「日田の思い出」第2弾。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-598.html" target="_blank" title="昨日も書いた">昨日も書いた</a>、日田の某救急病院の当直での話。
ある日曜日の昼、救急隊から救急車受け入れ要請の電話がありました。どうやら感電事故のようです。
この場合、心室細動という、致命的な不整脈に陥っている可能性があります。
もしそうなら、ただちに「電気的除細動」を行い、加えてさまざまな蘇生処置を施さなければなりません。
ところが困ったことには、その病院には、除細動を行うための装置(除細動器)がありませんでした。
これでは、救急車を受け入れたところで、肝心の救命処置ができません。
除細動器を備えた、ほかの病院を当たってもらうしかありません。
まさにこれこそが、救急車の「受け入れ困難」というべき状況です。受け入れたくても無理なのです。
なのにマスコミはこれを「受け入れ拒否」と呼ぶのです。
そして、このような対応が2,3病院続くと、「たらい回し」と言うわけです。
市内には規模の大きなS病院がありました。そこへ搬送するようにと、救急隊に伝えました。
すると1,2分後、また連絡あり。S病院の当直医は研修医なので、対応ができないとのこと。
この場合もまた、「受け入れ拒否」というよりは「受け入れ困難」と言うべきでしょう。
かくして私は、2台の救急車を同時に受け入れる羽目になりました。
1台目は、感電事故の患者さんを乗せた救急車。
2台目は、S病院から除細動器を運んできた救急車(ベッド上にうやうやしく除細動器が乗っていた)。