妊娠の可能性

日頃の診療において、患者さんが女性の場合には、妊娠の有無や授乳の有無を確認しています。

内服薬や注射薬を処方する上で、注意が必要だからです。

最近の風疹の流行を受けて、妊娠を希望する女性のワクチン接種が増えました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-554.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、妊婦の風疹感染は絶対に防がなければならないので、ワクチン接種はとても重要です。

第一に妊婦を希望する女性、さらにその周囲の家族も同様に接種を受けて、全員で風疹を予防すべきです。

問題は、もう何度も繰り返して言いますが、妊娠中には接種ができないということです。

なぜなら、風疹ワクチンの接種によって、風疹感染と同様の合併症を引き起こす可能性があるからです。

ただしこれは、理論上の話。

実際にワクチン接種によって先天性風疹症候群を発症した事例は、いまだかつて報告されていません。

もちろん、理論上危険性があれば、避けられるものは避けるべきでしょう。

しかしまた、接種の延期は風疹予防を先延ばしにすることになり、感染のリスクが犠牲となります。

妊娠がはっきりしていれば、当然ワクチン接種はしません。

難しいのは、「妊娠している可能性は完全には否定できない」といった、あくまで可能性レベルの場合。

大事をとって、接種を延期するのが通常ですが、接種の延期にもリスクがあることを忘れてはなりません。

関東や関西を中心に大流行している風疹は、人の移動とともに全国に広がっています。

とくに、お隣の鹿児島県での報告数は、関西をしのぐ勢いなので、熊本も安穏としてはおれません。

「妊娠の可能性」と「感染の危険性」をどう天秤にかけたらよいのか、ケースバイケースの難しい問題です。

項羽と劉邦

中国歴史ドラマ「項羽と劉邦」の放送(全80話)が、明日から始まります。楽しみです。

「秦」の末期から「漢」が成立するまでの物語です。

司馬遼太郎の小説はまだ読んでおらず、読んだのは横山光輝のコミックだけですが、大好きな物語です。

ていうか、中国歴史物はどれも好きです。

いちばん有名なのは「三国志」でしょう。これは横山以外に、吉川英治などでも読みました。

横山漫画で全60巻(文庫版で30巻)、吉川小説で全8巻の大作ですが、いつか読み返したいものです。

映画「レッドクリフ(Part I・II)」は、横山版ならわずか4,5巻程度のエピソードに過ぎず、物足りません。

横山光輝の中国歴史物でいうと、私がいちばん好きなのは「殷周伝説」(全22巻)です。

「封神演義」という名前で知られる、「殷」の暴君「紂王」が「周」の「武王」に誅される物語です。

かつて安能務の小説「封神演義」(全3巻)を読んで衝撃を受けました。面白すぎる。

なにしろ奇想天外。仙人や妖怪が両国に加担するものだから、戦闘もハチャメチャです。

藤崎竜の同名漫画も大ヒットしたようですが、これは絵のタッチが嫌いで読んでません。

「項羽と劉邦」の放送スケジュールを見ると、秦の始皇帝が死去するまでに9話を費やすようです。

これは横山光輝版「項羽と劉邦」(全21巻)の第1巻に収まっている内容です。

どうやらドラマでは、本題に入る前の時代背景を、かなり詳しく描いてくれそうです。

とりあえず今日のうちに、横山漫画で予習しときました。

ナスカの地上絵

ナスカにまた、新たな地上絵が発見されたと、数日前に報じられました。

こういうのは私の好きな話題ですが、あえてブログには書かず、様子を見ていました。

だってあの絵、面白すぎるでしょう。誰か愉快犯が、周到にデザインしたんじゃないの?

