風疹大流行

風疹が大流行しています。

最大の問題は、免疫のない妊婦が風疹に感染することによる、先天性風疹症候群(CRS)の発生です。

CRSは、心臓病や難聴、白内障など、生まれてくる赤ちゃんに重大な障害を引き起こします。

私自身も、CRSによる心臓病のお子さんの手術に携わったことがあります。

心臓病や難聴は別の要因でも発症しますが、少なくともCRSは、防げる病気です。

妊娠の前に風疹ウイルスの抗体価を検査し、それが陰性ならワクチンを接種する。それだけで防げるのです。

いま妊娠していて、しかも検査で風疹抗体価が陰性と判明した方は、この流行で気が気ではないでしょう。

妊娠中にはもはや、ワクチンを接種できないのです。

周囲の家族らがワクチンを接種して、少しでも妊婦さんが感染するリスクを減らさなければなりません。

そもそも、妊娠時に風疹抗体価の検査をするのでは遅すぎます。妊娠前に検査しなければ、間に合いません。

いつ妊娠するかわからないなら、結婚時、いやそれよりも前に、ワクチン接種なり検査なりをすべきです。

風疹が流行している現状では、妊娠を希望する女性は、検査よりもまず接種でしょう。

じゃあ、いつするのか。今でしょう。

とか言いましたが、風疹ワクチンは、現在全国的に品薄です。8月ぐらいまでは入手困難という話です。

さいわい、麻疹風疹混合(MR)ワクチンで代用できるので、ご希望の方はMRワクチンを接種しましょう。

でも「風疹ワクチンを接種しましょう」と言っておきながら、ワクチンが無いって、どこか間違ってますね。

百人一首

私にとっての百人一首は、カルタの一種でも古典でもなく「なんとなく覚えているフレーズ集」です。

高校の時、古文の宿題で、百首の読みと意味と歌人の名前を全部、暗記させられました。

こどもの記憶力を高める訓練法としても、小倉百人一首の暗唱はよく勧められているようです。

暗唱しやすいフレーズと、挑戦しがいのある、ちょうどいい分量なのでしょう。

文字数でいえば「五・七・五・七・七」の三十一文字かける百で、約3,100文字です。

「約」と書いたのは、一部の歌には字余りがあるからです。

厳密な文字数を数えようと思い、字余りの歌を調べてみると、これが思いのほか奥が深い、面白い。

字余りの句にはたいてい「単独母音」が含まれていて、それによって母音が連続しているようです。

たとえば小野小町の歌でいうと、「花の色は移りにけりないたづらに」の「色」の「い」が単独母音です。

古い日本語では、母音が重なると、発音するときには一方が脱落しやすいらしいです。

なので「はなのいろは」は「はなにろは」と発音したのかもしれません(想像)。

文字に書くと字余りの句でも、実際には「音余り」にはなっていなかったのかもしれません。

こういうのって、もっと掘り下げて勉強したら面白そうですね。

朝食抜き

「ときどき朝食を摂る人は、毎日食べる人よりも、また毎日朝食を抜く人よりも、メタボになりやすい」

ちょっとショッキングな研究成果が、新聞に出ていました。

いちばん危険なのは、朝食を「週2日」食べることだそうです。

不規則な朝食では空腹時間の長さが乱れ、体が内臓脂肪をため込むのではないか、とも考えられています。

私の朝食は、毎日ほぼ例外なく、伊藤園の「1日分の野菜」とコーヒー2杯(自宅と職場)です。

昼は、「ソイジョイ」1本とコーヒー2杯だけです。

それなのに、なぜ痩せないのか。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-413.html" target="_blank" title="かつてダイエットに成功したとき">かつてダイエットに成功したとき</a>と比べて、何が違うのか。

ハタと気付きました。

火曜と金曜の休診日だけは、昼食をたんまりと食べてました。これって、危険な「週2日」じゃないですか。

朝食内容はきわめて安定しているのですが、昼食の摂り方が不規則で、問題だったようです。

私の場合、不規則に昼食を摂ることにより空腹時間の長さが乱れ、体が内臓脂肪をため込んでいたわけです。

あと、運動不足もあるけど。

月齢と接種回数

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-542.html" target="_blank" title="ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン">ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン</a>には、接種回数に起因する問題点があると、私は常々思っています。

