずかしい。

(4)満足する

記録すること自体が目的。「ライフログ原理主義」とでもいいますか。「記録魔」ですな。

私はちょっと、この気がある。

竹の秋

この連休は天気が良かったですね。

自転車でブラブラしてみると、意外な場所に麦畑を発見。麦の穂はまだ緑色で、元気に真上を向いています。

来月には黄金色に色づいて、収穫期を迎えるのでしょう。

一方近所の竹林周辺では、黄色の落ち葉が道路一面に広がっていて、自転車がスリップしそうなぐらいです。

6月が「麦秋」なら、5月は「竹秋」なんだろうか。調べてみたらその通り、「竹の秋」ともいうそうです

竹は常緑樹ですが、葉の寿命は1年。常緑であるためには、てきぱきと葉を「更新」しなければなりません。

新しい葉の準備ができると、丸まって伸びてきて、それが開く直前に、古い葉が色づいて落ちるそうです。

他の木々と同様に、竹も今が「新緑」の季節でありながら、同時に「落葉」の季節でもあるわけです。

そう言えば、クリニックの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-371.html" target="_blank" title="裏に植えている竹">裏に植えている竹</a>も、変な時期に落葉するなぁとは思ってました。

竹の落ち葉は細く、薄く、軽いので、風に飛ばされやすく、建物や塀や段差の隅の溝に集まります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-333.html" target="_blank" title="清掃">清掃</a>は意外と難しい。ちり取りに掃き集めた落ち葉が、風で全部吹き飛ばされたりします。

フタ付きのちり取りが必要ですな。

エクサ級スパコン

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-95.html" target="_blank" title="スーパーコンピュータ">スーパーコンピュータ</a>「京」の計算能力は、すでに世界第3位に後退しています。

文科省は今年度から、巨費を投じて、京の100倍の性能のスパコン開発に乗り出すそうです。

現在世界ランキング1位のスパコンの計算速度は、わずかに京の1.67倍。

それなのに100倍を目指すところに、本気で世界一を狙う意気込みを感じます。民主党とは違いますね。

新スパコンの名前は、まさか「百京」ではあまりにベタですが、それも面白い。

百京=10の18乗=「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-62.html" target="_blank" title="エクサ">エクサ</a>」と表せるので、名称もそのまま「エクサ」になる可能性がありますね。

この際、早めにエクサに決めておくのはどうでしょう。そうしないと、中国が先に登録してしまいそうです。

と思っていたら、その中国は、名前どころか実際に、エクサ級スパコンの開発を進めているようです。

文科省は1000億円を投じると言ってますが、その程度で果たしてこの競争に勝てるのか心配です。

この際、スパコン開発に兆円単位をつぎ込んではどうでしょう。

富士通以外のメーカーにも頑張ってほしいです。複数のグループが開発競争をするのも面白い。

それこそアベノミクスにいう「民間投資を喚起する成長戦略」となりませんかね。

ちまき

「ちまき」の起源には諸説ありますが、こういった場合、私はいちばん古くて面白い説を支持します。

しかも詳細な尾ひれが付いた、見てきたようなストーリーが好きです。

以下、中国古代史に詳しくない(けれども興味はある)人向けの文章となっておりますので、ご了承下さい。

中国史で私がいちばん好きなのは、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-563.html" target="_blank" title="封神演義">封神演義</a>」に描かれた、殷とか周といった、少し怪しげな時代です。