と少し疑っていましたが、イタズラではなさそうです。周到にデザインしたのは、紀元前の人たちでした。

この地上絵を「地上を歩いていてたまたま目視で発見した」という山形大の坂井正人教授も、なかなかです。

ていうかまず、なぜ山形大学がナスカ研究なのか。

山形大学のナスカ地上絵研究は、文化人類学者の坂井教授を中心に、2004年に始まったそうです。

その彼の元に、地理学、心理学、情報科学など、専門を異にする研究者たちが集結しました。

こういう、いろんなプロフェッショナルが集まったチームって、映画みたいで何かやらかしてくれそうです。

地上絵の解析には衛星画像が必要ですが、当初は入手が困難で、行き詰まっていたそうです。

しかしあるとき、TVの番組に協力した際に、番組スタッフがナスカの画像を偶然持っていたというのです。

その「世界ふしぎ発見」に助けられて、衛星画像の入手に道が開け、その後の研究が順調に進んだそうです。

衛星画像を元に、気の遠くなるほど精密な地上調査を実施し、100以上の新たな地上絵を発見したとのこと。

今回ニュースになった地上絵は、そのうちのひとつに過ぎないということです。

ちょっと歩いてたら偶然発見して大ニュースになった、という話ではないんですね。

修理と情報漏洩

故障したパソコンが、おいそれとは修理にも出せない、面倒な話です。

電子カルテのパソコン内データは、絶対に外部へ漏洩してはならない、最重要の個人情報です。

では、そのパソコンが故障したら、そのまま修理に出して良いのでしょうか。

以前、何も考えずに修理に出したことがあります。そのときは情報漏洩のことを意識していなかったのです。

ところが、その次に故障したiMacを修理しようとしたとき、突然、ことの重大性に気がつきました。

個人情報保護の観点からは、修理に出す前に、データを完全に消去するのが鉄則でしょう。

ところが、パソコン自体が起動しなくなった場合、データを消去することもかないません。

そのまま修理に出すのはためらわれます。修理先で、データが盗まれる可能性もあり得るからです。

さて、このiMacをどうするか。選択肢は4つ。

(1)機密保持契約を締結した上で、修理を依頼する。修理代は割高になるかも。

(2)自分でHDDをはずして、本体のみを修理に出す。HDDが故障原因の場合は、HDDを自分で交換。

(3)放置

(4)破壊

結局、約半年間(3)の状態でしたが、ある日ふと試してみたら、これが奇跡的に起動したのです。

まず第一にしたことはもちろん、HDDデータ消去。

これで安心して修理に出せるのですが、どうも再使用する気にはなれず、今も結局(3)のままです。

ターゲット広告

大学時代の友人達を熊本に招いて、同窓会をすることにしました。私が幹事です。

そこで、一次会を予定している料理店「菅乃屋」のホームページ(HP)を、参考までに見てみました。

問題は、その後に起きました。

ブラウザで、あちこちのサイトを見るたびに、いちいち菅乃屋の広告が出てくるようになったのです。

それらの広告には「Ads by Google」と記載されています。どうやらGoogleのしわざです。

菅乃屋のURLを調べるとき、ググったのがいけなかったのでしょう。

私に対しては菅乃屋の広告が効果的だと、Googleが判断したわけです。

いわゆる「パーソナライズ・ターゲット」です。

ユーザーの興味・関心やカテゴリーとブラウザが、自動的に関連づけられることをこう言います。

でも菅乃屋なら、私はもう十分知ってます。何度も行ったことあります。次の予約も入れてます。

なのになぜ私に、いまさら菅乃屋の広告ですか。まだ行き足りないですか。毎週行けってですか。

こういったターゲット広告は、ヘタをすると不快感を催し、逆効果にもなりかねません。

現に私は、たびたび表示される菅乃屋の馬刺しの画像に、すでに少々食傷気味です。

365日無休

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-313.html" target="_blank" title="継続は力なり">継続は力なり</a>」と書いたのは、もう8カ月も前のこと。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1.html" target="_blank" title="5年前">5年前</a>に書き始めた当ブログ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-194.html" target="_blank" title="昨年4月16日">昨年4月16日</a>からは休まず投稿を続け、本日で365日連続更新となりました。

ブログの執筆は毎晩の私の日課であり、ほとんど日記のようなものです。

日付が変わるまでに投稿しなければ記録が途切れるので、毎晩0時が締切です。

なので夜遅くに帰宅した日は、時間が無くてあせります。

休診日は余裕があるはずですが、のんびりしていると夜遅くなってしまい、やっぱりあせります。

深夜23時50分を過ぎてようやく投稿したことも、何度もあります。

一般にブログと言えば、食べた物とか、行った所とか、会った人とかの、写真を掲載したものが多いです。

しかし、私のブログには写真がありません。

文字ばかりでは殺風景じゃないか、というご意見を頂戴したこともありますが、写真は載せません。

だって考えてみて下さい。

文章を書くだけでも毎晩苦労しているのに、そのうえ写真の課題まで背負いたくないですよ。

文章の一行目

「文は一行目から書かなくていい」(藤原智美著)という本を、タイトルにそそられて買いました。

この本のタイトルで「文」となっているところは「文章」とすべきではないのか、最初そう思いました。

しかし考えてみると、文章は必ずひとつの文から書き始めるのであり、その時点でそれは文章の一行目です。

つまり、一行目から書かない文章など、あり得ないということに気付きました。だから「文」でいいのです。

ま、枝葉末節ですけど。

ブログの一行目には、何か「フレッシュな語句」を提示したいと、いつも思って書いています。

しかしそれをあれこれ考えていたら、次に進めません。だから一行目は、通常あと回しにしています。

文章全体のバランスを考えて、最後に一行目を書いているのかといえば、それは違います。

私のブログに、全体のバランスなど存在しないからです。

新聞のコラムのような、キザで鼻につく「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-218.html" target="_blank" title="前ふり">前ふり</a>」も、なるべく書かないようにしています。

お前のブログにもときどき、つまらん前ふりがあるじゃないか、と反論する方もいるでしょう。

たしかに、文章の冒頭部が、後半の内容とは無関係の場合も、しばしばあります。

しかしこれは、前ふりではありません。私の場合はただ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-401.html" target="_blank" title="テーマがどんどんズレて">テーマがどんどんズレて</a>いるだけなのです。