いずれも生後2カ月から接種を開始するのが標準で、乳児期に3回と1歳で1回の、計4回接種します。

しかし、生後7カ月を過ぎて接種を始めた場合、接種回数が1回減り、計3回となります。これが問題。

ヒブも肺炎球菌(病原性の強いタイプ)も、細菌性髄膜炎など小児の重症感染症を引き起こす細菌です。

髄膜炎などの発症は、母親からの移行免疫が消える生後4カ月以降から、どんどん増えてきます。

生後7カ月から接種回数を減らす理由は、それまでにある程度「自然免疫」が付くだろうと考えるからです。

自然免疫というと聞こえはいいですが、つまり、ヒブや肺炎球菌に「自然感染」してしまうということです。

この自然感染で、髄膜炎を発症しなかったとすれば、それは単にラッキーだったと思わなければなりません。

自然感染をする前までに、免疫をつけておくことこそ、乳児期の予防接種の本来の目的です。

それなのに「生後7カ月まで待ったら、接種回数を減らせる」という考えの方に遭遇することがあります。

同様に、1歳になるとさらに接種回数が減るので、誕生日まで待って接種する方もいらっしゃいます。

どうやらワクチンというものは、少し待ってでも、接種回数をなるべく減らしたいようです。

有料接種なら「規定の接種回数が減るまで待つ」という考えも理解はできますが、無料なのになぜ待つのか。

そこには、予防接種のマイナス面(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="副反応">副反応</a>)への不安や懸念があるからでしょう。