歴史書は、次の時代に前の時代のことを書くので、前王朝最後の王は悪人か無能者として描かれるものです。

殷の「紂王」はその代表格であり、彼を討って周王朝を建てた「武王」は、正義の人ということになります。

その武王の軍師こそが「太公望」であり、彼は軍功によって一国を与えられ、東方に「斉」を建国します。

東の「斉」の他、南に「楚」、北は「晋」、西では「秦」が勢力を拡大し、各地で戦いが繰り広げられます。

周は実力を失って権威のみを有する小国となります。この頃が「春秋時代」。

諸侯はやがて、秦・楚・斉・燕・韓・魏・趙の「戦国七雄」にまとまります。この頃が「戦国時代」。

紀元前なのに、こういった各国の勢力争いの詳細が、実に細かく記録されているのが、中国史の凄いところ。

戦国七雄のうち、西のはずれに位置する秦がどんどん勢力を強め、後に中国を統一するのはご存じの通り。

このとき楚は、秦と同盟するか(親秦派)、斉と同盟して秦に対抗するか(親斉派)で、国内が二分します。

しかし秦の策略によって、楚の王は親秦を選び、罠にはまった楚は弱体化し、結局滅びます。

親斉派のリーダー「屈原」は、この策略を察知していながら楚を救えず、ついに絶望して入水自殺します。

それが5月5日でした。

屈原は、楚の人々の信望を集めていた人物でした。

人々は、彼の遺体が魚に食べられないように、川に米をまきました。遺体よりも、この米を食べなさい、と。

以来毎年、5月5日の命日には、米を竹筒にいれて川に流すようになりました。霊を弔うためです。

ところが後の時代に、屈原の幽霊が出て、こう言ったそうです。

「せっかくの供物だが、いつも先に龍に食べられてしまう。龍が嫌う葉で包んで糸で縛ってほしい」

同窓会再び

昨夜は、大学時代の旧友との同窓会でした。

親しい友人たちとの小規模な会合です。卒業27年後にして<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-210.html" target="_blank" title="昨年発足">昨年発足</a>したばかりです。

昨年の開催地は福岡でしたが、第2回の今年は熊本で開催しました。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-560.html" target="_blank" title="幹事は私">幹事は私</a>。参加者は13名。

前回は「懐かし話」で大盛り上がりでした。なにしろ、卒業後ほとんど会っていなかった連中でしたから。

しかし今回は「1年ぶり」の再会です。懐かしさ不足は否めません。昨年からそのことが気がかりでした。

打開策となったのは、新たな「懐かしメンバー」の参入です。

東京と宮崎から、2人が参加してくれました。これは大きかった。

この2名の存在によって、昨年大爆笑を誘った昔のエピソードで、今年も大いに盛り上がりました。

仲間の中には、そのような「オモシロ話」を、忘れないうちに文章化したらどうかという者がいます。

それは一理ありますが、私は気が進みません。

文字にして残すことによって、「懐かしさ」と「曖昧さ」が失われてしまうような気がするからです。

忘れかけているエピソードだからこそ懐かしく、何度聞いても新鮮な面白さを感じるものです。

話す方も聞く方も記憶が曖昧なものだから、やたらにツッコミが入り、盛り上がれると思うのです。

同窓会を楽しむには、いわゆる「忘却力」が大事です。

同時進行法

私は飽きっぽいのか、何か課題に取り組んでいるときに限って、別のことに興味が移りがちです。

たとえば試験の勉強前に机回りの整頓を始めたら、そのまま片付け作業に没頭してしまう。

あるいは部屋の片付けをしようと一念発起したのに、ふと書棚の本を読み始めたら止まらない。

現実逃避ですね。一番大事なことをしたくないとき、2番目に大事そうなことに逃げるのです。

それなら、有意義な逃避先をいくつかつくっておけばいい。最近、そう気がつきました。

これを「同時進行法」と言うことにしましょう。

例えばデスクワークでいうなら、私の場合は次のようにザックリ大別できます。

(1)ブログ執筆

(2)それ以外

片方ばかりに集中せず(集中できず)、(1)と(2)を行ったり来たりしています。

ブログだけでも、いくつかの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-317.html" target="_blank" title="書きかけ">書きかけ</a>」があり、あっちを修正したり、こっちを膨らませたりしています。

行き詰まったらすぐ、別の作業に逃避する。するとまた新鮮な気分になれるのです。

執筆作業であれば、すべての文章を一つのファイルで管理して、切り替えやすくする。これがミソです。

この「同時進行法」は、すべての飽きっぽい人の仕事に応用できる手法だと思います。

Siriさんの記憶力

iPhoneの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-176.html" target="_blank" title="Siriさん">Siriさん</a>」は、利用者の発言内容を2年間覚えているそうです。秘書としてはかなり優秀です。

そんなSiriさんの記憶力を疑うわけではないですが、確認してみました。

私「8時に起こして」

シ(Siriさん、以下同じ)「午前8時にアラームをセットしました」(変なイントネーションで、以下同じ)

私「やっぱり9時」

シ「午前9時にアラームをセットしました」

連続した命令の場合、前の内容を覚えているようです。では、途中でSiriさんを終了した場合はどうか。

私「8時に起こして」

シ「午前8時にアラームをセットしました」

(ここでいったんホーム画面に戻り、またSiriさんを起動)

私「やっぱり9時」

シ「 ”やっぱり9時” が理解できません。でも、Webで検索できますよ」

そんなもの検索してどうしますか。どうやらSiriさん、いったん終了すると、別の人に変わるようです。

Appleのコールセンターには、同じ声のおおぜいのSiriさんたちがいるのでしょう。

2年間覚えているというのは、Siriさんたち全体として、私の命令を覚えているという意味なのです、きっと。

実際には、Siri利用者の音声データは暗号化され、6カ月間保存されるそうです。

さらにその後、利用者とのヒモ付けが切られ、単なる音声クリップとして、18カ月間保存されるとのこと。

何かの目的あってのことでしょうが、記憶媒体がだいぶ必要ですね。