イレッサ訴訟

肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟で、最高裁は昨日、原告敗訴の判断を下しました。

この判決の報道でマスコミの歯切れが悪いのは、かつて原告寄りの偏向報道を行っていたためです。

被害者にはお気の毒ですが、医師も製薬会社も国も、がん治療のために、それぞれの立場で尽力したのです。

誰かが悪いから不幸が起きたのではありません。悪いのは「がん」です。

他に治療法がないので、「間質性肺炎」という副作用があっても、イレッサを選択するしかなかったのです。

それでも、身内を亡くされたご遺族は、この治療薬を選択したことを後悔しておられるのかもしれません。

間質性肺炎は、イレッサ添付文書の「重大な副作用」欄にある4つの項目の、4番目に記載してありました。

その記載が、1番目ではなく4番目だったから「注意喚起」が足りなかったのだと、原告は訴えていました。

しかしそれを1番目に繰り上げれば、別の重大な副作用の順位が繰り下がることになります。

実際、改訂第3版では1番目に繰り上がりましたが、そのかわり「重度の下痢」が2番目に繰り下がりました。

同様に、「中毒性表皮壊死融解症」が3番目に、「肝機能障害」が4番目に繰り下がりました。

繰り下げられた副作用で不幸にも死亡する方があれば、1番目でなかったことが問題になるのでしょうか。

1番目に記載しなければ十分に注意喚起できないというのなら、全部1番目に詰め込んだらどうでしょう。

あるいは行頭に、1)2)3)4)と書かずに、1)1)1)1)にしてはどうか。オール1番です。

そんなバカな話はないでしょう。

最高裁も「記載の順番(中略)により影響を受けるものではない」と常識的に判断しました。

抗がん剤は副作用が強く、医師や製薬会社にとってはリスキーな薬です。

しかしそれでも、果敢にがん治療に取り組むのは、その治療を求める患者さんがおおぜいいるからです。

今回のイレッサ訴訟の原告に対して、やんわりと批判的な意見を述べているがん患者団体もあります。

ほとんどの全国紙が、今回の判決を社説にとり上げていません。分が悪いので口をつぐんでいるのでしょう。

ただ一紙だけ、今回の判決に納得していない某紙が、今朝の社説でも医師や製薬会社を非難しています。

「イレッサが残した課題=医療とカネ」だそうです。もう、あきれます。

ホームページ拡充

最近、いろんなホームページ(HP)業者から、たびたび電話がかかってきます。

「クリニックのHPの管理会社を、当社に乗り換えませんか」というのがその趣旨です。

こういった業者がウリにするのは、HPの内容ではなく、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-382.html" target="_blank" title="アクセス増加対策">アクセス増加対策</a>だとかアクセス解析などです。

私も開院当初は、Googleの検索で上位になって喜んだり、アクセス分析結果を見て一喜一憂していました。

しかしやがて、アクセスの多い曜日や時間帯や地域がわかっても、利用価値がないことに気づきました。

また検索上位になっても、HPの内容がスカスカなので、かえって恥ずかしい気持ちになりました。

HPは窓口に過ぎず、重要なのは診療内容、と言ってしまえばそれまでですが、HPの充実もやはり大事です。

あちこちの診療所のHPを見て回ると、ものすごいボリュームのものや、かなり凝ったページに出会います。

私もそのようなHPを作りたいですが、教科書のコピーみたいな、ありきたりの内容にはしたくない。

病気や治療法や医療にまつわる社会問題などについて、自分の言葉で解説したページにしたいのです。

というわけで今は、ブログでお茶を濁しながら、HPの拡充作戦を練っているところです。これホント。

情報の管理

私が接する情報は、ていうか誰でも同じでしょうけど、以下の3つに大別できます。

(1)所有情報:印刷物やパソコンのファイル。量的に限られ、陳腐化しやすいのが欠点。

(2)検索情報:必要時にその都度ネット検索して見つけるもの。玉石混淆だけど、最新情報が含まれる。

(3)伝聞情報:他人から聞いたり、TVその他のメディアで見かけるあれこれ。

この(2)から得た情報のうち、保存に値するものは「pdfファイル化」して(1)となります。

また(3)で興味をもった情報は、あとでネット検索するので、最終的には(2)か(1)になります。

そのようにして、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-34.html" target="_blank" title="pdfファイル">pdfファイル</a>がどんどん増えて、収拾がつかなくなってきたのが、現状です。

HDDやクラウド上の保存スペースを食う上に、pdfでは検索の自由度も低い。

そこで考えたのが、テキストベースの保存です。だって、情報を突き詰めたら、結局テキストでしょう。

まず、専用のデータベースファイルを、「ファイルメーカー」という、なじみのソフトで作成。

ありとあらゆる情報の、必要テキスト部分だけを、データベースにどんどん「コピペ」します。

ファイルの基本構造は、日付(自動入力)とテキスト(出典情報を含む)の2つだけ。シンプルが大事。

このデータベースは、サイズが小さくて検索しやすい、現時点では最良の情報管理法だと考えています。

なお、そんなに情報を収集・整理して何するの、ってのは言いっこナシです。