どの月齢で接種を始めても回数が変わらないのなら、開始を遅らせるという発想は起きなかったでしょう。

つまり、接種開始月齢によって回数が変えてあることが、接種を遅らせている大きな要因だと思うのです。

未来の車

「未来の乗り物」の中でも、実現性が高まってきているのが「自動運転車」でしょう。

世界中の自動車メーカーなどが開発に力を入れているようで、新聞等での特集記事も、最近よく目にします。

特筆すべきは、自動車なのに、Googleがその技術開発をリードしていることです。

Googleは、「検索」「地図」に飽き足らず、「移動」までを提供しようという魂胆なのです。

しかしGoogleが作ろうとしている車は、あくまで移動手段であって、運転して楽しむモノではありません。

便利かもしれないけど、「ドライブフィール」を失った、ひどくつまらないモノになりそうな気もします。

では、すべての車が全自動運転となったときの、未来の世界を想像してみましょう。

車はすべて、あらかじめ指示した行き先に向かって、距離的かつ時間的な最短経路を、粛々と走ります。

遠隔操作が可能で、無人走行もできます。外出先から、スマホを使ってハイヤーのように呼び出せます。

車にはハンドルもブレーキもありません。そもそも運転席がありません。もちろん運転免許は不要です。

法定速度を厳守し、歩行者の挙動や他の車との位置関係を完璧に把握しているので、事故が起きません。

どの車も同じように走るので、走行性能に違いが出ず、車は居住性を競うようになり、大型化します。

車内の備品は異様に充実し、ベッドやキッチン、風呂、トイレも完備。そのまま居住することも可能です。

米国電気電子学会の予測では、2040年までに、一般道を走る自動車の75%が自動運転車になるそうです。

残りの25%は、危険でもいいから、加速感やコーナリングやエキゾーストノートを堪能したい人たちですね。

コアラのマーチ

「コアラのマーチを30分間振り続けると、巨大なチョコボールになる」

昨年から話題になっていたネタらしいですが、私が知ったのは今日の夕刻です。

こんな話を聞くと、どうしてもすぐ試したくなります。さっそくチャリで、買い出しに出かけました。

好奇心旺盛というか、研究熱心というか、こういう時だけはフットワークが軽くなるのです。

「コアラのマーチ」のほかに、「パイの実」と「きのこの山」も購入しました。これも計画のうちです。

帰宅後さっそく、まず「コアラ」を振りました。

腱鞘炎は最近落ち着いていたのですが、念のため、手首に負担をかけないように、ややソフトに振りました。

箱の中身がだんだんと、粉々になっていく様子が、音と振動でわかります。

規定の30分間振ったのですが、まだ粉々な雰囲気です。もう少し続けます。

先ほどまでよりも強めに振り続けたところ、その後20分ぐらいで、中身の質感が変わってきた気がしました。

パッケージを開けた瞬間、そこにはしかし、残念な光景がありました。もちろんちゃんと食べますので。

このような失敗をしないように、これから試される方に助言します。

強くしっかり根気強く振って下さい。中身がゴロゴロした感触になるまでは、途中で開けてはいけません。

腱鞘炎の方は、チャレンジしないことです。現に私はいま、湿布のお世話になっています。

膵臓癌

今晩、お世話になった方のお通夜に参列して参りました。

ご病気は膵臓癌でした。

病状は山あり谷ありでしたが、癌発見から約11カ月を経過できたのは、その「組織型」によるものでした。

「膵管内乳頭粘液性腫瘍」という、膵臓癌のなかでは、どちらかと言えば悪性度の低いものだったからです。

不思議な話で、11カ月前に癌が判明したその日はちょうど、私の恩師が亡くなられた命日でした。

恩師の病気もまた、膵臓癌でした。

それは「浸潤性膵管癌」という、膵臓癌ではいちばん代表的な組織型で、とくに悪性度の高いものでした。

進行していて手術はできず、手術以外のあらゆる治療を行いましたが、5カ月後に亡くなられました。

今日からちょうど1年半前、スティーブ・ジョブズが亡くなりました。

やはり膵臓癌でした。

ジョブズの場合は「膵内分泌腫瘍」という希な組織型で、転移はしやすいものの、進行が遅い癌です。

ありとあらゆる治療を行った8年間、AppleのCEOとして、新製品を世に送り出し続けました。

膵臓癌は、進行するまで症状が出にくく、とても見つかりにくく、しかも治しにくい癌です。

あとで振り返れば、伏線のような微妙な症状はあるのですが、それで癌を疑うかどうか、難しいのです。

早期のうちに見つけるためには、人間ドック等の健診を受けるしかありません。

癌を見つける項目がまったく含まれていない「メタボ健診」だけでは、まったく安心できないのです。

認証連携

次のiPhone5には、生体認証が搭載されるというウワサが、ホントかウソか、また流れてきました。

スライド・アンロックの際の指で認証を行う仕組みの特許を、Appleが取得したことは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-471.html" target="_blank" title="前に書きました">前に書きました</a>。

しかしさすがに技術が間に合わなかったのか、今度搭載されるのは、ホームボタンによる認証だといいます。

iPhoneだけでなく、パソコンやその周辺機器など、生体認証だらけの世の中になるのか。

大丈夫です。「認証連携」という考え方が進みつつあるからです。

ひとつのデバイスで認証を行えば、連携している他のIT機器にも、その認証情報が伝わるという仕組みです。

そうです、ここでいよいよ<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-530.html" target="_blank" title="iWatch">iWatch</a>の出番です。

直接身につけるものなので、最初の認証デバイスとして「うってつけ」かもしれません。

登録したiWatchが近距離にないと、スマホやパソコンにロックがかかる、なんて仕組みになるかもです。

それどころか、車でも住宅でも職場でも、同じ原理で施錠・解錠できるようになると、便利ですね。

「じゃあiWatchが盗まれたらどうするの」ってことになるので、iWatch自体のロックも重要です。

腕から外したらロックされ、再装着した際には何らかの生体認証が必要になる仕組みなんてどうでしょう。

私などは、どこかに座るとすぐ腕時計を外すクセがあるので、たびたび再認証しなければなりませんが。

五郎八

熊本には、有名な高級料理店「五郎八」と、庶民的料理店「五郎八」があります。

同じ「五郎八」でも、前者は「ごろはち」と読み、後者は「いろは」と読みます。面白いですね。

と、書きましたが、これが放送番組などで読まれる原稿となると、アナウンサーも困ってしまうでしょう。

文章中の「五郎八」を、実際のところ何と読んだら良いのか、わからないからです。

放送するためには、原稿を修正しなければなりません。

しかし、たとえ「黙読」する場合であっても、不都合はあります。頭の中では「音読」しているからです。

一般に、文章を読んでいて、難読字句に出くわしたとき、皆さんはどのように対応しているのでしょう。

読めなくても、そのまま先に進むことはできますが、私はどうしても、そこで立ち止まってしまうのです。

頭の中で「音読」できなければ、読み進めない性分なのです。

文章を読む作業は中断して、ネット検索か何かで、読めない字句の「読み」を解明する作業に移ります。

自分がそうなので、このブログも、読者の黙読の流れが止まらないように、注意して書いているつもりです。

最後まで読んでもらえる内容かどうかは、別問題です。

予防接種法改正

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-542.html" target="_blank" title="予防接種法の一部を改正する法律">予防接種法の一部を改正する法律</a>」が一昨日公布され、本日から施行されました。

予防接種法の第二条第二項で、新たに「A類疾病」と規定された疾病を確認してみます。各号は原文のママ。

 一 ジフテリア

 二 百日せき

 三 急性灰白髄炎

 四 麻しん

 五 風しん

 六 日本脳炎

 七 破傷風

 八 結核

 九 H i b 感染症

 十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)

 十一 ヒトパピローマウイルス感染症

今回の改正で最後の3つが追加され、これらに対する予防接種が、新たに「定期の予防接種」となりました。

それにしても、法律の文章って、めんどくさい。

九号は、アルファベットの「H i b」です。「ヒブ」としなかったのには、お役所の論理があるのでしょう。

十号の(  )の中の句点は、一般の日本語文章では間違った用法ですが、法律文では基本的用法です。

十一号は、子宮頸がんの原因となる感染症です。なぜ「H P V感染症」としなかったのかは不明です。

それよりも何よりも、この法律の中で、やたらに目に付くのは、仮名遣いの「改正」です。

第何条の「当たつて」を「当たって」に改めるとか、第何条の「行つて」を「行って」に改めるとか。

促音の「つ」を「っ」に改めることぐらい、いちいち条文に書かずに、黙ってやってほしい。